イキウメ「新しい祝日」

◎劇評を書くセミナー 東京芸術劇場コース2014第5回 報告と課題劇評

イキウメ「新しい祝日」公演チラシ 劇評を書くセミナー2014の第5回の課題は、イキウメの新作「新しい祝日」でした。今回は11人の評が集まりました。講師の林あまりさん(歌人、演劇評論家)から文章表現などについての丁寧な指摘があっただけでなく、一つ一つの評について合評会形式で活発な意見交換が行われました。セミナー終了後は、講師の林さんも交え、東京芸術劇場二階にある喫茶店で懇談会が開催され、演劇談義に花を咲かせました。
 セミナー後に提出されたものも含めた原稿のうち、了解の得られたものを掲載します。(編集部)
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【レクチャー三昧】2015年2月

  2月は各大学は多忙をきわめているので、イヴェントもあんまりないだろうとたかをくくっておりましたんですが、意外や結構見つかりました。寒さに負けず元気に出かけましょう。(高橋楓)
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チェルフィッチュ「スーパープレミアムソフトWバニラリッチ」

◎うすっぺらいかもしれないわたしたちの、ささやかな抵抗
 廣澤梓

「スーパープレミアムソフトWバニラリッチ」公演チラシ 職場から90分ほどかけて帰ってきた最寄駅の、改札を出てすぐ右手に見えるコンビニに寄ると、おじさん3人が今日も働いている。若者バイトの入れ替わりが激しいのに対して、彼らはもう5年以上はいる。ひとりは必要のない割り箸やプラスティックのスプーンを、手当たり次第レジ袋に突っ込んでくる。ひとりは昨夏になって急に、客がレジに持ってきた商品に対してコメントをするようになった。もうひとりはうっとりする美声で、その接客、商品を扱う手つきに気品すら感じる。
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劇評を書くセミナー 東京芸術劇場コース2014

seminar2014flyer0a ワンダーランド主催「劇評を書くセミナー 東京芸術劇場コース」第6回は3月14日(土)14時から。Roots Vol.2「狂人なおもて往生をとぐ」を取り上げます。講師は演劇評論家扇田昭彦氏。申込みは定員に達し、キャンセル待ちのみ。聴講可能です。第1〜第5回の報告と課題劇評は、次のページから読むことができます。
詳細は次のページ >>


杉山剛志氏(演出家)、蔡恵美(チェヘミ)氏(女優)

◎状況を信じることのできる演劇:海外戯曲を自然にダイナミックに 演劇集団《ア・ラ・プラス》

 2011年の6月に、アトリエセンティオで見たダリオ・フォー作の一人芝居、「女がひとり」の上演は鮮烈だった。濃密な饒舌体で書かれたせりふを、70分のあいだ、しっかりとコントロールし、堂々たる演技で舞台空間を支配するチェヘミさんの演技が印象的だった。この公演で私はア・ラ・プラスという演劇ユニットに関心を持ったのだが、この後、チェヘミさんの出産、育児のため、ア・ラ・プラスの公演は行われなかった。

 ア・ラ・プラスに再会するのは、「女がひとり」上演から3年以上経過した昨年11月だった。ア・ラ・プラスの二人は、日本・セルビア演劇交流プロジェクトという枠組みで、セルビアの演劇作品の上演をブレヒトの芝居小屋で行った。東欧、それも日本にはおそらくこれまでほとんど紹介されていていないセルビアの現代戯曲の上演ということに好奇心をそそられた。私にとって二回目となる杉山剛志演出、チェヘミ出演の芝居、「バルカンのスパイ」は、3年の公演ブランクを感じさせない密度の高い充実した公演で、私は大いに満足した。その公演チラシで、演出の杉山剛志さんとチェヘミさんをはじめ、すべての出演者がスタニスラフスキー・システムの教育を受けていることが強調されていることに、私は関心を持った。心理的写実主義に基づくスタニスラフスキーの演劇理論は、少なくとも今の東京の小劇場シーンでは時代遅れといった雰囲気がある。しかしア・ラ・プラスは、敢えてスタニスラフスキー・システムを標榜し、その舞台表現は東京の他の小劇場劇団とは異質の雰囲気を持っている。海外現代戯曲を中心とした上演作品の選択にも独自の傾向がある。いったい彼らはどこからやってきて、何を目指しているのだろうか? その来歴と演劇美学について話を聞いた。
[聞き手・構成:片山幹生(ワンダーランド編集部)]

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SPAC「マハーバーラタ」

◎儀礼と演劇、近代を再考する手つきについて―SPAC『マハーバーラタ』ステートメント批判
 川口典成

「これは儀礼ではありません。儀礼についてのダンスなのです」
ピナ・バウシュ i

 2014年の日本演劇界の大きな話題のひとつであったSPACの『マハーバーラタ~ナラ王の冒険~』。アヴィニョン演劇祭に公式プログラムとして招聘され、7月にブルボン石切場にて上演。9月には、KAAT神奈川芸術劇場にて日本凱旋公演が行われた。アヴィニョンでは好評だったとNHKなど大メディアでも喧伝され、また9月の凱旋公演も大いに盛り上がり、ネット上にも賛辞があふれた。そうした言説の中に「祝祭的」「祝祭感」という言葉がよく見られたのは、SPAC自体がこの作品を「祝祭劇」と銘打っていることからも頷ける。だが、ここで問いたいのは、「祝祭」とはなんだろうか、ということである。演出家・宮城聡がアヴィニョンで発表したステートメントは、まさに「祝祭」をめぐってのものだった。
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Hula-Hooper 「WATAC I」

◎現代日本演劇史についてWAGAHA Iが知っている二、三の事柄
 西 悟志

チラシ50(Hula-hooper) ひらめいた、セキタンヲバハヤツミハテツ。千早振る神無月はとうに終わった12月8日の月曜日、Hula-Hooper の『WATAC I』(わたし)楽日のこと、夜更けてから楽日の本日観劇せしと云う北嶋さんより劇評のオファー有、どこに発表云々抜きにしたって今回こそは菊川芝居について何らか書いておかねばならぬと息巻いて覚悟決めていた矢先、渡りに船とはこのこととて、事のうまく運ぶ時には本当に事のうまく回るもの也と思うけれども、さらと書いてみてはという先方のご提案、やWAGAHAIとしてはひとつ演劇作るってほどの大作文になるやもしれぬと考えていたのだから、一風呂浴びながらぐるぐる頭巡らせて書きたいもの求められるもの別個にして書くのやら例えば大長文書き上げてその一部掲載して貰うのやら、もくもく思い巡らせて湯に沈むところ。ひ、ら、め、い、た、このアイデア可能ならばオファー受けた現時点にして石炭をば早や積み果てつつつつつ、つまり『石炭はもう積み終えてしまった…』とは要するにつまりその劇評、オファー受けた現時点にしてほとんど「もうすでに書けている」
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年頭のあいさつ

 あけましておめでとうございます。

 ワンダーランドは今年12年目を迎えます。2004年のスタートから「舞台の記録を劇評の形で定着させたい」と活動を続けてきました。10年余りの試行錯誤からさらに、「観客が書く」意味があらためて問われたと考えています。今年はその転換点になるかもしれません。
 今年のマガジン・ワンダーランドは1月14日(水)発行が最初になります。
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