特別寄稿」の記事を10件ずつ表示します。
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[特別寄稿]
◎絶望の中の爽快感
 因幡屋きよ子

「ブロークン・セッション」公演チラシ
 どこかの家のダイニングキッチンで、男女が向き合って他愛もない会話をしている。男性はタクシー運転手で(酒巻誉洋)、女性はこの家の主婦らしい(真下かおる)。奥の部屋から微かに呻き声が聞こえ、やがてビニール袋をからだにかぶり、手にもビニールのグローブをした女性(松葉祥子)が現れる。ひと仕事終えた印象だ。ビニール袋もグローブも何かで汚れており、それを慣れた手つきで脱がして受け取る主婦。そのあとから夫らしき男性(永山智啓)が出てきて、「殴るいくら、蹴るいくら、あと剃刀の損傷とタバコの火傷」と会計のようなことを始め、女性は合計金額を支払い、夫はそれをいったん状差しの封筒にしまったあとで、またその金を女性に返す。 その行為が何なのか、奥の部屋には誰がいて何が行われているのかが少しずつ明らかにされていく。いや、もしかしたら自分はもっと早くにわかっていたのかもしれないのだが、考えついたことがあまりに病的で暴力的なために、薄々気づく一方で「まさかそんなことが」と否定しながら舞台に前のめりになっていた。
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2010/01/28 18:52 編集部 | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎覚悟と楽しみをもって、思い悩もう
 因幡屋きよ子(因幡屋通信発行人)

「誰」公演チラシ
 劇団掘出者の舞台をみるのは、昨年春の『チカクニイテトオク』に始まって秋の『ハート』と続き、今回の『誰』で3本めになった。およそ半年ごとに次々と新作を発表しており、作・演出の田川啓介が劇作家として伸び盛りであること、劇団としてのフットワークの強さを感じる。しかし初日に観劇した直後は「困ったな」というのが正直な気持ちであった。それは「これはフィクションなのか、それとも同じようなことが現実の大学生にも起こっているのか」という極めて初歩的な困惑だった。舞台をみるとき、その世界が現実に則したものとして受け止めるのか虚構を楽しむものか、自然に感じ取れれば楽なのだが、『誰』は判断できなかった。千秋楽近くに足を運んだ知人も似たような感想を漏らしており、舞台に描かれている世界を受け止めるのがむずかしかったことがわかる。だんだん心配になってきた。こういう舞台を作る田川啓介さん、あなたの心は大丈夫なのでしょうかと。
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2009/03/22 17:47 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎わたしにも夢がある
 因幡屋きよ子(劇評かわら版「因幡屋通信」主宰)

 劇作家・演出家の瀬戸山美咲が主宰するミナモザの舞台を初めてみたのは、二〇〇五年夏上演の『デコレイティッド・カッター』である。瀬戸山は一九七七年生まれ。二〇〇一年にミナモザを結成し、これまでに九回の公演を行っている。
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2008/11/29 02:00 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎青空よ、広がれ 一人芝居の功罪
 因幡屋きよ子(因幡屋通信発行人)

「田中さんの青空」公演チラシ
 「この人、痴漢です!」
 暗闇を引き裂くように女の声が響く。明かりがつくと、なぜかテーブルの上に若い女性(一人目の女/乙倉遥)がからだをねじ曲げて立っている。混雑した通勤電車の中で、誰かに触られたらしい。その犯人を逃がすまいと必死になっているのである。彼女以外は誰も登場しない。一人芝居である。土屋理敬の新作『田中さんの青空』は、冒頭から予想がつかなくなった。
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2008/06/29 23:50 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎心の奥底から掘り出される言葉 劇作家の思いを越えて
 因幡屋きよ子(因幡屋通信発行人)

「チカクニイテトオク」公演チラシ
 開幕前、舞台は白い布で覆われている。女性とスーツを着た男性がいて、どちらも客席案内のスタッフだと思っていたら、男性の様子が少し変である。不自然にからだを傾け、ゆらゆらと動く。これは登場人物の一人で、既にお芝居が始まっているらしい。
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2008/04/03 10:18 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎みる人の心を和らげ、温かく包む優しさ
 因幡屋きよ子(因幡屋通信発行人)

「Tea for two~二人でお茶を」公演チラシ
 劇団フライングステージの舞台を初めてみたのは、2005年夏の『Four seasons~四季~』であった。大家はじめゲイばかりが暮らすアパートの住人たちの悲喜こもごもを描いたもので、温かさと安定感のある楽しい舞台だった。以来ほぼ毎回足を運んでいるが、では自分はこのカンパニーのファン、あるいは支援者になったのかというと、実はそこまできっぱり言い切れない。
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2008/02/09 11:32 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback

[特別寄稿]
◎題名の背景から解放される-裏切らなかったユダの話
 因幡屋きよ子(因幡屋通信発行人)

 題名を聞いた瞬間、必要以上に内容を想像してしまう作品がある。『ユダの食卓』は、まさにそうであろう。「ユダ」「食卓」とくれば、新約聖書のキリストの十二使徒のひとりであるユダと、キリストを囲んだ最後の晩餐がモチーフになっていることはすぐに察しがつく。
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2007/12/14 23:54 KITAJIMA Takashi | 0 comments | 0 Trackback