2006-11 | 2006-12 | 2007-01
[特別寄稿]
◎舞台の上に充満する「空気」 内在化された想像上の他者の視線
 松井周(青年団リンク「サンプル」主宰)

「恋の渦」公演のチラシ
 ポツドール的なるものを挙げるとすると、以前なら例えば暴力やエロといった言葉が浮かぶこともあっただろうが、今となってはそういったことを切り口にポツドールを捉えようとしてもどこか本質を取り逃がしてしまう気がする。本質というと何か実体がありそうだが、そういうものでもなく、あえて言うなら「空気」と呼ぶような目に見えないものである。舞台の上に充満する「空気」を感じるために私たちはポツドールを観ているのだろう。観客だけでなく、俳優、スタッフ、演出も含めて全ての者がその「空気」に奉仕しているような感覚を受ける。
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2006/12/30 21:38 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎明確な戦略で積極参加を 日本勢の活躍に期待
 中西理(演劇コラムニスト)

写真はSt Stephenの全景(筆者撮影)
 AURORANOVA FESTIVAL(アウロラノヴァ・フェスティバル)*1はエジンバラ・フリンジフェスティバルで唯一、海外から参加の劇団も含めフィジカルシアターとダンスの演目だけを集めて行っているフェスティバルである。これまでの年でも複数のカンパニーがFringe FirstやHerald Angel Awards といった優れた公演を対象とした賞を受賞しており、Fringe公演ながら公演内容の水準の高さには定評があり、地元メディアからも注目され高い評価を受けている。 今年は全部で13演目ですべての演目を見ることができた。
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2006/12/30 18:43 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎生の重みという同時代へのメッセージ
 栂井理依(舞台芸術ライター)

「クロスプレイ」公演のチラシ。クリックすると拡大表示
 私たちは、生きるために生まれてくる。その前提があるから、懸命に生きようと思うことができる。では、死ぬために生まれさせられるのだとしたら? いや、そうでなくとも、ある目的のために<生>を強いられるとしたら? それでも、私たちは同じように懸命に生きることができるだろうか。
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2006/12/29 22:29 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 1 Trackback

[ニュース&報告]
 今週号には新しい書き手が2人登場しました。「恋の渦」評を書いた松井さんは青年団の俳優として、2005年のニセS高原プロジェクトでポツドール組(三浦大輔演出)に出演しています。来春の青年団リンク「サンプル」旗揚げ公演の準備で忙しい中、執筆してもらいました。栂井さんは関西のレビューサイト「Culture Critic Clip 」で活躍していた方です。東京に転勤したのを機にお願いしました。ともにこれからも登場していただきたいと考えています。
 「エジンバラ演劇祭2006」は今号に掲載した第7回で終了です。第10号(10月4日発行)から2か月余りの長丁場となりましたが、なんとか年内にフェスティバルの全貌を知ることができました。これほど詳しく、かついきいきとしたフェスティバルの記録は例がないのではないかと思います。本当にお疲れ様でした。
 この年末合併号で今年は終わりです。年明けは1月10日発行の「ソウル市民」三部作特集でスタートします。ご期待ください。
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2006/12/29 18:28 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[ニュース&報告]
 年末恒例の回顧アンケート企画を実施しました。これまで「マガジン・ワンダーランド」やwonderlandサイトに寄稿していただいた筆者のほか、ネット上でレビューを発表している方々にお願いしました。週刊「マガジン・ワンダーランド」特別編集号(12月22日発行)に掲載したあと、追加と修正があります。最終的には12月24日までにいただいた計30人の回答を到着順に並べました。年末回顧特集「振り返る私の 2006」をご覧いただけば、多様な公演に見合った、多彩な観客がいたことが分かると思います。右メニューからもご覧いただけます。
2006/12/25 23:22 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎真の主役は「演劇愛」 温かさに包まれた一座の船出
 村井華代(西洋演劇理論研究)

「オールド・バンチ 男たちの挽歌」公演チラシ
 流山児★事務所の『狂人教育』を観に行ったら、にわかには信じられないようなチラシが挟まっている。キャスト・戌井市郎、瓜生正美、中村哮夫、肝付兼太、本多一夫、高橋悠治。映像出演に観世榮夫、岩淵達治。箔つきの大御所ばかりではないか。この人々が高齢者劇団「パラダイス一座」を旗揚げし、山元清多のホンで共に12月、演出・流山児祥でスズナリの舞台に共に立つのだという。しかもチラシ写真と題字がアラーキー。美術は妹尾河童と書いてある。
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2006/12/22 11:29 KITAJIMA Takashi | 1 comment | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎晩冬に咲く桜
 今井克佳(東洋学園大助教授)

 なんと贅沢な芝居だろうか。開幕と終幕の場面だけ登場する80人の群集のシーン。知名度も実力も高い俳優陣。有名俳優をおしげもなく出番の少ない傍役に配置する。見た目は決して派手ではないが、現在の蜷川幸雄だからこそ、これだけの芝居がシアターコクーンで打てるのだ。まずは蜷川が上り詰めたその地位に驚嘆せざるをえない。
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2006/12/21 11:27 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[ニュース&報告]
 今週の「マガジン・ワンダーランド」は大家・大御所が出番の舞台が取り上げられました。「オールド・バンチ」では強盗と宴会の狭間に戦争が垣間見えたようです。「タンゴ・冬の終わりに」では風と闇が交錯し、クジャクや桜がお目見えしました。演劇が時代の視線と向き合う時に生じる隙間と揺らぎかもしれません。「オールド・バンチ」を主催した流山児★事務所のwebサイトには「来年12月『続オールド・バンチ』ザ・スズナリで再び、お会いしましょう」とありました。
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2006/12/20 23:18 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[ニュース&報告]
写真は、マンスリー・アートカフェで話し合う岡田利規さん(中央)とスラフマイルダーさん(右)。左は司会の相馬千秋さん(急な坂スタジオ ディレクター)
 超リアルなせりふや脱力的な身振りなどで知られる演劇ユニット「チェルフィッチュ」(岡田利規主宰)が2007年5月にベルギーの首都ブリュッセルで開かれる現代芸術祭クンステン・フェスティバル・デザールに招待され、代表作「三月の5日間」を上演することになりました。同フェスティバルは世界の先鋭的実験的な若手アーチストを紹介する場として知られ、1990年代後半は日本からパフォーマンスグループのダムタイプ、コンテンポラリーダンスの踊り手、振付家として活躍している勅使川原三郎さんが参加したそうです。
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2006/12/19 17:11 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[ニュース&報告]
 第12回劇作家協会新人戯曲賞公開審査会が12月17日午後6時30分から東京・新宿の紀伊國屋ホールで開かれ、嶽本あゆ美「ダム」が新人戯曲賞を受賞しました。
 受賞作「ダム」は熊本県の山奥に予定されたダム建設現場近くの民宿が舞台。廃村同然の故郷で細々と民宿を営む中年女性、彼女と付き合うダム工事事務所の若い職員、昔ダム開発反対運動に関わったが今は環境カウンセラーとして登場する50代後半の大学教授らが織りなす物語。「人物設定とプロットが綿密に仕組まれ、時代の変わり様を母子二代で描き出した」(斎藤憐)「40歳女性のつらさが痛いほど浮かんでくる」(鴻上尚史)「社会問題と土俗的モチーフが融合され、神話的世界を作ることに成功した」(永井愛)など高い評価を受けました。
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2006/12/17 23:56 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎「不揃いの美」によるクールな知性の発露
 伊藤亜紗(ダンス批評)

綱島ラジウム温泉「東京園」大広間
 本日の「ショー」会場は何と温泉施設内の大広間。障子戸を開けると意外にもなかは温室のようでガラス張りから冬の陽光が差込み、とはいっても中庭越しに否応無く目に飛び込んでくるのは酔っぱらったじいさんばあさんのまったりとした雑魚寝風景である。ダンスをアートとしてしつらえるなら排除するであろう、あらゆる猥雑さに満ちた寛大な空間。「携帯電話、アラーム付き時計など、その他音の出る機械はどうぞご自由にお使いください」とのアナウンスに始まり、横に長い舞台はもちろんカラオケ仕様、袖と舞台を区切るのはビロードの布などではもちろんなく、歌磨か何かがプリントされたひょろ長い暖簾である。
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2006/12/16 13:58 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎諧謔に満ち哀切な心情を喚起する重層的な物語
 大岡淳(演出家、演劇批評家)

「かしげ傘」公演チラシ
 関西野外劇の雄として知られる劇団犯罪友の会は、今年で創立30周年だそうだ。私はこの集団を、アングラ演劇の最良の部分を継承し発展させている劇団だと考え、演劇批評家として一貫して評価し、支持し、応援してきた。今年10月に上演された『かしげ傘』は、「30周年超大作野外劇」と銘打たれているだけあって期待に違わぬ力作であったが、これを見ながら私は、もはや「アングラ」云々という文脈でこの集団の魅力を語る必要はなくなったのだな、とふと思った。「犯友」の芝居は、「犯友」の芝居以外のなにものでもなく、殊更に他の芝居との共通性を指摘したり、あるいは相違点を強調したり、といった、私自身がこれまでやってきた批評的な作業は、なんだかさかしらな営為に過ぎなかったような気がしてしまった。それほどに、この集団は、他の追随を許さぬ独自の魅力を備えた劇団として成熟しつつあることを、確認した次第である。
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2006/12/15 11:55 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎テクストと身体-日本の翻訳劇制作現場で考える
 芦沢みどり

▽太陽劇団の最新作に即して
 このところ学校でのいじめを苦にした小中学生の自殺が頻発して、教育委員会の対応やマスメディアの報道のあり方も含めて、社会の関心の的になっています。最近の子どもには他者への想像力が欠けている、といった言説もメディアを通して聞こえてきます。昨今の日本が子どもに限らず想像力を欠いた社会であることは間違いないにしても、自他ともに人を尊重しなくてはいけないといった倫理観は、自他の概念が曖昧なまま思考停止のミーイズムに陥っているかに見えるこの国では、いくら学校が道徳教育に力を入れたところでそう簡単に育つものではなかろうに、と思うのですが。
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2006/12/14 11:55 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[ニュース&報告]
 今週の週刊マガジン・ワンダーランド(第20号、13日発行)は、思いっきり離れているかに見える公演評3本を掲載しました。黒沢美香&ダンサーズ「ダンス☆ショー きみの踊りはダンスにしては重すぎる」、劇団犯罪友の会「かしげ傘」、太陽劇団「Le Dernier Caravanserial《最後のキャラヴァン宿》」です。コンテンポラリーダンスの極北、いわゆるアングラ演劇の最良の文脈、政治社会が析出する問題と格闘する海外演劇の先端-。たまたま集まったこの3点から引いた補助線が交差するあたりに、「いま」の輪郭が浮かんでくるような気がします。「エジンバラ演劇祭2006-7」(最終回)は筆者の都合により次号掲載となりました。以下、目次です。
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2006/12/13 17:31 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[ニュース&報告]
 東京国際芸術祭(TIF)2007がユース・サポート・スタッフ募集を募集しています。
 TIFは毎年2-3月に内外の舞台芸術作品を紹介する国際フェスティバルです。NPO法人アートネットワーク・ジャパン(ANJ)が主催し、今年も2月1日から3月いっぱいの2か月、東京を中心に5個所の劇場で19演目の上演が予定されています。
 ユース・サポート・スタッフはTIF期間前後の約2か月、公演制作、広報など実践的に研修するそうです。内外の演劇に関心があり、舞台制作の経験を積みたいと考える人には格好の機会かもしれません。年齢は原則として25歳まで。海外公演担当組は語学能力が必要。応募締め切りは12月18日(月)。詳細は募集ページをご覧ください。

2006/12/12 15:09 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
鈴木忠志演出「シラノ・ド・ベルジュラック」「イワーノフ/オイディプス」
◎筒井康隆を読むように鈴木忠志を観よ
 田口アヤコ(演劇ユニットCOLLOL主宰)

新国立劇場にての鈴木忠志氏演出の3作品連続上演。
16年ぶりの東京公演、ということで、
日本の演劇界をおおきくゆさぶる2006年の一大ニュース、だった
日本人演出家のなかで
これほど世界に認められ、愛された人はほかにはいない、
ケンブリッジ大学刊行の
「20世紀を主導した劇作家、演出家21人」というシリーズに
スタニスラフスキー、ブレヒト、ピーター・ブルックと並んで
アジア人から ただ一人選ばれているらしい。すげえ!!!
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2006/12/07 12:36 KITAJIMA Takashi | 2 comments | 0 Trackback

[ニュース&報告]
 週刊マガジン・ワンダーランド第19号が発行されました。毎週水曜日発行です。
 今週は、鈴木忠志演出「シラノ・ド・ベルジュラック」「イワーノフ/オイディプス」を取り上げました。独特のリズム感ある文章に身を浸してください。来週はおもしろくて尖った、たっぷり考量を必要とする原稿を届けられるはずです。ご期待ください。「エジンバラ演劇祭」最終回は筆者の都合で次号掲載となります。内容は以下の通りです。
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2006/12/06 15:48 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[ニュース&報告]
 第6回かながわ戯曲賞(財団法人神奈川芸術文化財団・神奈川県主催)の公開審査が12月4日、横浜のSTスポットで開かれ、最優秀賞(賞金50万円)に「廻罠(わたみ)」(下西啓正・乞局)、佳作(同10万円)に「夜のアンプリファイア」(石維裕子)が選ばれました。最優秀作品はドラマリーディングの形で2007年に上演されます。
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2006/12/04 23:41 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[ページ紹介]
「宗教演劇」公演チラシ
 大阪の劇団「仏団観音開き」の東京公演(10月14日-15日、新宿タイニイアリス)は爆笑、興奮の渦だったようです。「仏団」はその後、横浜で開かれた「ぶたばん2006」(10月28日-29日)というライブイベントに劇団鹿殺し、毛皮族、宇宙レコードらと一緒に出演するなど知名度を上げています。遅れ遅れですが、アリス公演のレビューがいくつか載っているので紹介しましょう。
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2006/12/04 14:31 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[ニュース&報告]
 第12回劇作家協会新人戯曲賞公開審査会が12月17日午後6時30分から東京・新宿の紀伊國屋ホールで開かれます。
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2006/12/01 10:00 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback