忘れられない一冊、伝えたい一冊 第24回

◎「日日雑記」(武田百合子著 中公文庫)
 小野寺修二

 映像の現場へ行ったことは数える程だが、先程撮ったものの確認を大の大人が画面の前にひしめき合い、ぎゅうぎゅう集まってじっと見ている。いろんな立場の人が各々、それぞれ高くなって低くなって見ている。見終わって、ああだこうだ言うでなくまた散って、じっとり形になる。見るって、こういうことだと納得する。
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