OMS戯曲賞、F/T劇評コンペ 、小田島雄志・翻訳戯曲賞の受賞者決まる

 年末は1年の総決算、一区切りの時期。演劇関係でさまざまな賞の発表が相次いでいる。
 まず、フェスティバル/トーキョー11の劇評コンペ 優秀賞が12月1日に発表された。
 優秀賞には、『ザ・ショー・マスト・ゴー・オン』を対象にした夏目深雪さんの「反スペクタクルに踊ろう/踊らなかったりしよう」と、岡崎藝術座『レッドと黒の膨張する半球体』を取り上げた百田知弘さんの「叙情性と論理性の狭間で」が選ばれた。受賞者は、来年のF/T主催・公募全演目に招待される。

 審査委員は、高橋宏幸(演劇批評家)福嶋亮大(文芸評論家)森山直人(演劇批評家)の3氏。11月29日(火)に劇評コンペ講評会が非公開で開かれ、審査結果が発表された。
 夏目深雪さんのワンダーランド掲載劇評は、F/T11のオープニング作「宮澤賢治/夢の島から」を取り上げた「ただ複数の声に耳をすませよ」。
 >> 審査員講評

 関西発信の戯曲賞として知られている第18回OMS戯曲賞受賞作品の公開選評会が12月6日、大阪・ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)で行われ、大賞は林慎一郎さん(極東退屈道場)の「サブウェイ」、佳作は稲田真理さん(伏兵コード)の「幸福論」に決まった。大賞賞金30万円、佳作同10万円。
 同戯曲賞は関西在住、または関西を主たる活躍の場とする劇作家で、募集前年の1月から12月までに書き下ろしのうえ、上演された作品が対象。主催は大阪ガス。扇町ミュージアムスクエア(OMS)の10周年企画として始まった。
 選考委員は、生田萬(劇作家)、佐藤信(劇作家)、鈴江俊郎(劇作家)、松田 正隆(劇作家)、渡辺えり(劇作家)の各氏。
 「サブウェイ」を上演した極東退屈道場公演はワンダーランドのクロスレビュー挑戦編第12回で取り上げた。
 >> 極東退屈道場「サブウェイ」(クロスレビュー挑戦編第12回)

 優れた翻訳戯曲を提供した劇作家や翻訳家に贈られる『第4回小田島雄志・翻訳戯曲賞』の受賞者が12月7日に発表された。受賞したのは、高橋知伽江さん(「秘密はうたう A Song at Twilight」「出番を待ちながら」/いずれも、ノエル・カワード作)と、須藤鈴さん(「ケーキマン」/ロバート・J・メリット作)。
 特別賞に富永由美さん(「悪魔たち」/ラーシュ・ノレーン作)が選ばれた。
 同賞は、シェイクスピア全集など海外戯曲の翻訳で知られる英文学者・演劇評論の小田島雄志さんが個人で選考、決定する。10年間開催予定という。
 贈呈式は、2012年1月16日(月)にあうるすぽっと(東京・池袋)で開かれる。
(了)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください