「千種セレクション」報告(前編)

◎充実したワークショップやディスカッション
カトリヒデトシ

「千種セレクション」公演チラシ昨年から、時折名古屋や三重、関西方面へ芝居を見に行くようになった。
今回は名古屋で1月から2月にかけて行われた、千種文化小劇場の自主企画「千種セレクション」に通った。その報告をしたい。
「千種セレクション」を企画した、千種文化小劇場は「ちくさ座」という全国的に見ても特筆すべきすばらしい円形劇場をもつ施設である。251席という適度なキャパシティで、駐車場や練習室もある。八角形の舞台面の周りに最大9面の客席が設置可能で、各ブロック5段の固定の客席が組まれている。高低差があるため、実に見やすい環境である。

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3人が語る「2010年3月はコレがお薦め!」

「エーブルアート・オンステージ コラボ・シアター・フェスティバル2010」チラシ★カトリヒデトシさんのお薦め
ろりえ「恋2」(王子小劇場、3月3日-7日、一心寺シアター倶楽、3月13日-14日)
qui-co.キコ「はなよめのまち」(王子小劇場、3月25日-29日)
三匹の犬「現実はきびしく私たちは若いけれど要求は唐突で思い切るという手もあるかもしれない」(pit北/区域、3月25日-29日)
★鈴木励滋さんのお薦め
・「エーブルアート・オンステージ コラボ・シアター・フェスティバル2010」Bプロ「≒-にあいこーるのじじょう」(アサヒ・アートスクエア、3月18日・19日)
・「東野祥子solo dance VACUM ZONE」(シアタートラム、3月5日~7日)
時間堂「月並みなはなし」(座・高円寺、3月11日~14日)
★徳永京子さんのお薦め
・「老人ホームREMIX#1 野村誠のポストワークショップ」(BankArt Studio NYK、3月14日)
・「FABIEN PRIOVILLE」(彩の国さいたま芸術劇場3月18日)
726「太宰治 走れメロス」(下北沢OFF・OFFシアター、3月18日~23日)

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3人が語る「2010年2月はコレがお薦め!」

【3人共通のお勧め】

「わたしたちは無傷な別人であるのか?」
チェルフィッチュ公演チラシ

チェルフィッチュ「わたしたちは無傷な別人であるのか?」(横浜STスポット2月14日-26日、横浜美術館3月1日-10日)
★カトリヒデトシさん
monophonic orchestra「センチメンタリ」(2月5日-11日、横浜STスポット)
谷賢一単独企画公演「幸せの歌をうたう犬ども」(2月2日-4日、新宿タイニイアリス)
ニットキャップシアター「踊るワン‐パラグラフ2010」(2月18日-21日、ザ・スズナリ)
★鈴木励滋さん
岡崎藝術座リズム三兄妹」(再演) (2月 27日- 3月 2日、横浜のげシャーレ )
モモンガ・コンプレックス「ウォールフラワーズ。」(2月11日-14日、キラリ☆ふじみ)
We dance (2月13日-14日、横浜市開港記念会館)
★徳永京子さん
モダンスイマーズ「凡骨タウン」(2月5日-21日、東京芸術劇場 小ホール1)
E-Pin企画10周年記念公演+城山羊の会「イーピン光線」(2月9日-14日、下北沢駅前劇場)
・池田扶美代+アラン・プラテル+ベンヤミン・ヴォルドンク「ナイン・フィンガー Nine Finger」(2月6日-7日、彩の国さいたま芸術劇場 大ホール)

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3人で語る「2010年1月はコレがお薦め!」

今回からの新企画として、カトリヒデトシさん、鈴木励滋さん、徳永京子さんの3人に、来月のお薦めの3本を語り合っていただきます。それぞれの好きなジャンルや傾向がクロスオーバーすることで、連鎖反応的にさまざまな作品への興味が誘発されればという趣向。まずは2010年の1月の舞台について。

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KUNIO06「エンジェルス・イン・アメリカ-第1部 至福千年紀が近づく」

◎小劇場に「世界」立ち上がらせた杉原演出
カトリヒデトシ

「エンジェルス・イン・アメリカ-第1部 至福千年紀が近づく」公演チラシ3時間50分、第3幕、ラスト。
寝台上で瀕死のプライアー(田中佑弥)が天上からの「何か」の訪れにおびえる。ベッドも部屋も軋み始める。
教会を批判し、性の解放をうたうオルフのカルミナ・ブラーナ第24曲「アヴェ」、第25曲「おお、運命の女神よ」という荘重な音楽が大音量でながれる。

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東京デスロック「演劇LOVE2009~愛のハネムーン~」

◎コミュニティの誕生、成熟、崩壊、再生へ 編み直す演出で成長する作品
 カトリヒデトシ

 現在、演出に専念している多田淳之介の最後のオリジナル作である「LOVE」の再演を見た。
 今作は「演劇LOVE2009~愛のハネムーン~」というツアー。1月の韓国公演を皮切りに、6月に埼玉県富士見市のキラリ☆ふじみでプレビューの後、桜美林大学(神奈川)、青森、7月に神戸、そして来年2月に鳥取と各地で公演していく。再演に全く関心のなかった多田が初めて取り組む再演ものにして、初の国内巡業作品である。

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演劇博覧会「カラフル3」観戦記(下)

◎「地域演劇祭」の原型に 地元劇団の奮起に期待
 カトリヒデトシ

 長久手町でのセカンドステージは1st選抜5団体と、各地で推薦されたカンパニーである「全国地域推薦」6団体、「主催者推薦」5団体、計16団体が参加した。地域の推薦は各地の表現に精通する団体が行った(注1)。
 5月2日(土)~4日(月)に「森のホール」(最大客席数819)と「風のホール」(最大客席数300)とで開催された。

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演劇博覧会「カラフル3」観戦記(上)

◎「これからの演劇界」を考える機会に 全国から25カンパニーが結集
 カトリヒデトシ

 名古屋で開催された、国内最大規模の小劇場の博覧会に行ってきた。「演劇8耐」と銘打つだけに、1時間の舞台を1日で8ステージ見るという、修行のような企画である。
 またそれを全部見る酔狂を敢行。のべ4日間、30本を鑑賞した。なるべくいろんな劇団を見たいと思っている人間には格好のイベントであった。
 しかし、今回の名古屋行きは、「演劇のショーケースとはなにか」、「東京外、地域での演劇の活動」、「地域小劇場の今後」など、きわめて「これからの演劇界」での課題を実感させ、考えさせてくれる機会となった。

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toi 「四色の色鉛筆があれば」(「ネクスト・ジェネレーションvol.1」)

◎先鋭なセンスと計算された構成力 練度の高い舞台作品を生む
香取英敏

「四色の色鉛筆があれば」公演チラシ。デザイン/セキコウ 今回の「四色の色鉛筆があれば」は四つの短編集である。上演順に「あゆみ」「ハイパーリンくん」「反復かつ連続」「純粋記憶再生装置」の4作であった。
20分程度の短編オムニバスである。それぞれのエピソードは物語の上での関連はない。テーマも設定も人物もそれぞれ独立したものである。

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世田谷パブリックシアター「友達」(作:安部公房、演出:岡田利規)

◎鼎談 不条理劇、岡田演出、個性派俳優のブレンドの味
芦沢みどり、香取英敏、水牛健太郎

「友達」公演チラシ世田谷・シアタートラムで開かれた「友達」公演(2008年11月11日-24日)は、芝居好きの間で事前にかなり話題になりました。安部公房の代表的な戯曲を、チェルフィッチュ主宰の岡田利規が演出するうえ、小林十市、麿赤兒、若松武史、木野花、今井朋彦ら人気、実力、個性の際だった俳優が登場するからです。不条理劇と岡田演出と個性派俳優陣との組み合わせが注目されたのでしょう。その結果はどうだったのか、ワンダーランドの寄稿者3人が舞台をさまざまな角度から検証しました。(編集部)

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