トヨタ コレオグラフィーアワード2014

◎明らかにされない判断基準、今後が期待される顕彰事業
 鉢村優

 トヨタ自動車と世田谷パブリックシアターの提携事業として2001年に創設されたトヨタ コレオグラフィーアワード。一般公募の中から選ばれた6名(組)の振付家がファイナリストとして作品を上演し、“ネクステージ”(最終審査会)で「次代を担う振付家賞」の授与者を決定する。本アワードは、トヨタ自動車の公式サイトによれば、「ジャンルやキャリアを超えたオリジナリティ溢れる次代のダンス」を対象とし、振付家の成長を支援する目的で実施されている。9回目の開催となる本年は以下の6組がネクステージに選出された。

 捩子ぴじん 「no title」
 スズキ拓朗「〒〒〒〒〒〒〒〒〒〒」
 木村玲奈「どこかで生まれて、どこかで暮らす。」
 塚原悠也「訓練されていない素人のための振付けのコンセプト001/重さと動きについての習作」
 川村美紀子「インナーマミー」
 乗松薫「膜」

 以下、上演順に各作品について整理していく。
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クロード・レジ演出、SPAC『室内』アヴィニョン公演

◎喧噪のなかの静寂
 片山幹生

 『室内』の公演会場は、城壁で囲まれたアヴィニョンの中心街からバスに乗って25分ほど行ったところにあった。フェスティヴァルで活気づくアヴィニョン市壁内の狂騒とは無縁の静かでがらんとした場所だ。モンファヴェという郊外の小さな町にあるそのホールは、日本の地方都市にでもありそうな無機的で特徴の乏しい多目的ホールだった。クロード・レジが2009年のアヴィニョン演劇祭で『彼方へ 海の讃歌』を上演したときに使ったのもこの会場だった。
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【レクチャー三昧】2014年9月

日中の残暑は厳しいですが日が暮れれば虫の音が聞こえてきます。大学は夏休み中で9月のイヴェント告知は出揃っていないようです。9月中に申込のイヴェントも掲載致しました。
(高橋楓)

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