このところ「グリング」の評価が高まってきました。公演ごとに注目度を増し、今回の第11回公演「カリフォルニア」(7月12日-18日、新宿THEATER/TOPS)も期待を裏切らない出来栄えだったようです。
「某日観劇録」の「六角形」さんは、状況設定を次のようにまとめています。
「デジログからあなろぐ」サイトの吉俊さんは「順当な会話劇、2時間という上演時間があっというまに過ぎた公演は久しぶりである。役者や脚本、まさに良質」と褒め、「しのぶの演劇レビュー」も「チラシを見たとしてもお芝居の詳しい内容はよくわからない状態で観劇することになります。いい意味で裏切られました。「えええええっっ!」とびっくりして息を呑み、そして、甘くて苦い恋の秘め事をドキドキしながら覗き見させていただきました」とある意味で芝居の醍醐味を楽しんだようです。
「休むに似たり。」サイトのかわひらさんも「基本は二人か三人の会話。それぞれの会話からの断片、伝播していく断片、やがて事実や事実でないことの確信を紡ぎだしてしまう緊張感」「女二人、昔のこと今の想いの緊張は心拍が上がっていく実感。これが芝居の芯なのだと思いますが、女三人の居心地の悪い会話も巧いなあ」と舌を巻いていました。
グリングの芝居は大人向き。以前第7回公演「ヒトガタ」をみて、「直木賞向き」と書いたことがあります。一筋縄でいかない暮らしのひだをわきまえつつ、それでも動いてしまう切ない性(さが)を描く台本、それを定着する練達の俳優陣。その基本形は変わっていないようです。
[上演記録]
グリングのWebサイトにもTHEATER/TOPSの公演ページにも、7月28日現在、上演記録が見あたりません。閲覧可能になったら、掲載します。