ユニークポイント「脈拍のリズム」

感激で涙がにじむ舞台もあれば、ごひいきの劇団公演で楽しく小屋を後にする芝居もあるでしょう。しかしユニークポイント「脈拍のリズム」公演(9月14日-19日 下北沢OFF・OFFシアター)はそのどちらにも入りません。トゲのように記憶に突き刺さっていると言えばいいのでしょうか。公演が終わってから2カ月あまり経つのに、妙に気になっています。思い出しながら、どこが気になるのかあたらめてたどり直してみました。

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ポタライブ 吉祥寺編「泡」ほか

 この秋はポタライブが盛り上がったようです。新旧10作品を次々に公演し、ネット上のレビューも目につくようになりました。散歩が演劇として成立する方法を具体化したことが魅力だったのでしょうか。観客を(ときには強引に)巻き込む街頭演劇ではなく、借景として場所を利用するだけでもなく、散歩という生活(風景)の流れに演劇を引き込む手法が興味を引いたのかもしれません。
 「オム来襲」サイトに、吉祥寺を舞台にした「泡」公演(10月3日-4日)の印象と考察が載っています。ライブの特徴が確かに切り取られていると思いました。

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『 サド侯爵夫人 』 (全3幕)

東京国立博物館の特別第5展示室は、今年7月にク・ナウカが『王女メディア』を上演し、残響のせいで、台詞が聞き取りにくかった、ということがあった。

今回もク・ナウカほどではないが、早口や高音になった時に、特に聞こえづらかった。私の経験では、座席が舞台の近くでは問題ないが(この点は強調しておきたい)、遠くになる(高くなる)ほど、その傾向は強くなるようだった。

今回は、演出家の意図として「言葉の音楽性に徹底的にこだわるという方法をとりたい」(パンフレットより)ということなので、意味より音響を重視したのかもしれない。

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#2.S高原(ニセ)ノート

平田オリザの『S高原から』という戯曲(とその上演)を原作として、4人の若手演劇作家がそれぞれに上演を行うという企画だった『ニセS高原から』について。

2005年の8/28から9/27の間連続上演された、というわけで、今更書くのはずいぶん遅れてしまったのけど、個人的な覚書をここにちょっと書いておこうと思います。

『ニセS高原から』を見て改めて思ったのは、「脚色」と「演出」との微妙な関係です。

「脚色」と言うと、本来、事実や小説を戯曲化するといった意味ですが、既にある物語やドラマ、戯曲を、舞台にのせるため、つまり、演出されるものとして、加工する作業を、広い意味で脚色と言ってしまうことにします。

結論としては、三条会以外の劇団は、平田戯曲に様々に手を加えたものを上演テクストに用いていたわけですが、その「脚色」作業が「演出」作業と連続したものになっている。当たり前のことのようですが、それが当たり前になっている点に、日本の演劇の現状もまたあらわれているだろうな、と思います。

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ク・ナウカ / ク・ナウカで夢幻能な「オセロー」

 ク・ナウカの「オセロー」公演は、東京国立博物館の日本庭園に特設された屋外舞台で開かれました(11月1日-13日)。シェークスピアの原作を夢幻能に仕立てた碩学平川祐弘東大名誉教授の台本を採用し、話者(スピーカー)と動者(ムーバー)を分ける「2人1役」だけでなく、動者もせりふを話し、話者も動き出すという珍しい公演でした。

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SOMA組「SOMA on 風呂屋」

贔屓にしてるひとり芝居の公演を、
久々に見に行ってきました。

このSOMA組も含めて、
良質の芝居を見せてくれる劇団には、
観客に向けたオリジナルのサービスを実施していることが多いと最近思い始めました。
自己満足に終わっていないかどうかの、
バロメーターと言えそうですね。

おはしょり稽古より「敷居の低さが心地いい芝居」


ククルカン「グリニッジ」

 PCが壊れてショックでしたが、予備機がやっと動き始め、なんとか活動再開できそうです。たまったレビューをこれから追々掲載します。
 まず10月末に開かれたククルカン「グリニッジ」公演をお届けします。よく練られ、行き届いた舞台という印象でした。この演劇ユニットの舞台体験は初めてなので、どこまで理解できているか怪しいのですが、ともかくまとめてみました。
 ところで「ククルカン」ってマヤ神話の至高神にちなんでいるのでしょうか。それとも高田慎一郎の漫画からとったのでしょうか。

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新国立劇場『屋上庭園/動員挿話』

リニューアルおめでとうございます。芸術の秋。最近も印象に残る舞台がたくさんあるのですが、なかなかレビューまで至りません。ぼちぼち書いていきます。今後ともよろしくお願いします。さて、新国立劇場で岸田國士作品が上演されています。岸田戯曲賞に名を残す大家の作品に触れる機会はあまりないので、足を運んできました。

新国立劇場『屋上庭園/動員挿話』