青年団「御前会議」(こまばアゴラ、3月17日-30日)公演が「春の団まつり2005」シリーズに組み込まれて開かれました。『ヤルタ会談』『忠臣蔵・OL篇』に続く、平田オリザの会議シリーズ第3弾です。
このWonderlandサイトの常連執筆者だった松本和也さんは4月から独立。自分のwebログサイト「現代演劇ノート~〈観ること〉に向けて」で「御前会議」公演を「政治・形式・紋切型 」のタイトルで取り上げました。「平田オリザの新作『御前会議』は、『もう風も吹かない』にも増して、90年代に培われた平田戯曲の文法(スタイル)に忠実に、しかも体裁としてはよりシンプルに、それでいて会議という場に縦横かつ動的に仕掛けられた関係の網目は複雑に、(当たり前だが)『演劇入門』の作劇法を見事なまでに生かした佳作だったように思う」と切り出しています。
平田作品は初めてという「演劇時評」の中村隆一郎さんは「平田オリザの重層的な問題意識が平明な言葉で語られ、人間が構成している社会というものの本質にも迫る、知的なユーモア漂う傑作と言っていいと思う」とまとめています。その上で、野田秀樹の手法との違いや、昭和天皇の「お言葉」に関する引用など、興味深い考察があります。
「デジログからあなろぐ」サイトは「一見町内会のメンバーと、共通項の無い幾つかの議題、それらは殆どなんの解決案も提示されないままにどんどん先送りにされていく・・・それは何故であろうか? つまり、この会議は、結論を出したくない会議なのである」と指摘。責任の所在が不透明で、むしろ中心が空っぽなのに、人間関係の部分で議論が熱くなる日本的な体質が浮き彫りにされているようです。
青年団『御前会議』
青年団の「御前会議」を見てまいりました。 平田オリザがお送りする会議シリーズ・・・「ヤルタ会談」「忠臣蔵・OL篇」に続く第3弾は、天皇出席のもとに国の重要政策・戦略を決定した会議「御前会議」が公演タイトルにされております。 この作品の前に観た「ヤルタ会談…