忘れられない1冊、伝えたい1冊 第10回

◎「寝ながら学べる構造主義」(内田樹著、文春新書、2002)
  山口茜

「寝ながら学べる構造主義」表紙
「寝ながら学べる構造主義」表紙

 何が書いてあるのか、一度読んだだけではよく分からなくて、でも分からないのにこれはどうも自分の中に落とし込んだほうが良さそうだぞ、というのがこの本を初めて読んだときの印象でした。そしてこれを皮切りに、私はどんどんと内田樹さんの著書にはまり込んで行くわけですが、未だにこの本は何度読んでも理解した気になれません。同じ内田本でも、「こんな日本で良かったね 構造主義的日本論」や「日本辺境論」などは最後まで非常に口当たりがよくて人に勧める事が多いのですが、この本については本当に全然分かっていないので、人に勧めた事がありません。じゃあなぜ今回、挙げたのかというと、これが私の尊敬する作家、内田樹さんとの出会いとなる本だからです。
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