シアターグリーン演劇祭「夏」のラインナップ決まる

 東京・池袋のシアターグリーン小劇場を舞台に開かれるシアターグリーン演劇祭vol.2「 2006 夏」の参加団体や日程が明らかになりました。参加8団体はA、Bのブロックに分かれ、7月7日から9月5日まで2か月間順次公演し … “シアターグリーン演劇祭「夏」のラインナップ決まる” の続きを読む

 東京・池袋のシアターグリーン小劇場を舞台に開かれるシアターグリーン演劇祭vol.2「 2006 夏」の参加団体や日程が明らかになりました。参加8団体はA、Bのブロックに分かれ、7月7日から9月5日まで2か月間順次公演します。劇場関係者のほか、通しチケットをご購入し、ブロック全ての公演をみた観客もアンケートを通じて「シアターグリーン大賞」の選定審査員に加わることが出来ます。

“シアターグリーン演劇祭「夏」のラインナップ決まる” の続きを読む

パラドックス定数「怪人21面相」

 パラドックス定数は「『個人と社会の相克』をテーマに」(同webサイト)骨太の作品を矢継ぎ早に発表してきました。「主宰・野木萌葱の作品を上演活動する組織」と規定しているだけあって、野木作品の構成力が最大の魅力であり、基本 … “パラドックス定数「怪人21面相」” の続きを読む

 パラドックス定数は「『個人と社会の相克』をテーマに」(同webサイト)骨太の作品を矢継ぎ早に発表してきました。「主宰・野木萌葱の作品を上演活動する組織」と規定しているだけあって、野木作品の構成力が最大の魅力であり、基本的にはセリフだけの潔い会話劇が特徴です。今回の第10回公演「怪人21面相」(渋谷space EDGE、5月12日-14日)は、三億円事件」「731」に続く、戦後未解決事件シリーズの集大成と銘打って、劇場型犯罪のはしりとなったグリコ・森永事件を取り上げました。無理筋ともみえるきわどい構成だったのではないかと思いますが、それだけにドラマチックな起伏を折り込んだ迫力は手応え十分でした。

“パラドックス定数「怪人21面相」” の続きを読む

前田司郎さん(五反田団)インタビュー

第5回「インタビューランド」に五反田団の前田司郎さんが登場します。劇作・演出だけでなく、最近は小説でも高い評価を得ている前田さんは、演劇と小説の違いや相互作用、作風の変化などについて語っています。聞き手は、フリーライター / 編集者の梅山景央さんです。>>第5回「インタビューランド」

マッスル「マッスルハウス2」

 格闘技にはトンと関心のない私ですが、「プロレスの台本で岸田戯曲賞をとりたい」と語ったプロレスラーがいるというのでびっくりしました。発言の主マッスル坂井が活躍する「マッスルハウス2」というイベントが5月の連休中に開かれま … “マッスル「マッスルハウス2」” の続きを読む

 格闘技にはトンと関心のない私ですが、「プロレスの台本で岸田戯曲賞をとりたい」と語ったプロレスラーがいるというのでびっくりしました。発言の主マッスル坂井が活躍する「マッスルハウス2」というイベントが5月の連休中に開かれました(5月4日、東京・後楽園ホール)。プロレスはある種の約束事の上に成立する格闘見せ物、という意味で演劇的要素があるかもしれない程度の理解でしたが、マッスルはどうもスケールというか、レベルの違うパフォーマンスのようです。

“マッスル「マッスルハウス2」” の続きを読む

文学座+青年団自主企画交流シリーズ始まる

 新劇の伝統を誇る文学座と、現代口語演劇の先導役として知られる青年団の2劇団による自主交流企画シリーズが10日から始まり、5月末まで計6公演が東京都内の3会場で開かれます。東京の劇場で配布されるチラシ(案内)によると、企 … “文学座+青年団自主企画交流シリーズ始まる” の続きを読む

 新劇の伝統を誇る文学座と、現代口語演劇の先導役として知られる青年団の2劇団による自主交流企画シリーズが10日から始まり、5月末まで計6公演が東京都内の3会場で開かれます。東京の劇場で配布されるチラシ(案内)によると、企画の狙いは両劇団の「若手育成」と「観客にそれぞれの劇団を知ってもらう機会をつくる」ことにあったそうです。
 シリーズ第1弾は、デビッド・ストーリー作「チェンジングルーム」です(こまばアゴラ劇場、5月10日-14日)。

“文学座+青年団自主企画交流シリーズ始まる” の続きを読む

山の手事情社EXTRA企画「ひかりごけ」

 武田泰淳の原作「ひかりごけ」による公演が山の手事情社EXTRA企画として開かれました(4月22日-23日、29日-30日)。原作は戦時中、船団に参加、難破した船乗りたちの話ですが、今回演じたのは山の手事情社の倉品淳子と … “山の手事情社EXTRA企画「ひかりごけ」” の続きを読む

 武田泰淳の原作「ひかりごけ」による公演が山の手事情社EXTRA企画として開かれました(4月22日-23日、29日-30日)。原作は戦時中、船団に参加、難破した船乗りたちの話ですが、今回演じたのは山の手事情社の倉品淳子と一般のワークショップに参加した60歳を超える3人の女性。会場となった東京・目黒の無月(元 ルナ・ディ・ルナ)はバー・レストラン(居酒屋?)で、その大きなテーブル上が舞台というのも興味深い趣向です。

“山の手事情社EXTRA企画「ひかりごけ」” の続きを読む

tpt「皆に伝えよ!ソイレントグリーンは人肉だと」(ルネ・ポレシュ作・演出)

 海外から演出家がやってきて、日本人俳優を起用して斬新なスタイルの舞台をみせてくれることが多くなりました。入れ替わり異なった演技・演劇観にさらされる俳優は、なかなか大変ではないでしょうか。ドイツの劇作家・演出家ルネ・ポレ … “tpt「皆に伝えよ!ソイレントグリーンは人肉だと」(ルネ・ポレシュ作・演出)” の続きを読む

 海外から演出家がやってきて、日本人俳優を起用して斬新なスタイルの舞台をみせてくれることが多くなりました。入れ替わり異なった演技・演劇観にさらされる俳優は、なかなか大変ではないでしょうか。ドイツの劇作家・演出家ルネ・ポレシュが自作を演出したtpt公演「皆に伝えよ!ソイレントグリーンは人肉だと」をみて、そんなことをあらためて考えさせられました(ベニサン・ピット、3月29日-4月16日)。

“tpt「皆に伝えよ!ソイレントグリーンは人肉だと」(ルネ・ポレシュ作・演出)” の続きを読む

劇団イディオ・サヴァン「馴れあう観客」

 劇団idiot savant 公演 「馴れあう観客」が新宿・タイニイアリスで開かれました(4月7日-9日)。作・演出の恒十絲さんと俳優の朱尾尚生さんにインタビューしたのに、日程のやりくりが出来ず肝心の舞台を見逃してしま … “劇団イディオ・サヴァン「馴れあう観客」” の続きを読む

 劇団idiot savant 公演 「馴れあう観客」が新宿・タイニイアリスで開かれました(4月7日-9日)。作・演出の恒十絲さんと俳優の朱尾尚生さんにインタビューしたのに、日程のやりくりが出来ず肝心の舞台を見逃してしまいました。残念でしたが、ネット上でレビューを読むことが出来たので、そのいくつかを紹介します。

“劇団イディオ・サヴァン「馴れあう観客」” の続きを読む

風琴工房「砂漠の音階」

 風琴工房の「砂漠の音階」公演が東京・下北沢のザ・スズナリで開かれました(4月5日-12日)。昨年の「機械と音楽」公演(2005年3月)は「革命後のロシアで『新しい社会・新しい芸術』に挑み続けたアヴァンギャルドの建築家に … “風琴工房「砂漠の音階」” の続きを読む

 風琴工房の「砂漠の音階」公演が東京・下北沢のザ・スズナリで開かれました(4月5日-12日)。昨年の「機械と音楽」公演(2005年3月)は「革命後のロシアで『新しい社会・新しい芸術』に挑み続けたアヴァンギャルドの建築家にスポットを当てた」作品だったそうです。その過程で「政治がもたらした社会と個人のあいだの軋轢ではなく、革命という青春の時代を生きた芸術家たちの原初的な魅力に満ちたその創造の物語」に胸打たれ、作者の詩森ろばさんは「芸術の持つ、ゼロからなにかを生み出すエネルギー」が「やはりたったひとつの逞しい希望であることをわたしは身を持って知った」(企画書より「機械から砂漠、音楽から音階へ」)と言います。これが最新作のモチーフなのでしょう。例えば、次のような受け止め方に、舞台の手応えが表れているのかもしれません。

“風琴工房「砂漠の音階」” の続きを読む

ドイツ座「エミーリア・ガロッティ」

 ドイツ座「エミーリア・ガロッティ」公演は、演出・演技、舞台装置・美術、照明、音楽などが溶け合って見事な舞台空間を造形しました。封建的な貞節観念と父性の相克、王侯貴族と興隆する市民階級の軋轢を扱った歴史劇は、男女の愛憎が … “ドイツ座「エミーリア・ガロッティ」” の続きを読む

 ドイツ座「エミーリア・ガロッティ」公演は、演出・演技、舞台装置・美術、照明、音楽などが溶け合って見事な舞台空間を造形しました。封建的な貞節観念と父性の相克、王侯貴族と興隆する市民階級の軋轢を扱った歴史劇は、男女の愛憎が絡み合う光と影の現代ドラマに姿を変え、私たちの胸をかきむしります。「堪能」という表現がぴったりの、味わい深い舞台でした(彩の国さいたま芸術劇場、3月19日-21日)。

“ドイツ座「エミーリア・ガロッティ」” の続きを読む