年末回顧「振り返る 私の2008」-今年の3本

 2008年もあっという間に年の瀬を迎えました。この年末回顧企画「振り返る私2008」は、「記憶に残る今年の3本」を選び、小劇場演劇とダンスの1年に多様な光を当てようという試みです。多くの方々の回答から、幾筋かの流れを感じられますね。
 「マガジン・ワンダーランド」(メルマガ版、12月21日、22日)発行分に、その後に到着した回答を追加して総計44人となりました(12月28日現在)。掲載は到着順です。次のページでじっくりご覧ください。(編集部)
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流山児★事務所「ドブネズミたちの眠り」

◎からだの奥深く入り込む、男たちのドタバタナンセンス芝居
鴨下易子(アトリエ・ドミノ主宰)

「ドブネズミたちの眠り」公演チラシ今日はなぜか元気だ。昨日の芝居のせいだろうか? でもあれ面白かったけどしょうもない話で、最後にはみんな死んでしまう救いのない芝居だったのに…。タイトルは『ドブネズミたちの眠り』、会場はスペース早稲田。

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クロスレビューは東京デスロック「その人を知らず」

しばらくご無沙汰でしたが、ワンダーランドのクロスレビューを再開します。取り上げるのは、東京デスロック「その人を知らず」公演です。東京・こまばアゴラ劇場で12月26日(金)から始まり、年明け1月5日(月)まで開かれています。この舞台を最後に東京公演をしばらく休止するというので、多くの方々に見てもらいたい、クロスレビューに参加してもらいたいと思います。
応募要領は、これまでと同じです。☆印による5段階評価。レビュー本文(コメント)400字。名前と肩書き。それに郵便番号と住所を書き添えてください。送り先はwonderlands(a)northisland.jp 。(a)はアットマークに変えてください。
締め切りは、2009年1月6日(火)となります。
一般の方の応募、大歓迎です。採用分には薄謝を進呈します。掲載は新年1月7日発行予定の「マガジン・ワンダーランド」。購読(無料)は登録ページから手続きしてください。その後、webサイトに転載します。

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DULL-COLORED POP「JANIS」

◎ねじくれたジャニスをみごとに造形 独自の音楽劇創出の試み
飯塚数人(人形劇研究家)

「JANIS」公演チラシ死への階段を息せき切って急ぎ足で駆けあがってゆくジャニス・ジョプリンの最後の一ヶ月間を描く意欲作。
救いのみえない暗い物語のなかに、きらめくような台詞がちりばめられ、劇中では、いくつものジャニスの曲が生歌生演奏で披露されている。

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カプセル兵団 「臥龍頂上伝」「幽幻夢想」(同時期上演)

 映像に似せるのは逆効果 面白いんだからちゃんと売れ
 
 縁あって見に行ったら面白かった、ということにとてもイラついている。面白いものを作っているのに、どうしてちゃんと売らないのか、と思う。
 中国活劇三部作で、一部・二部を同時上演した後に日を空けて完結編を上演するのだそうだ。全編カンフーもりもりの「ワイヤレスワイヤーアクション」がウリなんだそうだ。アクションスターなんかも起用したそうだ。でもね、ぜんぜん説得力無いんだよ、公演チラシがCGばりばりだったら。二つ折りチラシの中の宣伝文句なんて読まないんだよ、表に役者の写真と物語の筋しかなかったら。だいたいいくら同じ小屋だからって乞局の当日パンフに折り込むなよ、血と暴力と田舎の因習が舞台なんですよ乞局は、それを見に来る人に「これが面白い演劇だ!」ってぶちぬいたカンフーチラシ渡すなよ、小屋主も考えろちょっとは。
 自分たちが作ってるものの何が面白いのかわかってないんだべ?

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世田谷パブリックシアター「友達」(作:安部公房、演出:岡田利規)

◎鼎談 不条理劇、岡田演出、個性派俳優のブレンドの味
芦沢みどり、香取英敏、水牛健太郎

「友達」公演チラシ世田谷・シアタートラムで開かれた「友達」公演(2008年11月11日-24日)は、芝居好きの間で事前にかなり話題になりました。安部公房の代表的な戯曲を、チェルフィッチュ主宰の岡田利規が演出するうえ、小林十市、麿赤兒、若松武史、木野花、今井朋彦ら人気、実力、個性の際だった俳優が登場するからです。不条理劇と岡田演出と個性派俳優陣との組み合わせが注目されたのでしょう。その結果はどうだったのか、ワンダーランドの寄稿者3人が舞台をさまざまな角度から検証しました。(編集部)

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七味まゆ味一人芝居「いきなりベッドシーン」(柿喰う客企画公演)

◎「あえて」演劇を引き受ける背反的意思
藤原央登(劇評ブログ「現在形の批評」主宰)

チラシ写真撮影:内堀義之幕開け、素舞台で「清水の舞台から飛び降りた」とテンション高くアクション付きでカットイン。以後およそ50分に渡って鷲津神ヒカルというケバケバしいメイクを施した女子高生の、入学時から2年生の修学旅行までの高校生活の顛末を、速射砲のようにギャグを交えながら話し続ける。終始、冒頭のテンションを崩すことなく、言葉に憑かれたように小気味よいテンポと節回しで駆け抜けた女子高生を演じたのは、柿喰う客という集団の女優、七味まゆ味。大阪は一日だけ公演されたこの一人芝居は、久しぶりに役者体の魅力を余すところなく体感できた舞台であった。

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多田淳之介+フランケンズ「トランス」

◎隣り合っても断絶、の光景が切なく 何重にも読み替えられる戯曲
小畑明日香(慶応大学)

「トランス」公演チラシ単行本として上梓されたこの戯曲のまえがきによれば、鴻上尚史の書いたこの三人芝居「トランス」は、役者が三人いればどこででもできるという強みも手伝ってか、今まで1000回以上上演されてきたのだという。初演から今日までの約15年間で1000回。その1000回の中で、今回ほど、戯曲と真っ向から向き合った上演はなかったのではと思う。

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年末回顧アンケート「振り返る 私の2008」を募集中!

 今年もあっという間に師走を迎えました。あわただしい毎日をお過ごしではないかと思います。ワンダーランド恒例の年末回顧アンケート企画「振り返る2008」を実施する時期となりました。ご協力いただけたら幸いです。締め切りは12月18日(木)。詳細は以下の通りです。

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イヨネスコ「瀕死の王」(佐藤信演出)

イヨネスコ作「瀕死の王」公演が今秋、池袋・あうるすぽっとで開かれました(2008年9月28日-10月5日)。新訳をもとに柄本明、佐藤オリエ、高田聖子らの俳優が出演、佐藤信演出の舞台でした。ワンダーランドはこの公演を課題に「『瀕死の王』を見て劇評を書くセミナー」(全4回)を10月に開きました。今回は受講者が書き上げた劇評の中から4編を掲載しました。それぞれの視角が明確で、公演の特質に光を当てていると思います。4編は以下の通りです。ご一読ください。(編集部)

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