東京・五反田のゆうぽうと簡易保険ホールで『シルヴィ・ギエム、コンテンポラリーを踊る』公演が開かれました(11月30日、12月1-2日)。今回は欧米で注目されているラッセル・マリファントが振り付けた3作品「ブロークン・フォール」「トーション」(ねじれの意)「Two」が上演されました。ダンスレビューなどを掲載している「ine’s daypack」サイトはマリファントの振り付けに関して「ゆうぽうとのような大きなホールで、ファン目当ての上気した観客たちを前にやるのとは方向性が違うのではないか。スターを使わずに、シアタートラムくらいの小屋で、落ち着いた雰囲気でやるのがいい」と「上演のあり方にミスマッチ」があるとまず指摘。その理由について次のように述べています。
「マリファントの振付は、ダンサーの身体が細部までクリアに見えてこそ、その素晴らしさが十分に味わえるのではないか、と思えてならないからだ。彼の振付を見ていると、スピード感がじわじわと伝わってくる。ユニークなのは、そのスピード感が物理的速度によって生まれているのではないということ。それは運動の継続性によって与えられるのだ。運動を司っているダンサー自身よりも、身体の部分に生じさせた運動の方が主役になっているように見えた。運動の継続の滑らかさの影で、ダンサーの身体は運動のメディアとして隠れて存在している。運動は時には切断されるのだが、それはダンサーが主体性を発揮する瞬間というよりも、運動の消滅として体験された」
また「No hay banda」サイトは各作品を次のように描写しています。
「最初の『トーション』(ねじれの意)は男2人(マイケル・ナンとウィリアム・トレヴィット)によるもので、ギエムが出ないので「どんなもんかな」と思っていたら、驚くべき作品でした。(中略)2番目の『Two』は照明で区切られた約2メートル四方のなかでギエムがソロで踊ります。(中略)残像効果がある照明によってギエムの動きが重層的に見えるようにする仕掛けもあり、これも素晴らしい作品です。最後の『ブロークンフォール』は『トーション』にギエムが加わったような作品ですが、2+1が5にも6にもなった印象を受けました。『肉体による綾取り』『肉体による立体的万華鏡』とでも呼べばいいのか、とにかく肉体の動きそのものの美しさが満喫できます」
拙ブログ、ご紹介有り難うございました。Web内に散在するレビューをピックアップしてくれるサイトがあるなんて、素敵です。ここからいろいろサイトを知ることが出来て、勉強になりそう。
稲倉さんのブログやWebサイトは以前から拝見していました。今回はタイミングよく紹介することが出来ました。こちらこそ感謝しています。
ダンスや芝居に関する皆さんのページに触れ、多くの人が言葉や身体の表現を感じたり考えたりするきっかけになれたらと思っています。よろしくお願いします。
トーションに感動した。夢のような、不思議な、癒された時間でした。後の二つはつまらなかった。ギエムを始めて見た私は、魅力を感じなかった。しかし、トーションに感動し、この公演をみせてくれたのだから感謝。
すばらしいトーション、ことばなく、ただぼうぜんとしていた。今もその感動は、印象的。心に残るバレーの一つ。いや、最たるものかもしれない。ナンとトレビットに関心を持ち、ロイヤルバレーに興味をもち、観劇するようになった。トーションはすばらしかった。圧倒的に。幸せでした。これに出会い。