シス・カンパニー「ママがわたしに言ったこと」

 木内みどり(祖母)、渡辺えり子(母)、大竹しのぶ(娘)、富田靖子(孫娘)の4人が登場することで話題を呼んだシス・カンパニーの「ママがわたしに言ったこと」公演が東京・青山円形劇場で開かれています(9月4日-10月3日)。
 シス・カンパニーのWebサイトによると、英国の女性作家シャーロット・キートリーが、25歳だった1985年に書き下ろした作品で、母と娘、3組4世代に渡る女たちが、結婚や仕事、女性ならではの決断の瞬間を、時を超えて語り合う内容。時間と空間を自在に往還する劇構造や、女性だからこそえぐることができる<母と娘>という、女同士の複雑かつ繊細な関係描写が反響を巻き起こし、フランス・ドイツ・デンマークなどヨーロッパや、米国・カナダ、オーストラリア、イスラエルなど世界各国で上演されたそうです。
 CLP(クリティック・ライン・プロジェクト)のタカオカサチコさんは4女優の演技を評価しながらも、「女性作家が女性を描いた舞台ながら、本音の掘り下げが、少々物足りなかった」と述べています。

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デフ・ウェスト・シアター「ミュージカル ビッグ・リバー」

 ホリプロ・テレビ朝日・朝日新聞社・TOKYO FM共催のデフ・ウェスト・シアター「ミュージカル ビッグ・リバー」公演(9月28日-10月24日)が東京・青山劇場で開かれています。
 「しのぶの演劇レビュー」が早速取り上げました。
 マーク・トウェイン原作の「ハックルベリー・フィンの冒険」をもとにしたミュージカルで、舞台版オリジナルは1985年に発表され、トニー賞を受賞した作品。「デフ・ウェスト・シアターの「デフ」は英語でdeaf、つまり聾者(ろうしゃ)。…聾者の俳優さんは声を出さずにアメリカ式手話(American Sign Language)で語り、聴者(耳の聞こえる健常者)の俳優さんが聾者の俳優さんの裏、または横でセリフをしゃべったり歌ったりします」「大人数でそろって手話をするのはとてもきれいでした。アメリカ式手話がいわばダンスの振付になっている」舞台だそうです。「興奮冷めやらぬ初日の夜が明けて、メルマガ号外(2004/09/29)を出しました!」と報告しています。

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青年劇場 『夜の笑い』

「再演」の意味を問う

 青年劇場創立40周年と飯沢匡没後10周年を記念して、紀伊國屋サザンシアターで『夜の笑い』が上演された。前世紀の忠義や「御国のため」という絶対的な標語の下に否定される命の価値を批判的に再現してみせたものの、結局のところ、戯曲の力に大いに助けられた公演だった。

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地人会「夜からの声」

 地人会第95回公演「夜からの声」(作:山田太一 演出:木村光一)を「No hay banda」サイトが取り上げました(新宿・紀伊国屋ホール、9月21日-10月2日)。「おどろおどろしい山田太一ワールドが炸裂か、と予想して出掛けたのですが、笑いもふんだんに盛り込んだ『安心して見られる』芝居」と報告しています。


三田村組「イヌよさらば」

 「No hay banda」サイトが三田村組第8回公演「イヌよさらば」(9月22日-27日、中野ザ・ポケット)を取り上げています。「よくできた舞台です。まず作品の雰囲気を感じるのが美術。座敷の中央に座卓、上手奥には積み上げられた座布団と折り畳み式横長テーブル、下手手前にテレビと将棋盤、奥に違い棚、正面奥は廊下の向こうに夜の庭が広がり、落ち着いた日本家屋の味わいが得られます。そして音響。かすかな虫の音、さらには雨音と、美術とあいまって日本的感興を高めます。そこで濃い男の世界が演じられるのです」。お目当ての松金よね子らベテラン俳優が締めているので、きっと落ち着いた舞台だったのではないでしょうか。


トリのマーク「花と庭の記憶-向島-その3」

 「中西理の大阪日記」サイトが、トリのマーク「花と庭の記憶-向島-その3 ワニシキは花を、プシュカルは山を」公演を取り上げていました。この劇団は名前がトリの絵。発音しようがないので通称「トリのマーク」と呼んでいる不思議な劇団です。方法論もおもしろい。まず気に入った場所を見つけ「場所に合わせて、作品を書き下ろし、上演する」のだ。選ばれるのは美術館やギャラリー、歴史のある建物、そして野外などさまざまですが、今回白羽の矢を立てたのは、由緒ある向島百花園でした。
 「緑に囲まれた回廊のような空間(中庭)で芝居ははじまるのだが、そこには観客のための椅子が置かれているだけで、それ以外に持ち込まれた舞台装置も照明音響機材もいっさいなし。これが普通の演劇公演とは大きく異なるトリのマークの野外劇の特異なところでもある」。興味津々ですね。


東京コンペ#1 ダンスバザール大賞

 「東京コンペ・ダンスバザール大賞ダンス&パフォーマンス部門」の最終公開審査が9月20日、東京・丸ビルで開かれました。主催者のWebサイトによると、「東京コンペ(TOKYO COMPETITION)は、21世紀の都市・街区をアート化し、祝祭化する、新しいアート価値を生み出す、ニューヴァリューアーティストの発掘と支援を目的とする」そうです。
 第1回の今年は、大賞が岡本真理子「まばたきくぐり」に決まりました。残念ながら会場に行けなかったので詳細は分かりませんが、さまざまな意見、批判がネット上に載っています。
 「デイリー・サクラー」サイトは「問題は2つある。一つは、いろんなジャンルからノミネートされるとして、その個々のレベルはある程度揃えるべきではないか。また、審査は個々のジャンルの表現としてのクオリティで評価すべきではないか」と作品の審査基準、さらにはその内容、審査員の選考にも言及しています。
 「中西理の大阪日記」は各参加者のパフォーマンスを丁寧に紹介した上で「優秀賞にストリートダンス系のはむつんサーブ 『アニメーションスタイルダンス』を選んだことなどはこのコンペをトヨタや横浜と差別化しようという政治的な判断を感じられて、審査員の人選も含めて今後続けるとすれば課題が感じられる」と述べています。


女体道場「芝浦食肉センター」

 いつもお世話になっている「休むに似たり。」サイトが、新宿タイニイアリスで開かれた女体道場「芝浦食肉センター」公演(9月17日-20日)のレビューを掲載しています。冒頭の一行は「劇団名も役者名もふざけたような印象なのですが、今作、実に傑作だと思います」とズバリ。ちゃーんと見ているのですね。劇団のメンバーにインタビューした経緯もあって、これまで目立たなかった劇団の公演を取り上げていただくのはうれしい限りです。


ジンジャントロプスボイセイ「かもめ」

 「しのぶの演劇レビュー」は「短い時間内にきっちり本筋が描かれているのはすごい」と評価。「あぁ・・・つくづくこの作品は野外でぜひ観たいと思いました。(中略)全く違う味わいだったことと思います」と述べています。
 「白鳥のめがね」サイトは「戯曲の一側面を強調して照らし出しているという意味では、戯曲の再現的上演ではなく、解釈そのものの提示である」と述べた上で、「感傷性から遠い場所で、残酷さを強調して演出したという面では、三浦基演出の『三人姉妹』も連想した。こちらは11月に再演されるようなのでぜひ見比べてほしい」と付け加えています。


演劇計画2004+青年団リンク・地点『じゃぐちをひねればみずはでる』

 演劇計画2004+青年団リンク・地点『じゃぐちをひねればみずはでる』は既に本サイトの松本和也氏の評が掲載されていますが、ネット上でいくつかレビューが公開されています。
 「ワニ狩り連絡帳」サイトは「テキストと身体と声、そして共有される記憶。それぞれをカットアップし、サンプリングして構成された、音楽ではない21世紀のオペラ。踊りではない21世紀のダンス。そして今日の演劇」と総括しています。しかし別の意見も。「某日観劇録」サイトは「結局なんのことだかさっぱりわかりませんでした」とさじを投げています。