ダンス交流プロジェクト、横浜と沖縄で

「Aaressa」公演チラシコンテンポラリーダンスの世界でこのところ、アジアやヨーロッパとの交流が盛んになってきた。単純な来日公演ではなく、アーチスト同士の交流を軸とした共同制作が増えているが、年末にかけて横浜と沖縄で進行中のプロジェクトは時間をかけて才能をじっくり育んだり、多角的な催しで公演の広がりと深さを求めるなどひと味違うプロジェクトになっている。

「日本-フィンランド-韓国 ダンス共同制作プロジェクト」は横浜市芸術文化振興財団が3年がかりで進める企画。初年度の今夏は日本の振付家・ダンサー森下真樹がフィンランドのピュハヤルヴィを訪れ、約2週間滞在して地元ダンサーと作品を制作、現地で毎年開催されているフルムーン・ダンス・フェスティバル2007で作品を発表した。年末にはフィンランドで活躍中のヴェーラ・ネヴァンリンナが約1カ月間横浜に滞在し、森下真樹と韓国のダンサーイ・ソンア(Lee Sun-A)と共に「Aaressa~かたわらで~」( ネヴァンリンナ振付)を制作する。また森下真樹の「デビュタント」、ネヴァンリンナの「News」とそれぞれの代表作も同時上演の予定(12 月7日-9 日、横浜赤レンガ倉庫1号館3階ホール)。詳細は次のページ参照。
http://www.yaf.or.jp/facilities/sonota/aaressa/(横浜市芸術文化振興財団)

同財団は1996年から毎年コンテンポラリーダンスのフェスティバル「横浜ダンスコレクション」を開催。2004年度から3年間日仏共同制作プロジェクトを手掛け、日仏両国の俳優、振付家/ダンサー、舞台スタッフを起用した共同作品を制作するなど国際交流を企画してきた。この経験をふまえ開始した今回のプロジェクトは「Education(教育)」と「Exchange
(交流)」を重点テーマに掲げ、若手アーティストの育成を目指すという。同財団は「両国のアーティストが出会うことで、それぞれの国の文化的背景を超えて、お互いに刺激しあい、今までになかった新たなアートを生み出す機会を提供します」と話している。

「テーパノン」公演チラシタイ×日本共同制作ダンス公演「テーパノン」は、この11月に開館した沖縄県立博物館・美術館のオープニング記念事業として開かれる(12月11日-15日)。昨年東京のアジアダンス会議に参加したタイのピチェ・クランチェンは古典仮面舞踊「コーン」を基に同時代の表現を追求する振付家・ダンサー。同会議のあと大阪で地元のダンサーらと制作した作品「テーパノン」が評判を呼び、あらためて韓国、アメリカ、日本のダンサーらと制作することになった。伝統舞踊をコンテンポラリーダンスに生かす苦心や方法をピチェ・クランチェンに聞くほか、シンポジウム「沖縄で考える、アジア・身体・ダンス」を開き、伝統を現代に生かす方途などを話し合う。
また島根県益田市の島根県芸術文化センター「グラントワ」での公演(12月24日)や地元の高津神楽社中との交換ワークショップ(12月19日-21日)も予定されている。
詳細は次のページを参照。
http://museums.pref.okinawa.jp/calendar/index.jsp?year=2007&month=11(沖縄公演)
http://www.grandtoit.jp/schedule/koen_event/detail/2007/071224_01/index.htm(島根公演)

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