アロッタファジャイナ「被告人~裁判記録より~」

◎価値観の脆さ、危うさを指摘
 節丸雅矛

公演チラシ
公演チラシ(撮影=豊浦正明)

 人が人を裁く。それが裁判である。
 人が人を裁くためには理由がいる。その根拠が「罪」という概念であり、「罪」は償わねばならぬものである。
 「罪」を「罪」たらしめるのは「神」もしくは超越した存在であり、「神の法」「自然法」とも言うべきものである。
 『人を殺してはならない』『盗んではならない』…一見当たり前、あえて議題にするまでも無い自明のことのように見える。
 この「当たり前のこと」に対して大きく疑問を投げかけるのがこの作品「被告人~裁判記録より~」である。
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