「特別寄稿」の記事を10件ずつ表示します。
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◎振付家がつくり出したもの
都留由子
「カタルシス」という言葉がある。学生時代、習ったのによくわからなかったこの言葉の意味を、あ、これか、と思ったのは、ミュージカル『コーラスライン』を見たときだった。まぶしいステージのダンスナンバーを見終わって席を立ったとき、やっぱりダンスにはカタルシスがあるね、と後ろの席から声が聞こえた。ああ、この快感がカタルシスなんだ! 本当にそれが正しいのかどうか、実は今でもわからないのだが、しかし、筆者の中では、ダンスを見る快楽とカタルシスという言葉はこのとき結びついてしまった。生身の人間の身体が動く。シンプルなそのことの、ぐいと心をつかむこの力の強さはどうだろう。それ以来、筆者にとってダンサーや振付家は、カタルシスをもたらすという特別な力を持った、神様に祝福された人になった。
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2010/08/07 23:54 編集部 |
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◎ここはどこ? あの人はだれ?
都留由子
さすがに現在ではどうかわからないが、ちょっと前なら、アメリカの子ども向けカトゥーンなどを見ていると、めがねをかけて、歯が出ていて背の低い、細い目がつり上がった男性が、着物とも何ともつかないものを着て、下駄を履いて登場することがあった。それはもちろん「日本人」で、妙な格好に加えて、刀やヌンチャクを振り回したり、空手や少林寺拳法の技を繰り出したりして、おいおい、なんだこれは? と思うことも多かった。
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2010/01/21 13:26 編集部 |
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◎贅沢で豊か 驚愕の「子ども向け」劇
都留由子
「子ども向け」と銘打ったお芝居をあなどってはいけない。「子ども向け」と「子どもだまし」は違うのだ。杉並区の小学四年生が全員招待されたという「旅とあいつとお姫さま」。ごく気楽に観に行った筆者は、思わぬ展開に圧倒されてしまった。
小学校の体操服みたいな短いショートパンツに長い髪、赤いほっぺの女の子が元気に登場して、ふむふむと観ていると、でっかい死体はごろりと投げ出される、生首はいくつも天井から下がってくる、そしてちょうちんスカートの可愛いお姫さまは、サロメのように生首にいとおしそうに頬ずりし、その大事な生首の耳をかみちぎった猫の耳を、仕返しにかみちぎっちゃったりするのである。そればかりか、そのお姫さまの愛人は恐ろしい魔物で、お姫さまは角の生えた魔物の膝に乗って、うっとりと、あなたの腕の中で眠る、なんて言うのだ。
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2009/11/27 22:49 編集部 |
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◎娘の物語、母の物語
都留由子
お芝居の中には、人生のある時期に観ると、激しく心を揺さぶられ、強い印象を残すものがある。鴻上尚史が主宰する若い劇団、「虚構の劇団」の『ハッシャ・バイ』は若いうちに観たかった作品であった。初演を観ていないことを、本当に残念に思った。第三舞台による初演は23年前のことである。
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2009/10/09 18:56 編集部 |
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◎置いてきぼりにされたメロドラマ・ジャンキー 観客の場所はどこ?
都留由子
TAGTASプロジェクトの「百年の<大逆>」前編と後編を観た。TAGTASとはトランス・アヴァンギャルド・シアター・アソシエーションの略で、今回筆者が観た「百年の<大逆>」は、円卓会議、リーディング、映画の上映などとともに、その設立公演のひとつ。一週間の間隔を置いて前編と後編が上演された。
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2009/08/14 23:10 編集部 |
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◎鏡に映る苦い自画像 「水洗」の枠を超えて
都留由子
オフ・ブロードウェイよりもっと小さな劇場(フリンジと言うらしい)で大好評を得て、ブロードウェイでの上演に至り、2002年のトニー賞まで取ってしまったというミュージカル「ユーリンタウン」を観た。流山児祥の演出である。
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2009/07/24 17:02 編集部 |
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