ロンドン演劇日和-シアターゴアー、芝居の都を行く(全7回)

 第1回 ロンドンで演劇チケット代を考える
 今井克佳(東洋学園大教授)

 四月からロンドンで暮らしています。勤務先の大学から一年間の「在外研究期間」をいただき、ロンドン大学に客員研究員として所属、中心部から地下鉄で30分ほどの郊外のフラットを借り、一人暮らしをしています。研究の課題として「現代演劇における日英文化交流」という題目をたてているので、本来は、過去の記録データなどを掘り起こしながら考察をまとめていくことが仕事なのですが、やはりシアターゴアーとしての血が騒ぎ、こちらの演劇環境を肌で知ることも大切、と東京にいるときに負けず劣らず、いや時間が自由なことをいいことにそれ以上に芝居通いを続けている毎日です。
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三条会「ロミオとジュリエット」

◎知的刺激は受けたけど、泣かせてほしかったロミオさま
(鼎談)水牛健太郎+杵渕里果+芦沢みどり

三条会「ロミオとジュリエット」公演チラシジュリエット芝居-どんな上演だったか

芦沢みどり:ワンダーランド鼎談第2弾は、下北沢のザ・スズナリで上演された三条会の『ロミオとジュリエット』。三条会は知的なたくらみと遊び心に満ちた演出と、俳優それぞれに個性があって魅力的であることが定評になっています。さて、今回はどういう『ロミオとジュリエット』だったか。公演チラシには「むかしむかしロミオとジュリエットという人がいました。2人とも恋をしました。2人とも死にました。もしかしたら1人だったのかもしれません」というナゾめいた言葉が置かれています。公演パンフレットの方では、「今回の台本は、ジュリエットが登場している場面だけを抜粋して構成しました」と言っている。原作のうち、ヴェローナの広場や街路での立ち回り(喧嘩)、乳母の長セリフ、マキューシオの長セリフ、修道士ロレンスの長セリフなどがばっさりとカットされています。登場人物は八人。ロミオとジュリエット、あとはキャピュレット、キャピュレット夫人、乳母、パリス、ロレンス修道士、ティボルトですね。キャストは全員ジュリエットを演じるシーンもあります。

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上品芸術演劇団「あたしと名乗る私」

◎存在と言葉へのこだわり、たとえばオノマトペなど
高木龍尋

「精華演劇祭vol.12 DIVE Selection vol.3 中島陸郎没後10年に捧ぐ『円形舞台への挑戦』」チラシ地上32階のレストラン…行ったことはないし、行こうともあまり思わない。高級なのだろうけれども、3階以上のところに住んだことがなく、10階以上の建物にもなかなかお目にかかる機会がないところで育った私には何となく縁遠い気がする。おそらくは、作・演出の鈴江俊郎さんもそのような気分の持ち主ではないだろうか。

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パラダイス一座「続々・オールドバンチ~カルメン戦場に帰る~」(最終公演)

◎『オールド・バンチ』-記憶のバレエ
杵渕里果(保険業)

「続々・オールドバンチ~カルメン戦場に帰る~」公演チラシパラダイス一座の『オールド・バンチ』が終わった。
でもカーテンコール、演出の流山児祥は「さよならは言いません」と言っていたから、「最終公演」と銘打っても、また二年くらいしたら「再結成」で「復活」しそうな雰囲気はあった。

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劇団掘出者「誰」

◎覚悟と楽しみをもって、思い悩もう
因幡屋きよ子(因幡屋通信発行人)

「誰」公演チラシ劇団掘出者の舞台をみるのは、昨年春の『チカクニイテトオク』に始まって秋の『ハート』と続き、今回の『誰』で3本めになった。およそ半年ごとに次々と新作を発表しており、作・演出の田川啓介が劇作家として伸び盛りであること、劇団としてのフットワークの強さを感じる。しかし初日に観劇した直後は「困ったな」というのが正直な気持ちであった。それは「これはフィクションなのか、それとも同じようなことが現実の大学生にも起こっているのか」という極めて初歩的な困惑だった。舞台をみるとき、その世界が現実に則したものとして受け止めるのか虚構を楽しむものか、自然に感じ取れれば楽なのだが、『誰』は判断できなかった。千秋楽近くに足を運んだ知人も似たような感想を漏らしており、舞台に描かれている世界を受け止めるのがむずかしかったことがわかる。だんだん心配になってきた。こういう舞台を作る田川啓介さん、あなたの心は大丈夫なのでしょうかと。

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東京タンバリン「静かな爆」

◎「ほんもの」を描くだけ 「容赦ない」舞台で
武田吏都(フリーライター)

「静かな爆」公演チラシ高井浩子が描く東京タンバリンの作品を観るといつも、「なんて容赦がないんだろう」と感じる。日常にごくありふれて存在する無邪気な(ゆえにタチの悪い)悪意をむき出しにし、そこに何のフォローも与えないのが、私の考える高井作品の特徴だからだ。言ってみればマキロンも絆創膏もなしで、グジュグジュの傷口をほったらかし、みたいな。おおよその場合は自然にかさぶたとなって治癒に至るのだろうし、高井作品に登場するドライな(ときに記号的ですらある)キャラクターを見ていると、人間はそうしてやり過ごして生きていかざるを得ないのだなとも思う。

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横濱・ リーディングコレクション#FINAL「三島由紀夫を読む!」

◎リーディングの枠を超えた4本、幅広く多彩に
山田ちよ(演劇ライター)

「三島由紀夫を読む!」公演チラシ1人の作家を取り上げ、3~4人の演出家がその作品の中から選んで、リーディング形式で1時間程度の舞台作品をつくる。これが横濱・リーディング・コレクションの基本的なスタイルだ。5回目となる今回は、三島由紀夫が選ばれ、4人の演出家が挑んだ。

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野田地図第14回公演「パイパー」

◎美しいイメージの中に世界を投げ捨てる滅びのメルヘン
芦沢みどり(戯曲翻訳家)

「パイパー」公演チラシキャストがすごっ!松たか子、宮沢りえ、橋爪功、大倉孝二、北村有起哉…と聞いただけで卒倒しそう。そこへもってきてダンス集団コンドルズまで加えてしまって、殿、な、なにをなさるおつもりか???と、クエスチョンマーク3ケ付き好奇心で出かけて行きました。もちろん劇場へ。

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日本劇作家協会東海支部プロデュース 「劇王Ⅵ」

◎「劇王」イベントにM-1 化の兆し 実況中継「劇王Ⅵ」
 鳩羽風子(記者)

 若手戯曲家の天下一を決する「演劇界のM-1グランプリ」、「Jr.ライト級チャンピオンタイトルマッチ 劇王Ⅵ」が2月7、8日の両日、秀吉と家康が覇を競った愛知・長久手の地で開かれ、鹿目由紀第5代劇王が防衛に成功した。

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