エジンバラ演劇祭2006-6

◎重要な独自技術の獲得と蓄積 既存テクニックの戦略的排除と同時に
 中西理(演劇コラムニスト)

 DANSE BASEの特徴はコンテンポラリーダンスの拠点というわけではなくて、ダンス全体の拠点だということにもある。もちろん、英国系の現代ダンス作品を紹介するというのがこの施設の大きな役割ではあるのだけれど、民族舞踊的な要素の強い海外のカンパニーの作品やヒップホップ、あるいは本来の英国ダンスの中心であるバレエなども一緒に紹介されているのが面白いところだ。

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週刊マガジン・ワンダーランド第18号発行

 週刊マガジン・ワンダーランド第18号が11月29日に発行されました。
 今週は劇評がそろいませんでした。中西理さんのエジンバラ演劇祭報告1本です。ぼくも取り掛かっていた連載とレビューをいずれも完成できず、段取りの悪さだけが目立つ結果となりました。本数が足りないのは初めての体験ですが、やはりへこみます。来週を楽しみにしてください。
 以下、目次です。

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文学系雑誌で演劇(人)特集

 小劇場演劇やコンテンポラリーダンスが既存の雑誌メディアで取り上げられることが多くなってきたようです。国語教育の専門誌『国文学解釈と鑑賞』が別冊で「現代演劇」を特集しました。戦後演劇の総ざらいのような内容になっていますが、もちろん小劇場演劇のいまも含めてずっしり手応えのある論文が並んでいます。
 「詩と批評」をサブタイトルにした月刊誌『ユリイカ』は11月臨時増刊号で「総特集 宮沢章夫」を発売しました。劇作、演出だけでなく、小説の分野でも脂の乗ってきた時期のタイミングよい企画ではないでしょうか。

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タテヨコ企画「フラミンゴの夢」

◎不条理な展開が生むおかしみ ナチュラルな行為の積み重ねの先で
楢原拓

「フラミンゴの夢」公演チラシタテヨコ企画は、作・演出の横田修さんと俳優の舘智子さんの二人で結成され、その二人の名前、「舘」と「横」からとってつけられた劇団名だそうです。
初見の私としては、周辺の人の話から、なんとなく淡々とした静かな芝居を勝手に想像していたのですが、それがなかなかコミカルで飽きさせない、どちらかというとウェルメイドなつくりの芝居に仕上がっていて、とても楽しく拝見することができました。

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エジンバラ演劇祭2006-5

◎分かりやすいダンスにきわどい性描写 DANCE BASEの独自プログラム
中西理(演劇コラムニスト)

エジンバラ演劇祭は本来、演劇(特にコメディーショー)を中心にしたフェスティバルでアビニョン演劇祭などと比較したときにはダンスのプログラムにはそれほど強くない。そういうなかでDANCE BASEとAURORA NOVA FESTIVALが開催されているSt.Stephen はレベルの高いダンスやフィジカルシアターを見ることができる貴重なプログラムを提供している。

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上品芸術演劇団「まじめにともだちをかんがえる会の短い歴史」

◎「確かな芝居」の世界へ切り替わる 内閉した心情をぶつけるシーンで
藤原央登

「まじめにともだちをかんがえる会の短い歴史」公演のチラシ」上品芸術演劇団といういささか大時代がかったネーミングのユニットは、チラシには兵庫県のAI・HALLで長年開かれていた演劇塾の9期生(女優4人)にチーフディレクターであった劇団八時半主宰の鈴江俊郎が加わって成立したものであると書かれている。私は2月の劇団八時半公演『完璧な冬の日』で描かれた空港建設に反対運動を続ける登場人物に鈴江の演劇することの意味と倫理を感じ取り、また愚直なまでに演劇が成立する作業仮設としての劇団の堅持とその必要性を希求する姿勢に好感を持った。それは本当に今どき珍しいくらい演劇への直截な情熱を感じさせるものであるが、まさか自劇団の他に集団を持つとは予想外だった。

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週刊マガジン・ワンダーランド第17号発行

 週刊マガジン・ワンダーランド第17号が22日発行されました。
 今週は、関西で旗揚げした上品芸術演劇団「まじめにともだちをかんがえる会の短い歴史」(藤原央登)と、タテヨコ企画「フラミンゴの夢」(楢原拓)の2本を取り上げました。「エジンバラ演劇祭2006」は佳境に入り、あと2回続きます。連載「千秋残日抄」は筆者の都合で次回掲載となります。ご了承ください。
 詳しい目次は以下の通りです。

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かながわ戯曲賞の公開審査は12月4日

 第6回かながわ戯曲賞の公開審査が12月4日、横浜のSTスポットで行われます。入場無料。
 応募81作品から第1次選考を通過したのは6作品。当日午後6時半からの審査で最優秀賞と佳作各1作品が選ばれる予定です。
 審査委員は宮沢章夫(遊園地再生事業団主宰、劇作家、演出家)、松本修(MODE主宰、近畿大助教授)、内野儀(東大助教授、演劇批評)の3人です。
 詳細は神奈川県芸術文化財団のWebサイトをご覧ください。

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東京デスロック「再生」

◎身体によって発想された身体による物語
高木 登

「再生」公演チラシ(表)多田淳之介は「今回見つめ直すのは『物語』」であると書く(本公演チラシ裏)。「僕としては希望を描いたつもりです」とも書く(当日パンフレット)。だがここには一般的に期待されよう「物語」も「希望」もない。見えない。すくなくとも表層的にはそうで、ならばそれはどこにあり、どこに込められているというのか。

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ベケット「エンドゲーム」

◎「待つ」ことの希望と救済
田中綾乃

ベケット「エンドゲーム」公演チラシ今年は、ベケット生誕100年ということで、ベケットに関するシンポジウムや公演が数多くなされている。その中でも、9月末にシアタートラムで上演された『エンドゲーム』は、連日立ち見がでるほどの盛況であった。

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