新劇の舞台を観たのは数えるほどしかない。中・高校生の頃の学校観賞で一度ずつ観たのと、大学3回生の頃に教師からチケットをもらって観た計3回しかない。理由は単純と言えば単純で、60年代以降の現代演劇がいかに衝撃的で前衛的だったかを専門に学んできたため、これまで新劇を忌避してきただけである。しかし、今後劇評を書いていく上でそういった固定観念は自らの守備範囲を狭めるだけではないかと感じる所もあって、ちょうど公演を予定していた「関西芸術座」スタジオ公演『心と意志』(関芸スタジオ)に焦点を合わせたというわけである。また、近年その活躍が目覚しい坂手洋二(燐光群主宰)の作品を上演するということも足を運ばせる動機になったと言える。
関西芸術座 『心と意志』
◎新劇は死んでいない 新劇の舞台を観たのは数えるほどしかない。中・高校生の頃の学校観賞で一度ずつ観たのと、大学3回生の頃に教師からチケットをもらって観た計3回しかない。理由は単純と言えば単純で、60年代以降の現代演劇がい … “関西芸術座 『心と意志』” の続きを読む