「特別寄稿」の記事を10件ずつ表示します。
|
次のページ
◎古典喜劇の時代錯誤と普遍性の両方を味わう
片山幹生
ポップで洒落た感覚で作品を照らし出すことによって、日仏の古典喜劇の普遍的な魅力を浮かび上がらせた優れた舞台だった。
ハイリンドは加藤健一事務所の俳優教室出身の男女4人の若い俳優による演劇ユニットである。毎回、公演のたびに異なる演出家を呼び、既存の戯曲を上演する。今回は中野成樹を演出家として招き、森本薫の「華々しき一族」とモリエールの「お婿さんの学校」の二本立て公演を行った。上演時間は前者が1時間20分程度、後者が30分程度の短い作品だった。
>> more
2009/12/18 17:58 編集部 |
0 comments |
0 Trackback
◎異質なコンテクストから浮かび上がる ギミックに満ちた独創的公演
片山幹生(早稲田大学非常勤講師)
千葉を活動拠点とする三条会は、今、首都圏の小演劇ジャンキーの間で最も注目されている団体の一つではないだろうか。三条会の極めて個性的で癖のある表現スタイルには、中毒になるという言い方がぴったりはまるような強烈な吸引力がある。
>> more
2007/12/27 15:15 KITAJIMA Takashi |
0 comments |
0 Trackback
◎消長する森が作品世界を映し出す 明晰なテクストから背後の深い闇へ
片山幹生(早稲田大学非常勤講師)
細部まできっちりと作り込まれた美術と、日常生活を精密にトレースしたかのような動きとことばによって超写実的な舞台空間を創造し、その中でマメ山田という小人俳優を媒介にグロテスクで不気味な人間のありようを描き出す「暗黒」演出家、というのが私の抱いていた演出家タニノクロウのイメージである。
メジャーリーグの主催公演でタニノクロウが外部演出家としてイプセンの戯曲を上演すると知ったときの私の期待は、精巧な細密工芸品をも連想させるイプセンの世界をタニノクロウがどのように消化し、庭劇団ペニノ風に悪趣味なものへと変形させるかにあった。
>> more
2007/12/07 14:39 KITAJIMA Takashi |
0 comments |
1 Trackback
◎説得力ある人物造形に成功 洗煉された舞台表現のセンス
片山幹生(早稲田大学非常勤講師)
『the real thing』は、『ハムレット』の登場人物による不条理劇『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』(1967年)の作者として知られるトム・ストッパードが1982年にロンドンで発表した作品である。日本では1986年に文学座で『リアルシング』のタイトルで上演されている。活発なことばのやりとりの中で虚実があいまいになっていく、いかにも一筋縄ではいかなそうな演劇的仕掛けに満ちた刺激的な作品だった。ことばによって幻惑されるスリリングな展開に観客も気を抜くことができない。
田野邦彦が主宰する青年団リンクRoMTの公演を見るのはこれが初めてだった。演出家はこの難物を丁寧に読み解き、戯曲に仕掛けられた技巧を効果的に増幅させた上で、説得力のあるリアルな人物造形に成功している。スピーディな展開の中で、様々な趣向をスマートに提示する洗煉された舞台表現のセンスも印象的な舞台だった。
>> more
2007/10/07 12:18 KITAJIMA Takashi |
0 comments |
0 Trackback
◎異文化摩擦の齟齬をコミカルに、そしてリアルに
片山幹生(早稲田大学非常勤講師)
平田オリザの新作だが、フランスの地方都市にある国立演劇センターから委嘱された作品であり、当初からフランスの劇場、フランス人観客のために構想された作品であることは強調しておく意味はあるだろう。言語芸術である演劇ジャンルにおいて、使用言語の異なる国・地域の人間に新作を委嘱することはかなり異例であるように思われるからだ。今回の委嘱は、平田の劇作家としての資質が言語を超えた普遍的なものであることをフランスの演劇人が認めたことを示している。
>> more
2007/04/27 22:47 KITAJIMA Takashi |
0 comments |
0 Trackback
◎分厚い下塗りの上に描かれる牧歌的笑劇
片山幹生(早稲田大学非常勤講師)
アイルランドの西北部の寂れた漁村を舞台とする牧歌的笑劇。『西の国のプレイボーイ』を見た印象を一言で表現すればこうなる。ダブリンでの初演時(1907年)にそのスキャンダラスな内容ゆえに暴動騒ぎになったことが不思議に思えるほど他愛ない話なのだ。観客の視覚に強く訴えるような斬新なスペクタクルもあるわけでもないし、意外性のある仕掛けが演出で用意されているわけでもない。しかしその古典的様相の穏やかさにも関わらず、この作品は私を大きな演劇的感興で満たすものだった。この芝居に私が感じた面白さと充実感は何に由来するのだろうか? 上演を企画した東京国際芸術祭(TIF)のウェブページ上の資料、芸術祭事務局から提供していただいた字幕原稿、および戯曲の原作および翻訳などを読んで上演舞台をじっくり反芻し、その魅力の源泉について考察してみたい。
>> more
2007/04/14 01:58 KITAJIMA Takashi |
0 comments |
0 Trackback
◎演劇的な読替えの愉しみ 濃厚で圧縮された舞台
片山幹生(早稲田大学非常勤講師)
2001年に初演されて以来、再演を重ねてきた三条会の「ひかりごけ」の公演を下北沢、ザ・スズナリで見る(2007年1月19日)。三条会の独創的な舞台についての高い評価はこれまで何度も目にしていたが、私が三条会公演を観たのは今回がはじめてである。
三条会のウェブページ上には、自身の表現形態の特徴について以下のように記載されている。
>> more
2007/02/08 09:48 KITAJIMA Takashi |
0 comments |
0 Trackback