革命アイドル暴走ちゃん「騒音と闇 ドイツ凱旋ver.」

◎変わらないこと、変わったこと
 水牛健太郎

 二階堂瞳子が主宰していたバナナ学園純情乙女組(以下、バナナ学園)が公演中のトラブルにより、活動を休止したのは2012年の末のこと。それから1年9か月を経て、「革命アイドル暴走ちゃん」(以下、「暴走ちゃん」)なる新団体を率いて二階堂が東京に戻ってきた。ドイツで公演を成功させて戻ってきたという触れ込みだ。公演では「逆襲」という言葉も使われており、バナナ学園のリベンジ戦という位置づけを、堂々と打ち出している。
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バック・トゥ・バック・シアター「ガネーシャVS. 第三帝国」

◎問われる境界と私たちの慣性―演劇、障害、好奇、当事者性を架橋するメタシアター
 水谷みつる

 アイディアは、そして作品は、誰のものか? 誰が意見を言い、誰が決定を下すのか? そこにあるのは支配と搾取なのか? 彼らは演じさせられているのか? 演じているのか? そもそも演じるとは何か? リアルとは? フィクションとは? 稽古場で起こる本気のぶつかり合いが台本に組み込まれ、繰り返し演じられる時、その演技は「リアル」なのか? 「障害者」「健常者」とどちらも一括りにされがちな人々のなかに否応なく存在する多様性/差異は、グループの関係性に何をもたらすのか? 「できる」「できない」が両極とそのあいだのリニアなグラデーションではなく、複雑に絡み合い、時に反転さえするものだとしたら、互いの役割もまた揺らぎ、交換され、共有されるものではないのか? そして、それら一部始終をあちら側で見ている観客こそが、好奇の目で覗き見し、果実を掠め取っていく簒奪者ではないのか? いや、それとも…?
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【レクチャー三昧】2014年11月

 毎年この時季はフェスティバル/トーキョーも重なり多忙をきわめます。このページで紹介しきれない分は【レクチャー三昧】カレンダー版に掲載致しました。皆さまお身体に気をつけてお過ごし下さい。(高橋楓)
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