劇団鹿殺し「SALOMEEEEEEE!!!」

 青柳 舞

 五月一日、まさにゴールデンウイークの初日、新宿のタイニイアリスにて劇団鹿殺しの「SALOMEEEEEEE!!!」を観劇する。 
 「SALOMEEEEEEE!!!」は「サロメエエエエエエエ!!!」と読むべきか、「サロメェェェェ!!!」と読むのか、はたまた「サロメエェェェェェエ!!!」と読むべきか、声に出してみた時、非常に悩んだものだ。どの読み方にしろ、私はこの題名にエネルギッシュに満ち溢れたパンクさを感じた。ホームページにもパンクさが炸裂しているではないか。そもそも、劇団名から只ならぬものを感じる。なんせ、「劇団鹿殺し」という物騒な名前をしているではないか。「鹿を殺しちゃうのかぁ~」。などと勝手な事を思っていた私。一度、聞いたら忘れられないインパクトがある。

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鳳劇団「わすれな草をあなたに」 小笠原幸介

 会場に入るとなんとも能天気な昭和歌謡が流れている。その雰囲気と以前の作品『昭和元禄桃尻姉妹』の評判から、ドタバタ喜劇のようなものを勝手にイメージしてしまっていたのだったが、実際観てみると全然違う印象だ。もちろんドタバタ … “鳳劇団「わすれな草をあなたに」 小笠原幸介” の続きを読む

 会場に入るとなんとも能天気な昭和歌謡が流れている。その雰囲気と以前の作品『昭和元禄桃尻姉妹』の評判から、ドタバタ喜劇のようなものを勝手にイメージしてしまっていたのだったが、実際観てみると全然違う印象だ。もちろんドタバタも笑いの要素も芝居の中にはある。しかし意識してコテコテの笑いを狙っている訳でも、客に媚びているような態度も一切なく、俳優達の立ち振る舞いも含めて、なんというかとても品のある舞台なのだ。 (以下、タイニイアリスWebサイトをご覧ください)
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日本劇作家協会長に坂手洋二氏

 日本劇作家協会の新役員体制が5月28日に開かれた総会で正式承認され、新会長に坂手洋二、副会長に横内謙介、渡辺えり子、専務理事に平田オリザら各氏がきまりました。任期は2008年3月31日まで。だいぶ遅れましたが手短に掲載 … “日本劇作家協会長に坂手洋二氏” の続きを読む

 日本劇作家協会の新役員体制が5月28日に開かれた総会で正式承認され、新会長に坂手洋二、副会長に横内謙介、渡辺えり子、専務理事に平田オリザら各氏がきまりました。任期は2008年3月31日まで。だいぶ遅れましたが手短に掲載します。

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劇団鹿殺し「SALOMEEEEEEE!!!」

予感に満ちた混沌の中からまだ何とも知れぬ、何か魅力的なものが、むくむくと立ち上がってくる――その瞬間に立ち会えることがオルターネイティブ・シアターを観るものの最高の幸せ、と私は思っているのだが、今回の丸尾丸一郎脚本・演出 … “劇団鹿殺し「SALOMEEEEEEE!!!」” の続きを読む

予感に満ちた混沌の中からまだ何とも知れぬ、何か魅力的なものが、むくむくと立ち上がってくる――その瞬間に立ち会えることがオルターネイティブ・シアターを観るものの最高の幸せ、と私は思っているのだが、今回の丸尾丸一郎脚本・演出「SALOMEEEEEEE!!!」は、まさにそれであった。

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若手演出家コンクール2006 募集中

日本演出者協会が主催する「若手演出家コンクール2006」が参加者を募集中です。応募資格は「自分を若手(新人)と考える演出家」というだけの伸びやかさ。最優秀演出家賞(1名)には賞金50万円と記念公演の機会が与えられます。
このサイトのニュースや報告は観劇者への情報提供を基本に考えていますが、このコンクールは最終審査が公開で、審査の過程に観客参加の方式が組み込まれているので取り上げました。

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乞局「乞局」

結成7年目の乞局が、第十回記念公演と銘打って 旗揚げ公演の再演に踏み切りました。 7年前は小学生だった私は 旗揚げ公演と比較してレビューを書くことはできないのですが、 「手を加えたというか原作にして書いた感じでしょうか? … “乞局「乞局」” の続きを読む

結成7年目の乞局が、第十回記念公演と銘打って
旗揚げ公演の再演に踏み切りました。
7年前は小学生だった私は
旗揚げ公演と比較してレビューを書くことはできないのですが、

「手を加えたというか原作にして書いた感じでしょうか?」(当日パンフより)
という主宰の下西啓正さんの発言からも、
初演時より大幅に書き換えたことが窺えます。

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青年団+文学座「職さがし」

作品は1971年にフランスで発表されています。当時はポンピドーがドゴールの跡を継いで大統領になったばかり。「5月革命」の熱気が尾を引いているものの劇中でその余波はあまり感じられません。中高年の失業は社会問題になっていなかったようです(労働政策研究・研修機構「フランスにおける中高年の雇用」)。
再就職活動中の夫は40代半ば。勤め始める妻と、左翼活動に入れあげる16歳の娘との3人家族。それに企業の面接官(人事担当者)と併せて4人が、白で統一した服装で登場します。

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TOKYOSCAPE・東京ワークショップ

 東京を拠点に活動する6劇団が今夏、京都で集中公演する「TOKYOSCAPE」フェスティバルが開かれますが、それに先だって参加劇団の方法論を知ってもらうための東京ワークショップが6月19日から9日間の日程で組まれています … “TOKYOSCAPE・東京ワークショップ” の続きを読む

 東京を拠点に活動する6劇団が今夏、京都で集中公演する「TOKYOSCAPE」フェスティバルが開かれますが、それに先だって参加劇団の方法論を知ってもらうための東京ワークショップが6月19日から9日間の日程で組まれています。参加劇団の演出家6人が講師となり、共通テキストとして京都在住の劇作家鈴江俊郎の岸田戯曲賞受賞作『髪をかきあげる』を取り上げます。各コースは1演出家3コマ(1コマ3時間30分×3)単位。各演出家の複数コースを選択できる仕組みです。定員は各コース14人。対象は「一般の方を拒みませんが、演劇志望向けのプログラム」になるそうです。東京ワークショップは昨年に続き2回目。最終日の「成果発表」は一般にも公開されます。

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三条会 『砂の女』 (作:安部公房、構成・演出:関美能留)

◎男と女と、そして〈砂〉 今回、四演目という三条会の『砂の女』。北千住の、普段は稽古場という劇場に入ると、向かい合う客席に挟まれた2mばかり下、船底のような長方形の舞台空間は三方を壁に囲まれ、七人の俳優がそれぞれ男四人と … “三条会 『砂の女』 (作:安部公房、構成・演出:関美能留)” の続きを読む

◎男と女と、そして〈砂〉

今回、四演目という三条会の『砂の女』。北千住の、普段は稽古場という劇場に入ると、向かい合う客席に挟まれた2mばかり下、船底のような長方形の舞台空間は三方を壁に囲まれ、七人の俳優がそれぞれ男四人と女三人に分かれて準備運動めいていた。中央には長い縄梯子。観客はちょうど、舞台を下にのぞきみるような格好になる。その日に坐った席からみると、舞台の右手が出入りの袖代り、左手が天井までのびる劇場の黒壁である。その左手――壁がすなわち穴の底(下方)であり、右手は外界(上方)、というわけ。舞台をへだてて向う側の人には当然、逆に映っているハズだ。〈底〉を背に、女たちがいる。反対側に男らがいる。「のぞきこむように、ご覧ください」という俳優の挨拶に誘われ、エレキギターも狂おしいアメリカ国歌の「Introduction」が鳴れば、いよいよ開演である。 

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とくお組「成層圏で仕事も遊びも。~恋も~」

慶応大学出身の男ばっかり劇団、 以前に「学生ドリフターズ」と称したこともある とくお組の新作コメディーを拝見してきました。 機能的かつ凝った舞台装置と 救いがたく間抜けな展開が好きで 足を運んでいるのですが、 「面白いけ … “とくお組「成層圏で仕事も遊びも。~恋も~」” の続きを読む

慶応大学出身の男ばっかり劇団、
以前に「学生ドリフターズ」と称したこともある
とくお組の新作コメディーを拝見してきました。

機能的かつ凝った舞台装置と
救いがたく間抜けな展開が好きで
足を運んでいるのですが、

「面白いけど、今回はいまいち」というのが
観劇後の正直な感想でした。
笑うまいと思いながら笑わされてしまったし、

話も本当に上手いと思ったんだけど、
個人的にはいまいち。
もっと面白くできたんじゃないのかい?
という気がする。

まだ公演期間中なので、
追記欄でネタバレを交えつつ詳細を話します。

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