東京デスロック「WALTZ MACBETH」

◎椅子取りゲームで「マクベス」 でもWALTZは止まらない  小畑明日香(慶応大生) 微熱があって、関節痛がする折に見に行った。 熱を吹き飛ばしてくれる芝居かもしんない、東京デスロックだし、と思っていた。今回がこの劇団初 … “東京デスロック「WALTZ MACBETH」” の続きを読む

◎椅子取りゲームで「マクベス」 でもWALTZは止まらない
 小畑明日香(慶応大生)

微熱があって、関節痛がする折に見に行った。
熱を吹き飛ばしてくれる芝居かもしんない、東京デスロックだし、と思っていた。今回がこの劇団初見だった。

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桃唄309「月の砂をかむ女」

「月の砂をかむ女」公演チラシSFだった。

ダンスのワークショップなども併せて行っているようで俳優の体の動きが綺麗で、こんなにふわっと動くなら確かにここは重力の少ない天体内の基地なのかもしれないと感じる。
が、その天体が2075年の月の裏側、というのが気になる。
2075年時点の人間は本当に月にいるんだろうか。

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青年団若手自主企画vol.36「御前会議」

青年団若手自主企画vol.36 現代口語ミュージカル「御前会議」 @アトリエ春風舎 4月7日~14日 作・平田オリザ 潤色/演出・柴幸男 平田オリザの戯曲をラップで読んでみた、というこまばアゴラ劇場の会員向けフリーペーパ … “青年団若手自主企画vol.36「御前会議」” の続きを読む

青年団若手自主企画vol.36
現代口語ミュージカル「御前会議」
@アトリエ春風舎 4月7日~14日
作・平田オリザ 潤色/演出・柴幸男

平田オリザの戯曲をラップで読んでみた、というこまばアゴラ劇場の会員向けフリーペーパーに惹かれて行ってみた、が、若干の不安もあった。
リズム感がないのには自信がある。
歌い上げないで、台詞と歌を乖離させないで作るというミュージカルを、どこまで感じ取れるかを危惧していた。
「目を閉じればミュージカル 耳を閉じれば口語演劇」(当日パンフより)
もし耳が、閉じっぱなしだったらどうしよう。

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青年団リンク青☆組「うちのだりあの咲いた日に」

◎揺るがないリアリティ ぎっしり詰まった伏線が見事
小畑明日香(慶大生)

「うちのだりあの咲いた日に」公演チラシ処女作の五年ぶりの再演、であり、執筆当時の自分の意向をも演出家の立場からよく汲み取っていたと思う。
脚本家コンクール入賞作家の、演出家としての力量も充分に感じさせてくれた。あ、若手演出家コンクールで賞とっている人でした。失礼しました。

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龍昇企画「モグラ町」

◎待ったなしで台詞が飛んでくる 「間」は徹底して削がれて
小畑明日香(慶応大生)

あーおもしろかった。圧倒されるんじゃなく、笑いたいとこで笑えて、終始伸び伸びとした気分で見られた。こういう演目があるから芝居はやめられない。

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劇団鹿殺し「2008改訂版・百千万」

◎新鮮な風は勢いがあって冷たい 破壊力抜群の再演舞台
小畑明日香

「2008改訂版・百千万」公演チラシ西日本福井県の、原発事故を一応下敷きにしている。一応、だ。だって鹿殺しだから。
前回見た『SALOMEEEEEEE!!!』でも強く感じたことだが鹿殺しの話は神話っぽい。
日本の戦後とギリシャ悲劇がちゃんぽんになった世界観で、登場人物の名前も手伝ってどことなく寓話っぽい。

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青年団リンク 二騎の会「五月の桜」

◎ありふれた言葉で凝縮された関係を描く
小畑明日香(慶応大、wonderland執筆メンバー)

「五月の桜」公演チラシ脚本の設定のことから話すのがいいだろうか。
脚本家の処女作を大幅改訂しての上演である。北海道のある場所、花が散った後の桜がぽつぽつと生える場所が舞台になる。客席との段差なし。
中央奥に大きな灰色の柱があって、その奥は墓地に続いていることになっている。
家族を扱った話は多いが、『五月の桜』に登場する「家族」はなんと言うか、密度が濃い。嫁姑、再婚、連れ子二人の交流、昔の男と今の男の三角関係、失踪した妹と姉の再会、これが一つの家族の物語として織り込まれている。

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元祖演劇乃素いき座「阿房列車」

◎もろもろを飲み込んだ時間が流れる 向かいに座って旅した気分
小畑明日香(慶応大)

「阿房列車」公演チラシ1991年から毎年1回上演している舞台、である。今年で17年目になる。
目的に向かって走る汽車の、ある車両に乗り合わせた老夫婦と若い女のやりとりを描いた三一致の3人芝居、ただし老夫婦の配役は毎年同じで若い女の役だけが交代している。

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零式「返事」

◎「閉塞感」のない肩すかし 人物設定が凝りすぎか  小畑明日香 『半寝』で第24回新風舎出版文化賞出版化推薦作選出、 前作『ブリキ・ゴーレム』で2005年佐藤佐吉賞優秀脚本賞など、 多くの脚本賞を受賞している劇団零式の、 … “零式「返事」” の続きを読む

◎「閉塞感」のない肩すかし 人物設定が凝りすぎか
 小畑明日香

『半寝』で第24回新風舎出版文化賞出版化推薦作選出、
前作『ブリキ・ゴーレム』で2005年佐藤佐吉賞優秀脚本賞など、
多くの脚本賞を受賞している劇団零式の、最新作『返事』をついに見に行けた。
一昨年『半寝』のチラシを見てから気になっていた劇団だったので、
こまばアゴラ劇場での公演が決まってとても嬉しかった。
なっておくもんだ、劇場支援会員。

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