特別寄稿」の記事を10件ずつ表示します。
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[特別寄稿]
◎震えと揺れが引き起こす、舞台上の遠景。
 徳永京子

「しゃぼんのころ」公演チラシ
 おそらく劇場を持った瞬間に、演劇は“遠景”を捨てたのだと思う。世界一巨大な劇場に出現する奥行きも、簡素な野外劇のテントから図らずも見えてしまった空がもたらす、一瞬の目眩にはかなわない。そう、遠景とは目眩だ。確かに“ここ”とつながっている/いたけれど、決定的に遥かな“あの場所”。時間を好き勝手に伸び縮みさせる演劇の暴挙と偉大な自由も、神聖な“あの場所”の前では嘘っぽさが目立ってしまい、劇場の中で演出家は、遠景に永遠の片思いをしてきた。
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2010/07/09 23:56 編集部 | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎演出家の責任と手柄のありか。
 徳永京子

「富士見町アパートメント」公演チラシ
 観客にとってメリットの多い上演形態ほど、制作サイドの負担は膨らむ。4人の人気劇作家の新作をまとめて観られる、1編が約1時間だから気軽、同じアパートを舞台にしているからセットの違いも見比べられるなど、ちょっとしたお祭り気分さえ感じる企画で注目を集めた自転車キンクリートSTORE『富士見町アパートメント』は、だからさまざまなリスクを抱えていたはずだ。
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2010/04/08 18:25 編集部 | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎地図も磁石も手放した多田淳之介の、唯一の持ち物。
 徳永京子(演劇ライター)

 考え続けているのは、多田淳之介の時間の感覚だ。
 『CASTAYA』は、東京デスロック『演劇LOVE2008~愛の行方3本立て~発情期・蜜月期・倦怠期』の「倦怠期」として上演された。発情期は『ドン・キホーテ』、蜜月期は『ジャックとその主人』と、既存の小説あるいは戯曲に、多田流の「発情」と「蜜月」の解釈をシンクロさせた作品だった。そのシリーズにあって『CASTAYA』だけが、事前に内容を伺い知る材料が何もなかった。「演出家Enric Castaya氏の意向により、事前に出演者は公表しない」と、どんな出自の役者が何人出てくるか、そのヒントすら観客に与えられなかった。
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2008/10/30 09:34 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎「羊のナイフ」-劇作家の覚悟が生まれた瞬間
 徳永京子(演劇ライター)

「莫逆の犬」公演チラシ
 太田省吾さんが存命中、ある年の岸田戯曲賞の審査を終えて書いた講評に「羊か狩人か」という文章がある。「作品をつくる時、観客を羊と想定するか、狩人と想定するか」という内容だが、その主旨は「戯曲を書く時、劇作家は観客の羊となるか、狩人となるか」と言い換えても差し支えないと思う。ストーリーの展開、それに付随する感情やカタルシスを、観客の望む種類のものにしていくのか、観客の予想や期待を裏切るのか。
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2008/05/08 15:52 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎おじさんは、さまよい、さすらう 若くないことを受け入れて立つ肉体
 徳永京子(演劇ライター)

プリセタ「モナコ」公演チラシ
 大好きだったバンドへの興味が急に冷めた瞬間を覚えている。そのバンドが、実年齢よりもずっと若いボキャブラリーで曲をつくり、永遠の青臭さを定位置にするつもりだと気が付いた時、はっきりと「もう新譜を買うことはないだろう」と予感した。年を重ねれば考え方や感じ方が変わるのが当たり前で、その変化をどう受け止め、どう作品に採り込むか。そこに生まれる表現に、私はその人が表現者として正直かつ誠実であると感じ、興味を持つ人間なので、残念ながら熱心なリスナーを辞退したのだった。
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2007/12/21 21:16 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎やわらかな手つきで世界を変える
 徳永京子(演劇ライター)

「月並みなはなし」公演チラシ
 結局、演劇をはじめとするあらゆる表現活動は、世界を変える方法のアイデア提示だとは言えないか。つくり手が認識する、あるいは目指す「世界」の広さ、「変化」の規模はさまざまだが、自分(達)の作品に接した前と後で観客の意識が変わることを目指さない表現者はいない。つくり手が自覚的か無自覚かに関わらず、演劇は世界の定義を広げていく運動に他ならない。脚本や演出のスタイルの差異とは「だから自分は変えたい」という動機、「自分だったらこう変える」という具体策の差異なのだ。
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2007/11/02 13:05 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback