ふじのくに⇄せかい演劇祭2013

◎「黄金の馬車」(宮城聰演出)と「室内」(クロード・レジ演出)を世界初演

ふじのくに⇄せかい演劇祭2013チラシ

 「ふじのくに⇄せかい演劇祭2013」(6月1日-30日)のプレス発表会が3月28日東京で開かれ、今年のラインナップが紹介された。今年は7か国の8演目が上演される。
 主催するSPAC(静岡県舞台芸術センター)の宮城聰芸術総監督はジャン・ルノワール監督の映画に着想を得た新作「黄金の馬車」を演出する。また、今年90歳を迎えるフランスの大家クロード・レジが演出、SPAC団員が出演する「室内」が世界初演される。
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鵺的「幻戯[改訂版]」

◎ ひとりの人間を見続ける
  林あまり

「幻戯」公演チラシ
「幻戯」公演チラシ

 嬉しいほど暗い。ひとりの人間を見続ける、その行為を堪能した。
 鵺的「幻戲」(作・演出 高木登)を観てから、ひと月近く経つというのに、幾度もあの、濃密な空間を思い出す。様々な場面、セリフがよみがえっては、(あれはどういう意味なんだろう)と考え込む。
 性の芝居、なのだろうか。確かに、舞台は売春宿だし、登場人物がたびたび話題にするのはセックスだ。しかしどうもそれだけではないらしい。
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雲南市演劇によるまちづくりプロジェクト実行委員会「水底平家」

◎「市民演劇」のさらに先へ
  小川志津子

「水底平家」公演チラシ
「水底平家」公演チラシ

 島根県雲南市で今回3回めとなる「雲南市演劇によるまちづくりプロジェクト」が、回を重ねるごとに注目度を増している。雲南市在住の県立高校教師で演劇部顧問、亀尾佳宏の作・演出で、今年は『水底平家』が上演された。もとは演劇部員向けに書かれた60分の物語に、大幅なリライトとアレンジを加えて2時間の作品へとブラッシュアップ。出演者とスタッフは公募により集められ、総勢60名の大所帯となった。昼間は会社や学校に通う、演劇初心者から現役演劇人までが顔を揃える。普段はコンサートや映画上映に使われる公共ホールの1階席が、計3ステージとも、ほぼ埋まった。
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【レクチャー三昧】2013年4月

 少なくて申し訳ございませんが、新年度の催し告知は未だ殆ど出ておりません。4月1日以降に告知されたものは【レクチャー三昧】カレンダー版に入力いたしますので、そちらをご覧下さい。
(高橋楓)
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ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場「ルル」

◎劇評セミナー第8回 報告と課題劇評

「ルル」公演チラシ
「ルル」公演チラシ

 劇評を書くセミナー第8回は3月8日(金)、東京芸術劇場セミナールームで開かれました。取り上げたのは、ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場「ルル」公演(2013年2月27日-3月3日)です。講師は扇田昭彦さん(演劇評論家)でした。ルーマニアで開かれているシビウ国際演劇祭にたびたび足を運んでいるだけに、扇田さんは今回の「ルル」公演招聘のきっかけとなったエピソードを交えて、ルーマニア演劇、プルカレーテ演出の特性と魅力を語りました。
 東京劇術劇場のステージ上に造られたU字型の観客席、ルルという女性の性格と造形、圧倒的な俳優の身体性と演出など、特徴のある舞台に挑んだ劇評がそろいました。
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親子演劇ガイド

◎小劇場ファンのための親子演劇ガイド
 片山幹生

1.発端

 2005年12月に演劇集団円のこどもステージ『おばけリンゴ』を、両国のシアターχで娘と一緒に見たときのことはいまだはっきりと覚えている。舞台上で生成するあらゆる出来事に目を輝かせて見入り、いちいち律儀に反応を示す子供の様子をそばで眺めるのは、芝居そのもの以上に私の気分を高揚させる体験だった。娘が5歳になるころから12歳になった現在まで、平均すると大体、一年に10回ぐらいは子供と芝居を見に行っている。子供と一緒に見る演劇は、私の観劇生活のなかでも重要なものになっている。
 子ども劇場などの観劇団体に関わっている方などには、子供向けの演劇作品に長年にわたり数多く接し、私などよりはるかにその世界に精通している方が多いはずだ。この記事は東京に住む一小劇場ファンの観点からの私的で主観的な子供向け演劇の世界の紹介にすぎないことを最初にお断りしておく。
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穂の国とよはし芸術劇場PLAT

◎舞台芸術を通じた人々の出会いと交流拠点『プラット』のオープン
  矢作勝義

 2013年4月30日開館記念式典、5月1日グランドオープンが目の前に迫ってきている、愛知県豊橋市の「穂の国とよはし芸術劇場PLAT」(以降プラットと略)について私の個人的な視点から書きたいと思います。
 2012年4月1日から、公益財団法人豊橋市文化振興財団の事業制作チーフとしてプラットの開館準備の業務に携わり始めました。それまでは、1998年4月から2012年3月までの間、東京都世田谷区の世田谷パブリックシアターに勤務していました。
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北九州芸術劇場プロデュース「LAND→SCAPE/海を眺望→街を展望」

◎水底で踊れ
  藤倉秀彦

公演チラシ
公演チラシ

 『LAND→SCAPE/海を眺望→街を展望』(作・演出/藤田貴大、於あうるすぽっと)について書く。本作はマームとジプシー主宰の藤田貴大が、北九州芸術劇場企画のプロデュース公演のために作・演出を担当した舞台である。二十人の役者のうち尾野島慎太朗ほか数名は、マームの芝居の常連だが、その以外の大半はオーディションによって選ばれたようである。
 舞台は北九州小倉。ひさしぶりに小倉に戻ってきた男が、かつての友人や知人と再会したり、少年時代の記憶を甦らせたり、という流れを中心に、小倉で暮らすさまざまな男女の人生を、藤田貴大お得意の〝リフレイン〟の手法で点描する群像劇である。
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若手演出家コンクール2012最終審査

◎最優秀賞は日澤雄介さん(劇団チョコレートケーキ)

若手演出家コンクール2012

 日本演出者協会と文化庁主催の「若手演出家コンクール2012」最終審査会が3月10日、東京・下北沢の「劇」小劇場で開かれ、最優秀賞に日澤雄介さん(劇団チョコレートケーキ)が選ばれた。賞金は50万円。来年の受賞記念公演も支援を受ける。
 3月5日から10日までの期間中に優秀賞受賞4人の演出作品が上演された。4作をすべて見た人が選ぶ観客賞は、鈴木アツトさん(劇団印象-indian elephant-)が受賞した。
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忘れられない一冊、伝えたい一冊 第21回

◎「うらおもて人生録」(色川武大著 新潮文庫 1987年)
  ピンク地底人3号

「うらおもて人生録」表紙
「うらおもて人生録」表紙

 この世で一番好きな場所はどこかと問われれば、古本屋で、一週間に一回は行って本を漁る。とはいえ決して熱心な読者ではなく、それらの本を読むことは滅多にない。
 芥川龍之介も夏目漱石も安部公房もよく知らない。薄暗い部屋に、文庫本が散らばっている。枕元には背表紙の折れた北杜夫「さびしい王様」。床に積まれたのは埃まみれの物語たち。自分は膨大な知識に囲まれている。鞄には常に2冊、本を忍ばせる。けれどほとんど読むことはない。小川国夫の「アポロンの島」がPCのキーボードの前にある。窓際には控えめに安岡章太郎の全集が顔を向けている。僕は少しだけ高揚する。バニスターのブーツを履いてワゴンRリミテッドに乗り込む。ダッシュボードにも小説が重なっている。チェスタトンの文庫を持ってラーメン屋に入る。ラーメンを食べながら賢くなる算段だ。当然その計画は頓挫する。読まない。だってラーメン食いながらチェスタトンって思いのほかに難しいから。
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