10月のクロスレビュー挑戦編は MU公演

 ワンダーランドの公募クロスレビュー(クロスレビュー挑戦編)10月公演は、MU bootleg公演 vol.2「いつも心だけが追いつかない」(10月5日-8日、乃木坂・Theater&Company COREDO)を取り上げることになりました。予約、アクセスなどはMUのサイトをご覧ください。観劇されたみなさんの投稿を待っています。投稿レビューの詳細は >>応募ページをご覧ください。11月公演分の締め切りは10月15日(月)です。(編集部)


TRASHMASTERS「背水の孤島」

◎言葉もたない命よりも
 岡野宏文

「背水の孤島」公演チラシ
「背水の孤島」公演チラシ

 まず最初に、「背水の陣」という言葉の意味を確認しようではないか。
 この言葉は中国の史記による故事をもとにした成語で、絶体絶命の状況においてあえて川を背にした陣を敷き、決死の覚悟で全力を出し切って戦に臨むやり方で勝利を目指す戦略をいう。
 つまり「背水の陣」とは、十中一の望みもない立ち位置で、絶望に溺れるでもなく希望をかきたてるでもなく、もはや希望以外のなにものも持てぬがんじがらめの前のめりの姿をさすのである。
“TRASHMASTERS「背水の孤島」” の続きを読む


砂連尾理/劇団ティクバ+循環プロジェクト「劇団ティクバ+循環プロジェクト」

◎秋風吹いて―KYOTO EXPERIMENT2012報告(第1回)
 水牛健太郎

 形も色も材質もバラバラの椅子が五つ、講堂に並んでいる。そこに出演者が座り、左端の椅子と隣の椅子の間には男性が、車いすを華麗に操って滑り込む。パフォーマンスが始まる。

 しばらくは顔見せとでも言うのか、出演者が一人ずつ、前に歩いて、壁に突き当たって後ずさりして戻ってきたり、自分の名前を言って、それを他のメンバーが口まねしたりと、一定の規則的な動作が繰り返される。でも、単調ではない。強烈な存在感を発揮するのは車いすの男性だが、三人いる外国人男性のうち二人は吃音者らしく、そのうちの一人は、自分の名前を言ってもまるで鳩の鳴き声のように聞こえる(吃音のためだけでなく、この人の名前自体、鳩の鳴き声を思わせる響きを持っていることに、今パンフレットを見ていて気づいた)。
“砂連尾理/劇団ティクバ+循環プロジェクト「劇団ティクバ+循環プロジェクト」” の続きを読む


SENTIVAL! 2012 報告 2

◎祭りの後で―演劇フェスSENTIVAL! 2012 レビュー
 梅田 径

 atelier SENTIO、SUBTERRANEAN、巣鴨教会を舞台に繰り広げられた地域演劇フェスティバル「SENTIVAL! 2012」がOrt-d.d「夜と耳」の終演をもって終わりを告げた。4月から7月までの長期間、17団体によるパフォーマンスと、ポストトーク、クラシック音楽とダンスの競演、フェルデンクライスWSと充実した内容であった。
“SENTIVAL! 2012 報告 2” の続きを読む


東葛スポーツ「ビート・ジェネレーション」(クロスレビュー挑戦編)

「ビート・ジェネレーション」公演チラシ
「ビート・ジェネレーション」公演チラシ

 「東葛スポーツ」は金山寿甲(カナヤマ・スガツ)によるソロユニット。2007年から活動を始め、ヒップホップカルチャーの影響を受けた作風だそうです。今回の第5回公演は「ケルアック『路上』も、ギンズバーグ『吠える』も、バロウズ『裸のランチ』も、完読する事なく書棚にリリースした東葛スポーツなりの『ビート・ジェネレーション』」(同サイト)。どんなビートやカルチャーが飛び出すのでしょうか。出演者の顔ぶれにも注目ですね。レビューは★印と400字コメント。掲載は到着順。レビュー末尾の括弧内は観劇日時です。(編集部)

“東葛スポーツ「ビート・ジェネレーション」(クロスレビュー挑戦編)” の続きを読む


コンプリシテ「巨匠とマルガリータ」

◎アヴィニョンでコンプリシテを見る。
 今井克佳

 まずはじめに断っておくが、これから紹介するコンプリシテの「巨匠とマルガリータ」は2012年12月から13年1月まで、ロンドンのバービカンセンターでの再演が決まっている。その後、来日上演があるかはさだかではないが絶対にないとは言い切れない。そのため、今後の公演を見る可能性がある方には、これから書くことはいわゆる「ネタバレ」となる。決定的なことを書くつもりはないが、かなり具体的な内容を紹介することになるだろう。気になる方は注意してほしい。
“コンプリシテ「巨匠とマルガリータ」” の続きを読む


忘れられない1冊、伝えたい1冊 第11回

「プロセス 太田省吾演劇論集」(太田省吾著、而立書房、2006)
 西尾佳織

「プロセス 太田省吾演劇論集」表紙
「プロセス 太田省吾演劇論集」表紙

 遅いテンポと沈黙劇で知られる、太田省吾の演劇論集である。1975年、1980年、1988年に出版された三冊の演劇論集が収められている。私は太田さんに会ったことも、作品を生で見たこともないけれど、この人はきっと恐いくらい誠実で厳しい人だったに違いない、と読むたび思う。語られている内容以上に、語る口調にハッとする。読んでいる私が見られている気がする。ベッドで読むと寝てしまう。ってそれ、全然ハッとしてないじゃないのと言われそうだが、なんだか、だららんとは読めないのだ・・・。
“忘れられない1冊、伝えたい1冊 第11回” の続きを読む


アマヤドリ「フリル」(クロスレビュー佐藤佐吉演劇祭編 10)

「フリル」公演チラシ
アマヤドリ「フリル」公演チラシ
 クロスレビュー佐藤佐吉演劇祭編の最終第10回は、アマヤドリの初公演。前身の「ひょっとこ乱舞」はアマヤドリと同じ作・演出の広田淳一を中心に2001年結成。「現代口語と身体性を表現の両輪とし、リズムとスピード、熱量と脱力を駆使した『喋りの芸』としての舞台表現」を目指していました。 2004年「若手演出家コンクール2004」で最優秀演出家賞。 2005年には、佐藤佐吉賞 最優秀演出賞・優秀作品賞受賞(『旅がはてしない』)。2009年、2010年と連続して「アジア舞台芸術祭(Asian Performing Arts Festival)」に広田が演出家として招聘され、2011年は韓国演出家協会主催の「アジア演出家展」に参加。若手の演劇人として内外で才能が評価されています。今年3月の第25回公演を最後に「ひょっとこ乱舞」から改名。「アマヤドリ」として再出発した舞台はどうだったのでしょうか。レビューは★印による5段階評価と400字コメント。掲載は到着順。末尾の括弧内は観劇日時です。(編集部)

“アマヤドリ「フリル」(クロスレビュー佐藤佐吉演劇祭編 10)” の続きを読む


F/T12 記者会見

◎コンセプトは「ことばの彼方へ」 F/T12が10-11月に

 東京からの文化発信を目指す第5回フェスティバル / トーキョー(F/T12)の記者会見が9月12日、リニューアルオープン間もない東京芸術劇場で開かれた。今回は主催12演目、公募11演目を含む内外の多彩なプログラムによって、「震災復興の糧となる新たな想像力を生み出し、国際都市トーキョーから再び世界へと、東京ならではの創造性を発信」(「開催趣旨」)するという。会期は10月27日から11月25日までの約1ヵ月間。東京・池袋を中心に開かれる。
“F/T12 記者会見” の続きを読む