青年団「砂と兵隊」

◎軍と市民は砂漠の中で対等だった
 小林幸雄

「砂と兵隊」公演チラシ 「砂と兵隊」を見た。劇場に入ると、砂づくし。舞台は一面に白砂があり、向かって左手奥の天井から吊下げられた袋から砂が滑り落ちている。見るものに砂の質感がしっかり伝わってくる。そして客にマスクと飴を配布している。乾燥しますと言いながら。砂を過剰に意識させようという目論見か。
 そのような仕掛けは、登場する日本の兵隊が水を飲む場面で、その兵の渇きを強く共感させる。本当にうまそうだったし、まさに砂漠は乾燥しているのだと納得させた。その砂漠で何が起きるか。
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