連載企画「外国人が見る小劇場」第5回

独自の世界観が魅力
 ウルリケ・クラウトハイムさん(ドイツ)

日本語プログラムで来日

 -来日したのは大学留学ですか。いつころだったのでしょう。

 クラウトハイム 2004年です。基本的には留学ですけど、その前はドイツで社会人生活を送りました。大学でドラマトゥルギーを専攻して、卒業してからある都市のとても小さな劇場で働きました。演劇のプログラムを担当していましたが、小さな劇場ですので、アーチストと交渉して制作現場を回す仕事など、何でもしていました。元社交ダンス場だった劇場です。
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西東京市立田無第四中学校演劇部「あゆみ」

◎中学演劇の「あゆみ」─ 無名性がもたらすかがやき
 片山幹生
 
さまざまな「あゆみ」
 
 「あゆみ」はとりわけ思春期前半の少女を想起させないだろうか?
 柴幸男の代表作「あゆみ」は、ひとりの女性のライフステージの各段階を、日常的なエピソードの再現によって提示する作品だ。乳児期から老年期まであらゆる年代のあゆみが登場するのだが、そのなかでも最も印象的なのが少女期のあゆみではないだろうか?
 第64回東京都中学校連合演劇発表会(これは実質的に中学演劇の都大会に相当する)の第4日目にあたる2014年1月13日に、西東京市立田無第四中学校演劇部の「あゆみ」を見た。私はこれまで5つのバージョンの「あゆみ」を見ているが、田無第四中演劇部の「あゆみ」は、これまで私が見た「あゆみ」のなかで最も素朴で、そしてその素朴さゆえに最も美しく、感動的な「あゆみ」だった。
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【レクチャー三昧】2014年3月

3月は、各大学が2月に出来なかった分がんばってるぞっという意気込みが伝わってくるような、魅力的な催しが沢山出ています。春の気配を感じながら出かけませんか。(高橋楓)

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第58回岸田國士戯曲賞は飴屋法水「ブルーシート」

 第58回岸田國士戯曲賞(白水社主催)の選考会が2月19日(水)、東京・神田神保町の學士會館で開かれ、飴屋法水(あめや・のりみず)「ブルーシート」が受賞作と決まった。授賞式は4月14日に東京・神楽坂の日本出版クラブ会館で。正賞の時計、副賞の賞金20万円が贈られる。
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連載企画「外国人が見る小劇場」第4回

◎システムを「革命」する「身体性」を
 カティア・チェントンツェさん(イタリア)

日本語より先に舞踏と出会う

-イタリアから帰国したばかりだそうですね。

チェントンツェ ボローニャ大学で開かれた国際舞踏学会のシンポジウムに出席して帰国したばかりです。ボローニャ大学には「カズオ・オーノ(大野一雄)アーカイブ」があります。世界的にとっても有名なアーカイブです。ボローニャ大学は演劇・音楽・映像・ダンスなど舞台芸術を勉強できるコースを備えたイタリアで初めての専門大学なんです。
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劇団青い鳥「ちょっと、でかけていますので→」

◎秘密の貌との戯れ モヤモヤを携えたまま
 岡野宏文

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 悩みと言うほどの悩みはないのだが一つあるとすれば脳粗鬆症である。パニック障害にとって「ほんとうにあった怖い話」としかいいようのない医療機器MRIに、嫌だから金輪際入らないが入れば尖閣諸島でオリンピック開催してくれるんならば嫌がらせのため入るかもしれず、入ると私の脳の映像はかそけくはかなげに頼りなく映るのではないだろうか。

 誰もが苦笑いまじりにはき出す人名がおぼつかないはすでに神の域に入り、小説の登場人物の名前が分からず、誰だか分からない男が突然犯人で驚愕するのだが、人名はまだよく、存命まで不覚なので、とっくに亡くなったと思っていた私に洗面台の鏡で出くわしこの世のこととも思えなかった。
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こまばアゴラ劇場「韓国現代戯曲連続上演」/タイニイアリス「韓国新人劇作家シリーズ第二弾」

◎6編の小品から浮かび上がる韓国の今
 片山 幹生

 ネットやマスコミでは対立と憎悪がグロテスクに強調されることが多い日韓関係だが、小劇場の世界の日韓交流はかなり積極的に行われ、充実した成果を生み出している。この劇評では、昨年11月に行われた『韓国現代戯曲連続上演』(こまばアゴラ劇場)と『韓国新人劇作家シリーズ第二弾』(タイニイアリス)の上演作品を取り上げたい。このふたつの企画では、韓国の若手作家の短編戯曲が、異なる演出家の演出によって三本ずつ上演された。韓国の若い世代の演劇の雰囲気を感じとることのできる好企画である。韓国では、いくつかある主要新聞社が主催する文芸賞の戯曲部門で受賞することが、プロの劇作家の登竜門となっているとのことだ。このふたつの公演企画で上演された六作品は、いずれも新聞社の戯曲賞の受賞作である。ナンセンスな不条理劇も含め、どの作品にも現代の韓国社会のリアリティが反映されていた。

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連載企画「外国人が見る小劇場」 第3回

◎義太夫節とアヴァンギャルド音楽に魅せられて 
 アントワーヌ・ラプリーズ(カナダ・ケベック)

Antoine01 アントワーヌ・ラプリーズさんはカナダのモントリオールを拠点する人形劇団《イエロー・サブマリン劇場》の主宰者だ。2013年7月からケベック州芸術・文化評議会(CALQ)のアーティスト・イン・レジデンス制度で東京に半年間、滞在し、12月末に帰国した。 “連載企画「外国人が見る小劇場」 第3回”の続きを読む


フェスティバル・トーキョー2013「光のない。(プロローグ?)」(E.イェリネク作、宮沢章夫演出)

◎観客に届く、彼方からの声 語ることの不可能性と必要性
 ラモーナ・ツァラヌ

keinlight_prologue0a 東日本大震災によって発生した福島の原発事故に強い衝撃を受け、オーストリア出身のノーベル文学賞受賞者エルフリーデ・イェリネクが ”Kein Licht”『光のない』(日本語訳は林立騎による)という戯曲作品を執筆した。初演は2011年9月ケルンで行われた。翌年はオーストリアのグラーツで再演されたが、その時点では原作に『エピローグ?』が増補されていただけではなく、序幕に当たる文章を読むイェリネク自身の声の録音が本番に先立って流れた。おそらくその文章をベースにして『光のない』シリーズの3番目の作品『プロローグ?』が成立した。震災のことが語れない、表現できないという確信がこの作品の重大な主張である。

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連載「もう一度見たい舞台」第1回
遊園地再生事業団「ヒネミ」

 小説、美術、映画、音楽など他の芸術ジャンルと比べたとき、舞台作品は後に残らないのが特徴と言える。他ジャンルが時を超えた形で鑑賞され、またその傾向が一層強まっているのに対し、舞台は非常に不完全な形でしか記録を残すことができない。かつて無数の公演が行われてきたが、DVD等で残っているものはほんの一部であり、また映像が残っていたとしてもそれは実際の公演とは全くの別物である。ワンダーランドも劇評を通じて貴重なアーカイブとしての役割を果たしているが、取り上げられる作品はほんの一握りである。
 しかし舞台の「記録」「記憶」を後に残すことは貴重である。表現の様式や内容などのアイディアを残すことは、未来の創造につながる土壌となる。
 わたしたち演劇を見るものひとりひとりの中にある記憶を呼び覚まし、舞台というものの魅力に目覚めた作品、光を放つ作品を取り上げることで、明日の舞台への橋渡しをしたい。また、知られざる素晴らしい作品の再評価につながれば、とも思う。原則として毎月1回、定期的に掲載していきたい。(編集部)

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遊園地再生事業団「ヒネミ」”の
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