「化粧 二幕」

◎舞台こそが化粧
金塚さくら

「化粧 二幕」公演チラシ埃だらけで薄汚れた楽屋の、そこだけが聖域か何かのように白い布で覆われている。ちゃぶ台より少し大きいくらいの、平机。起き上がった女座長は威勢よく座員に檄を飛ばし、かと思うとぶつぶつ何やらひとりごちる。夏の夕暮れ、あと一時間もしないうちに舞台の幕が開く。

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