インタビュー#12 想田和弘(映画「演劇1・2」監督)

 ドキュメンタリー映画「演劇1」「演劇2」が公開されました。上演時間2本合わせて約6時間。台本なし、ナレーション抜き、BGMを排した「観察映画」の手法によって、平田オリザ+青年団の活動に正面から取り組んだ作品です。監督想田和弘さんの目に映った平田オリザ+青年団とは、現代口語演劇と観察映画の方法論的親和性は何か、などなど自在に語ってもらいました。ワンダーランドのロングインタビューシリーズです。(編集部)
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COLLOL「消費と暴力、そのあと」

◎主題と手法の凛々しく心地よい融合
 萬野展

COLLOL公演チラシ
COLLOL公演チラシ

COLLOL『消費と暴力、そのあと』。早稲田LIFT。初見である。
ドアを押して一歩入るとそこはすでに演技エリアのようで、役者らしき人々が、役者らしきオーラを出している。
入った瞬間に全貌が見渡せる小振りなスペース。足元には吹き抜けというよりは奈落のような大きな穴。そこから地階が覗け、そこにもオーラの人たちが垣間見える。一階と地階の二重舞台。そして両方を同時に見ることは不可能な作りのようだ。
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忘れられない一冊、伝えたい一冊 第14回

◎「一冊でわかる 歌舞伎名作ガイド50選」(鎌田惠子監修 成美堂出版 2006年)
 明神 慈

歌舞伎名作ガイド50選

 人生の中で、困難なプロジェクトに立ち向かうときがある。2012年の夏、まさにその真ん中にいた私を支えてくれた一冊を紹介したい。

 2013年開催の瀬戸内国際芸術祭のプレ企画として、芸術祭事務局・こえび隊の大垣さんからこんな依頼がきた。小豆島・中山農村歌舞伎の舞台にて、保存会の方々と、会所有の衣裳を使ってファッションショーを打つ。演出を担当してもらいたいと。私は学生時代、歌舞伎・舞踊研究会に所属していたので、歌舞伎のいろはを体感していた。農村歌舞伎が好きで、よく埼玉の小鹿野歌舞伎を観に行ったりもしていた。いつもは現代劇を創っているけれど、50歳になったら歌舞伎台本を書くつもりだったので、歌舞伎に関われるうれしさに、二つ返事で演出を引き受けた。
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ポツドール「夢の城」
ASA-CHANG&巡礼「新・アオイロ劇場」

◎みやこに雨のふるごとく―KYOTO EXPERIMENT2012報告(最終回)
 水牛健太郎

 ポツドールの「夢の城」の、2006年の初上演は見ていない。マンションの一室を外から見る舞台。冒頭は窓枠もはまっており、ガラスを通して(実際はアクリル板だろうが)、まさに覗く形。時間は深夜二時、近くにあるらしい高速道路から車の走行音が絶え間なく響いており、中の音は聞こえない、という設定である。この窓枠は二幕目から外れるのだが、やはりセリフはない。つまりこの作品は最後まで一切セリフのない無言劇だが、導入で違和感のないよう工夫をしているわけだ。
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【レクチャー三昧】2012年11月

 魅力的な催しを見つけてもその日時には既にフェスティバル/トーキョーの予約をしてしまっているので行くことかなわず、発売初日にいそいそとパスポートを買ってしまったことを悔やむ今日この頃です。毎年同じことをやってる気がします。
(高橋楓)
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シス・カンパニー/Bunkamura「ボクの四谷怪談」

◎あの頃のボクにとっての怪談
 吉田季実子

「ボクの四谷怪談」 公演チラシ
「ボクの四谷怪談」 公演チラシ

 橋本治が処女作『桃尻娘』を書く前に執筆していた「幻の戯曲」というふれこみで『ボクの四谷怪談』は創作後40年にして日の当たる場所へと登場した。演出は蜷川幸雄、音楽は鈴木慶一が手掛けており、麻実れい、瑳川哲朗といった出演者の顔ぶれからも、これは何やら大事に違いないという期待がいやがおうにも高まってしまう。
 劇場にかかっている幕は歌舞伎の定式幕であり、舞台の上下には電光掲示板がある。タイトルに騒音歌舞伎(ロック・ミュージカル)とあるのだから、歌舞伎の『四谷怪談』を意識した作品なのだろう。歌舞伎=ミュージカルで騒音=ロックなのか、あるいはいずれの訳語も二語で一つの意味をなしているので解体することには意味などないのだろうか、などと考えているうちに幕が上がった。
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SHIMADA STUDIO 「EYES もつれた視線の彼方の夢は?」

◎リアル過ぎるバックステージ群像劇
 木俣冬

「EYES もつれた視線の彼方の夢は?」公演チラシ
「EYES」公演チラシ

 開演時間、数分前に突如「稽古開始○分前です」という声が劇場に響く。この作品の演出家であり、劇中の演出家も演じる石丸さち子の声だ。本番じゃなくて稽古? 稽古を見にきちゃったの? なんてあせる人はワンダーランド読者にはいないだろうが、ふだん演劇を見ない人なら、油断してたら不意打ちされた気持ちだろう。ここから既に芝居ははじまっている。

 「EYS もつれた視線の彼方の夢は?」は、シェイクスピアの「夏の夜の夢」をミュージカルにして上演する、その舞台稽古のもようを描いたミュージカル。劇中劇ならぬミュージカル中ミュージカルが展開していく。
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Baobab「~飛来・着陸・オードブル~」
ぐうたららばい「観光裸(かんこーら)」
高嶺格「ジャパン・シンドローム ~step2. “球の内側”」

◎京都、東京、それ以外全部―KYOTO EXPERIMENT2012報告(第5回)
 水牛健太郎

 Baobabは去年のKYOTO EXPERIMENTにも出ていて、一年ぶりに見た。ポップというか、最大公約数的な意味のダンスの楽しさ、格好よさを大切にしているカンパニーで、その印象は変わらなかったが、その上での表現という部分で相当な深化があった。前回はやはりナイーブというしかない面があり、「それじゃコカコーラのCMだ」と書いたけれど、もはやそうは言えない。一年でここまで成長するかと驚かされた。
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ぐうたららばい「観光裸(かんこーら)」
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クロスレビュー11月は「象牙の空港」と「空気ノ機械ノ尾ッポ」

 ワンダーランドのクロスレビュー挑戦編11月公演は、京都の象牙の空港#3「女体出口」(11月16日-18日)と東京の空気ノ機械ノ尾ッポvol.19「〜ソトへ〜」(11月15日-18日)。東西1本ずつです。観客のみなさんの投稿を歓迎します。
 12月公演分の応募締め切りは11月15日(木)です。先進的実験的な舞台を追求している団体、力がありながら知名度が伴っていないとお考えの集団などの積極的な応募を歓迎します。詳細は、 >>応募要項>> をご覧ください。(編集部)


第14帝國「元帥がやってくる Yar!Yar!Yar!」

◎帝國は若者の郷里たりうるか
 馬塲言葉

第14帝國公演チラシ
第14帝國 公演チラシ

 ラフォーレ原宿といえば、個性的な若者の集まる原宿のシンボル的存在でもあり、ビル内にある決して大きくないミュージアムは、展示場、ライヴハウス、そして舞台へと頻繁にかたちをかえる。そんな場所で、毎月演目をかえながらの七ヶ月連続公演まっただ中にある劇団第14帝國を観劇した。台風にみまわれ交通機関の運行もままならない九月最終日、満席ではない、ささやかでどこか密やかな空間でも、オープニングのシンプルな演出、その迫力に衰えは感じられなかった。オンブラッタ。スピード感のある曲名からそう名付けられた、リズムにあわせた力強い旗振りだ。男性のみで構成された劇団ならではの無骨さと、複雑な繊細さを最大限に生かしたものである。
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