「初日レビュー2010」第5回 イキウメ「図書館的人生Vol.3 食べもの連鎖」

「図書館的人生Vol.3 食べもの連鎖」公演チラシ 「身近な生活と隣り合わせに現れる異界」を、意表を突く着眼と巧みなストーリーで舞台化するイキウメ。今回は短編を積み重ねる図書館シリーズの第3弾。テーマは「食べもの連鎖」です。その舞台の舌触りと味わいはどうだったのか。立ち会った6人が五つ星と400字でレビューします。掲載は到着順。(編集部)
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3人で語る「2010年11月はコレがお薦め!」

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「月と牛の耳」公演チラシ
「月と牛の耳」公演チラシ

カトリヒデトシさんのお薦め
劇団競泳水着「りんごりらっぱんつ」(サンモールスタジオ11月12日‐23日)
イキウメ「図書館的人生Vol.3」(シアタートラム10月29日‐11月7日、HEP HALL11月16日~20日、アステールプラザ11月12日、西鉄ホール11月23日)
渡辺源四郎商店×東京デスロックカンパニー「月と牛の耳」(11月19日‐23日アトリエ・グリーンパーク、12月3日‐5日富士見市民文化会館 キラリ☆ふじみ

鈴木励滋さんのお薦め
dracom「事件母」(シアターグリーンBOX in BOX THEATER11月18日‐21日)F/T10
岡崎藝術座「古いクーラー」(シアターグリーンBIG TREE THEATER11月19日‐28日)F/T10
FUKAI PURODUCE羽衣「も字たち」(新宿ゴールデン街劇場11月9日‐25日)

徳永京子さんのお薦め
・生活舞踏工作室「メモリー」(にしすがも創造舎11月26日‐28日)F/T10
・「DRAMATHOLOGY/ドラマソロジー」(東京芸術劇場11月26日-28日)F/T10
マームとジプシー「ハロースクール、バイバイ」(シアターグリーンBASE THEATER 11月24日-28日)F/T10

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青年団「砂と兵隊」

◎女優・村井まどかの微妙に歪む唇に、平成のロマンチック・アイロニーを見た
 高橋 英之

「砂と兵隊」公演チラシ兵士・西川 「いや、そりゃ、まあ、砂漠ですから」(閉じられた唇)
新婚・妻  「同じ砂漠じゃん」(開かれた唇)
家族・次女 「全部、砂漠じゃん」(微妙にゆがんだ唇)

 うっかりしてた。日本がイラクに派兵をしたことなどすっかり忘れてしまっていた。いや、もちろん、うっかりなどという表現は不適切だろう。正確にいえば、「忘れていた」わけでもない。その単語を聞けば、「思い出す」ことなどさりげなくやってみせることはできたはずだった。2003年12月、専守防衛を憲法に刻み、世界10傑に入る軍事予算を持つ組織をあえて「自衛」隊と呼んでいたにもかかわらず、小泉劇場と呼ばれた当時の政治が一大決断をしたはずのイラク派兵。首相が「自衛隊の活動している地域は非戦闘地域」という冗談のような答弁をした翌年に発表された『砂と兵隊』が、そうした日本の時代的状況を背景にしていることは疑いもない。ところが、かくも重大とされたことが、記憶としては存在していても、問題意識としては淡くも消え去ろうとしていた。劇場の席に座って、当日パンフレットに目を通しながら、そのことに気づいてやや愕然とした。しかし、それは仕方のないことだ。なぜならば、自分は、派兵が決定された当時も、そしていま現在も、歴史の傍観者にすぎないからだ。いや、少なくともこれは自分だけではない。何よりも、舞台の上の登場人物たちがそうであった。
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青年団「砂と兵隊」

◎軍と市民は砂漠の中で対等だった
 小林幸雄

「砂と兵隊」公演チラシ 「砂と兵隊」を見た。劇場に入ると、砂づくし。舞台は一面に白砂があり、向かって左手奥の天井から吊下げられた袋から砂が滑り落ちている。見るものに砂の質感がしっかり伝わってくる。そして客にマスクと飴を配布している。乾燥しますと言いながら。砂を過剰に意識させようという目論見か。
 そのような仕掛けは、登場する日本の兵隊が水を飲む場面で、その兵の渇きを強く共感させる。本当にうまそうだったし、まさに砂漠は乾燥しているのだと納得させた。その砂漠で何が起きるか。
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テレビで見る演劇(~11月末)

 フェスティバル/トーキョー10で、新作「迷子になるわ」を上演する五反田団。11月12日に、「さようなら僕の小さな名声」が放映されます。2006年にこまばアゴラ劇場で初演された作品ですが、放映されるのは2008年の再演時のもの。初演当時、岸田戯曲賞に2度もノミネートされながら受賞を逸していた作・演出の前田司郎が、本人役で登場。岸田賞を2つももらってしまって、1つを恵まれない国の人に上げにいくという、独特の不思議ワールドが展開されます。ワンダーランドにも、2007年1月に、柳澤望さんの劇評が掲載されています。
 12日と21日放映のハイビジョン特集「劇団新感線 歌舞き続ける集団の30年」では、結成30年を迎えた新感線の公演製作の様子とこれまでの歩みをたどります。
(場合により、番組内容、放送日時などが変更になることがあります。また、地上波デジタル放送の番組表は関東地区のもので、地域により一部番組が異なります)
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初日レビュー2010 第4回 コマツ企画「どうじょう」

コマツ企画「どうじょう」公演チラシ 「初日レビュー2010」第4回は、コマツ企画の現代劇「どうじょう」を取り上げます。コマツ企画公演は今年になって三作目。毎回違った素材を巧みな手法と凝った仕掛けで観客に見せてきましたが、今回はさて…。以下、8人の五つ星評価と400字レビューをどうぞ。掲載は到着順。(編集部)
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「初日レビュー2010」今週はイキウメ!

 「初日レビュー2010」、五回目は今週金曜日の29日にシアタートラムで初日を迎えるイキウメ「図書館的人生Vol.3 食べもの連鎖」を取り上げます。作・演出の前川知大さんは近年様々な演劇賞を受けており、注目度も高まる一方です。「図書館的人生」は短編集のシリーズで、今週の「お薦め」鼎談でも取り上げられています。
 土曜日の30日にワンダーランドのウエブサイトをチェックしてみてください。初日公演をレビュアーが星5つ満点の採点付きで評価します。お楽しみに!(ワンダーランド編集長 水牛健太郎)


演戯団コリペ「Floor in Attic 屋根裏の床を掻き毟る男たち」

◎歴史や伝統見る目も
 西村博子

 久しぶりに“演戯”を堪能した。狭く、今にもずり落ちてしまいそうに床も壁も傾いた屋根裏部屋(美術李潤澤)。そこに働くことを拒んで住んでいる、ボス格の男1(金哲永)と、折あらば取って代わろうとする男2(洪旻秀)、強い方にゴマをすり少しでも得しようとする男3(趙承熙)、何かというと殴られいじめられる男4(金鎬尹)。それに、近所のバーの女で、のち床下の木の根から出現してくる、この家を代々護ってきたオモニのような女神(金志炫)に、ジャンジャン麺の出前(千石琦)。一人ひとりが見ていてほんと楽しく、ゲネと二日目と三日目、3回見ても見飽きなかった。リアルを基調とした男4人の真剣な、だからこそ笑えてしまう演技に対して、麺を配達してきた出前・千石琦の、次第に大きくなっていく身振りは、何と言ったらいいだろう、歌舞伎の荒事みたいに様式化されていて、岡持ちにふんぞり返って大仰に読み上げる注文メモなど、まるで、家取り壊しの強制執行言い渡しだった。
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初日レビュー2010 第3回 ハイリンド×サスペンデッズ「グロリア」

「グロリア」公演チラシ 9月から始まった新企画「初日レビュー2010」、3回目は10月14日に下北沢「劇」小劇場で初日を迎えたハイリンド×サスペンデッズ「グロリア」です。サスペンデッズの主宰早船聡さんの作・演出で太平洋戦争時の風船爆弾を巡る物語が展開します。7人の評者による5つ星評価と400字レビューをお読みください。掲載は到着順です。(編集部)
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演戯団コリペ「Floor in Attic 屋根裏の床を掻き毟る男たち」

◎観客に感染するエネルギー
 鈴木アツト

 新宿の小劇場タイニイアリスが韓国から演戯団コリペを招いて「Floor in Attic 屋根裏の床を掻き毟る男たち」を上演した。僕は昨年末の訪韓の際、大変お世話になった劇団なので(韓国演劇見学記をご参照のこと)、その恩返しをしたかったのと、昨年8月にタイニイアリスで上演された「授業」(作=イヨネスコ、演出=李潤澤)がとても素晴らしい作品だったので、この劇団を自分の周りの演劇ファンに紹介したいと強く思い、日本側のスタッフとして関わった。
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