「特別寄稿」の記事を10件ずつ表示します。
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◎ 子供だって残酷の意味は分かるのに
芦沢みどり
「白雪姫」と聞けばたいていの人はグリム童話よりディズニー・アニメか子供向けにリライトされたお話の方を思い浮かべるのではないだろうか。かく言う筆者もその一人だったので、グリム童話をほぼ忠実に再現したという鳥の劇場の『白雪姫』を観て大いに驚き、かつ誤解してしまった。まずは原作と、一般に膾炙されていると思われるお話との違いをいくつか挙げてみたい。
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2010/08/09 15:15 編集部 |
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◎身体に降り注ぐ言葉の雨
芦沢みどり
日暮里シアターアーツ/フェスティバル(2.12-3.21)参加作品の『作品No.7』を観て、再び舞台表現における<言葉と身体>について考えさせられた。再び、というのは5年前にこの集団の作品として初めて観た『ハムレットマシーン』によって、舞台表現の根幹である(と思われる)<言葉と身体>の問題を考えるうえで大いに刺戟を受けたからだ。それはハイナー・ミュラーの「ハムレットマシーン」を上演することの意味と正面から向き合った作品だったが、その中で佐々木敦という若い肥満体の俳優が、金属バットを振り回してテレビやテープデッキ、机を次々に叩き壊すシーンがあった。そのナマの破壊力はすさまじく、客席にいて背筋が寒くなるような怖さを覚えたものだが、同時に、彼の身体から発する負のエネルギーが、経済弱者へと追いやられた現代日本の若者層の鬱屈や怒りとダブって見えた。そして破壊シーンは痛ましくも共感できるものに変わっていた。セリフがない分、それは直接的だった。
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2010/03/05 23:58 編集部 |
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◎抒情から喜劇へ 新生サーカス劇場の挑戦
芦沢みどり(戯曲翻訳家)
見えるかい 亀が歩いてる
時間という名の亀が
少女を惑わすウサギより速く
アキレスの眼にもとまらぬほどに
三〇世紀 東京は森
見てごらん 鉄の木立の上に 一千万のカラスがとまる
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2009/04/16 22:56 編集部 |
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◎美しいイメージの中に世界を投げ捨てる滅びのメルヘン
芦沢みどり(戯曲翻訳家)
キャストがすごっ!松たか子、宮沢りえ、橋爪功、大倉孝二、北村有起哉…と聞いただけで卒倒しそう。そこへもってきてダンス集団コンドルズまで加えてしまって、殿、な、なにをなさるおつもりか???と、クエスチョンマーク3ケ付き好奇心で出かけて行きました。もちろん劇場へ。
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2009/03/07 00:45 KITAJIMA Takashi |
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横浜・吉田町のを舞台に10月3日-5日の3日間、「ラ・マレア横浜」と呼ばれる街頭パフォーマンスが繰り広げられました。アルゼンチンの劇作家・演出家の作品を、日本人の俳優をオーディションで選んで上演する国際企画です。母国のほか、ブリュッセル、ベルリン、リガ、ダブリンなどで、その都市のコンテクストに合わせたバージョンを発表してきたそうです。では横浜版はどういう相貌をみせたのか。本誌「ワンダーランド」の執筆者に読み解いてもらいたいと主催の急な坂スタジオの協力を得て、本公演はもちろん、「プレトーク」への参加、稽古見学などをお願いしました。以下、レビューを2回に分けて掲載します。(編集部)
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2008/10/22 13:41 KITAJIMA Takashi |
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◎観客の半分は女なのだぁーっ!
芦沢みどり(戯曲翻訳家)
アトリエセンティオは東武東上線・北池袋駅から歩いて五分、路地の突き当たりの線路際にある。これが比ゆでなくマジで線路のすぐ横なのね。かつて舞踏グループが稽古場にしていた小屋だと聞けばナルホドと思うけど。開場までの数十分、ひっきりなしに通過する夕方のラッシュの車両を、暮れなずむ路地裏で眺めているうちに不安になった・・・こんな場所でまともに芝居が観られるのかなぁ。
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2008/09/06 10:52 KITAJIMA Takashi |
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◎身体と言葉‐陰翳のポリフォニー
芦沢みどり(戯曲翻訳家)
谷崎潤一郎は『春琴抄』の冒頭を、<私>が大阪市下寺町にある春琴の墓を訪ねて行く場面で始めている。『鵙屋春琴伝』という架空の原テクストを設定した谷崎は、たまたま入手した小冊子の内容を紹介するという形でこのあと春琴と佐助の物語を展開させて行く。したがって冒頭部分は、墓参りをしている<私>(たぶん谷崎)が物語の作者ではなく解説者であることを読者に印象づけるためのプロローグなのである。さらにこの小冊子は春琴の弟子であり事実上の夫であった佐助が晩年に、そばに仕えた鴫沢てるに話して書き取らせたものであることまでほのめかしている。なぜ谷崎は物語を語るのにこのような複雑な構造にしたのか? それについて岩波文庫版『春琴抄』の解説者である佐伯彰一は、「谷崎流の語りの戦略」だと言っている。一人語りでは当然、語られる知識の内容が限定せざるを得ない。これはその視野の狭さを解消して語りにさまざまな声を取り込むための仕掛けなのだという。つまり作者、解説者、物語の語り手という複数の声を投入して一人語りを多彩なものにする装置というわけだ。
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2008/03/21 13:54 KITAJIMA Takashi |
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◎若さと、かく乱のエネルギーと、真っ当さと
芦沢みどり(戯曲翻訳家)
劇団サーカス劇場・・・どこか郷愁を感じさせる蠱惑的な名前に惹かれて、雨の夕方、下高井戸の「不思議地底窟 青の奇蹟」へ出かけて行った。「隕石」は2001年に東京大学のキャンパスで旗揚げされたグループの14回目の公演だが、筆者はこれが初遭遇。
急な階段を地階へ降りて行くと、え、え、えー!これが劇場なの?何とも狭い空間だ。奥に畳が6枚敷かれた舞台があり、その手前には1列5、6人ほどの座布団席が2列とベンチが1脚。これで全てだ。早速ベンチ席を確保して左右に目をやると、ビリジアン色に塗られたテーブルらしきものが壁いっぱいに畳み込まれていて、見ていると海の底に迷い込んだ気分になる。たぶんこれを壁から外して広げれば、あら不思議。劇場がバーに、バーが劇場に早変わりする仕掛けなのだろう。超矮小空間を二通りに使い分ける悪魔的頭脳に感心してしまった。この壁が狭い空間に不思議な雰囲気を与えていた。
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2007/10/25 21:16 KITAJIMA Takashi |
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◎命を使い切る老女の姿が感動的 二人のベテラン女優が描き出す
芦沢みどり(戯曲翻訳家)
讃岐うどんと団扇で知られる香川県の丸亀で芝居を観た。盛夏の数日を旅に出たいと思っていた矢先、四国で再演される舞台があるという話を耳にした。2005年2月に紀伊国屋サザンシアターで初演された劇団文化座の「二人の老女の伝説」で、私は観そびれていた。タイトルロールの二人の老女を佐々木愛と新井純が演じると聞き、ぜひ観てみたいと思った。そこで旅は四国と定め、この芝居の観劇を旅程に加えた。さいわい出発までに間があったので、つてを頼って上演台本を送ってもらった。台本の表紙には<コーラスと音楽を伴うドラマ:二人の老女の伝説:ヴェルマ・ウォーリス『ふたりの老女』、星野道夫『森と氷河と鯨』他による。脚本・詞・演出=福田善之>とたくさん文字が並んでいる。これは大変。そこで今度は図書館へ走り、ウォーリスと星野道夫の本を借りてきて読んだ。両方ともこの夏の猛暑を忘れるほどの面白さだったが、芝居に対する興味と同時にまた疑問も膨らんで来た。
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2007/09/27 23:40 KITAJIMA Takashi |
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◎<特異な俳優たち>が芸術と生の壁を爆破する(下)
芦沢みどり(戯曲翻訳家)
雨中観劇の巻
「戦争」を観終わった時、外は雨が降り出していた。どうやら天気予報が当ってしまったらしい。もう一つの演目「沈黙」は野外劇場で夕方7時半の開演である。それまでに雨が上がらなかったら、雨の屋外での観劇ということになる。どういうことになるのやら見当もつかなくて、通りがかったスタッフに尋ねると、みんなでビニール合羽を着て観劇しますという返事。「これがけっこう盛り上がるんですよ」という明るい声に励まされて、芸術センターそばの「ジョナサン」で本を読みながら時間を潰すことにした。晴れていれば劇場のある公園を散策することもできただろうに・・・。
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2007/07/26 20:14 KITAJIMA Takashi |
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