||| 伸び盛りのカンパニーの上演を
-最後に、何かアピールしたいことはおありですか。
玉山 うちは若手の伸び盛りのカンパニーを探すことに力を入れているので、ぜひ見に来ていただきたいということですね。
-今後のイチオシは。
玉山 次はナカゴーとシンクロ少女がきます。
-ナカゴーは、文筆家などで応援している方もあるようですね。何か、すごーく変ですよね(笑)。
玉山 鎌田順也君はちょっとすごいですよね。いいですよね。
-主宰の方ですね。役者としても異色ですよね。
玉山 ひきこもりの役とか浮浪者の役なんかやると、もうね(笑)。
-どこまで演技? って思いますよね(笑)。ただナカゴーもシンクロ少女も、もう、知る人ぞ知る劇団という気がしますが、まだ誰も名前を知らない秘密の隠し球っていう劇団は。
玉山 よく演劇雑誌の人なんかから聞かれるんです。まだ誰も知らない劇団を教えてくださいとか、誰も知らない俳優を教えてくださいとか。でも、誰も知らない劇団は俺だって知らないよって(笑)。敢えて今、次って名前を挙げるなら、「まごころ18番勝負」ですね。来年の夏、王子デビューします。
-若手ですか。
玉山 この前の公演が第13回ですから、劇団としてのキャリアは結構長い。おとなの劇団です。
-どこでみつけてこられるんですか。
玉山 シアター・バビロンの流れのほとりにてに出ていて、私も全然知らなくて、劇団名からファンタジーかなと思って見に行ったら、密室殺人事件が起こって、探偵が謎を解いていくんですよ。えー!? って。(笑)
その作品も『視えない単子の魔法数』なんてタイトルで。タイトルが『銀雪荘殺人事件』とかじゃないし、ミステリーだということが、タイトルにもチラシにも劇団名にも一切触れられていないんですよ。行かないと何をやってるかわかんないんだもん(笑)。それを見に行って、これはすごいぞって。舞台上で密室殺人事件を解くなんて、商業劇場ではまだちょっとはありますけど、小劇場ではそんなの見たことがなかったので、もう大喜びして。
本格ミステリーとミステリー風味の作品が多いみたいですね。まだそんなに仲良くないので、どこの出身の人かとかは知らないんですけど。
-それは楽しみですね。それでは、今日はいろいろとお話をお聞かせいただいて有難うございました。
(2011年11月28日、王子小劇場にて。聞き手:大泉尚子、都留由子、北嶋孝)
【王子小劇場】
1998年(平成10)7月1日オープン。鉄筋コンクリート造り、地下2フロアぶち抜きの劇場。客席数80~100席。
【略歴】
玉山悟(たまやま・さとる)
1974年岩手県生まれ。98年、王子小劇場設立と同時に劇場代表。2010年10月より、芸術監督就任。
「まごころ18番勝負」のみなさん、迷惑をおかけしました。さっそく22日に、公演のタイトルを訂正しました。ご指摘ありがとうございました。(ワンダーランド編集部)