第19回 劇作家協会新人戯曲賞(主催日本劇作家協会)の公開審査会が15日、東京・高円寺の座・高円寺2で開かれ、「クラッシュ・ワルツ」を書いた刈馬(かるま)カオスさん (愛知県)が受賞した。正賞の時計のほか、副賞賞金は50万円。
「クラッシュ・ワルツ」は交通事故現場の前に住む中年夫婦、5歳の子供を事故で亡くした夫婦、それに車を運転していた加害者の若い女が登場。事故現場に花を供えるのを止めてほしいと中年男性が若い女に言い出すところから、それぞれの人間関係が浮かび上がる作品。最終選考委員の佃典彦さんは「完成度が高く、隣家から聞こえるたどたどしいピアノの音が作品の展開によく合っている」と評価。マキノノゾミさんは「登場人物はだれもが切羽詰まった状態。それを無駄なく描いた。構成がしっかりしている」と推していた。
刈馬さんは1977年生まれ。現在愛知県長久手市在住。劇団「青年団」の俳優を経て現在は劇作活動に専念。ラジオ、テレビ、他劇団へ作品を提供。2011年から愛知淑徳大学非常勤講師を務める。ソロユニット「刈馬演劇設計社」主宰。
今回の応募総数は215本。一次審査で21本が通過。さらに二次選考を経て選出され、当日審査された最終候補作5本は次の通り。
・「獏、降る」服部紘二 (東京都)
・「ト音」春陽漁介 (東京都)
・「クラッシュ・ワルツ」刈馬カオス (愛知県)
・「東京アレルギー」山田百次 (神奈川県)
・「血の家」森馨由 (長崎県)
最終選考委員は川村毅、鴻上尚史、坂手洋二、鈴江俊郎、佃典彦、マキノノゾミ、渡辺えりの7氏。当日の司会は小松幹生さんが務めた。
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