八幡東区役所×のこされ劇場≡「鐵いろの狂詩曲(ラプソディ)」

◎八幡の街と人を寿ぐ
  廣澤梓

「鐵いろの狂詩曲」公演チラシ
「鐵いろの狂詩曲」公演チラシ

 隙あらば、何かやってやろうと機会を伺って、無邪気に企み顔の俳優たち。平均年齢は70歳を超える。

 よく晴れた空の下、会場である八幡市民会館前の駐車場で、車の誘導をしていた人も、それくらいの年齢だった。どちらにおいでですか、と声をかけられ、劇を見にこちらへ、と市民会館を指差すと、男性はすこし意外に思ったようだった。会場の大ホールに行くには階段を上る必要があった。古い施設のため、エレベーターはない。開演前には手すりにつかまり、スタッフに支えられながら一歩一歩歩みを進めるお年寄りの姿を目にした。そして、大ホールに入るとそこに集う人々のほとんども高齢者なのであった。
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TPAM in Yokohama 2013

◎TPAMエクスチェンジ「地域演劇」グループミーティングレポート
  廣澤 梓

 TPAMが開催地を東京から横浜に移して3年目の今年。それは名称を「東京芸術見本市」(Market)から「国際舞台芸術ミーティング」(Meeting)に変更して3年ということでもある。
 提携事業としてON-PAM(舞台芸術制作者オープンネットワーク)の設立イベントが行われたこともあり、2013年のTPAMは舞台制作者のネットワーク作りの場という性格をより打ち出そうとしていたのではないか。
 ネットワーキング・プログラムの一環として開催されたTPAMエクスチェンジは、青年団・こまばアゴラ劇場の制作であり、ON-PAMの発起人のひとりでもある野村政之さんがファシリテーターを務めた。
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イチゲキ活動報告

◎イチゲキ-観客による演劇の「語り場」構想
  廣澤 梓

 イチゲキは2010年の11月に「ひとりの会」(=ひとり観劇者の会)として、劇場にひとりで演劇を見に来た者どうしがTwitterを通じて知り合い、実際に会って話をするということを想定して始まった。私が演劇を定期的に見るようになって5年。開演前には黙々とチラシの束を見て過ごし、芝居が終わればさっとその場を後にする。劇場でそんなことを繰り返すことにも飽きてきたその頃、目に付くようになったのは、自分と同じようにひとりで来ている観客の存在だった。この人たちは一体何者なのか、よく劇場に来るのか、普段どういった公演を見ているのか。同じ観客として、彼らがどのように演劇と関わっているのかに興味を持った。隣にいる彼らと話をしてみたい―そんな個人的な思いからひとりで始めたイチゲキは現在5人で運営を行っている。本稿ではこのイチゲキの活動について紹介していきたい。
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