文学座アトリエの会 『TERRA NOVA』

 文学座のアトリエ公演として、『羊たちの沈黙』でアカデミー賞脚本賞を受賞したテッド・タリーによる戯曲『TERRA NOVA』が、座内の新鋭、高橋正徳の演出で上演されている。外部作家への執筆依頼など、「新劇」という枠内で実 … “文学座アトリエの会 『TERRA NOVA』” の続きを読む

 文学座のアトリエ公演として、『羊たちの沈黙』でアカデミー賞脚本賞を受賞したテッド・タリーによる戯曲『TERRA NOVA』が、座内の新鋭、高橋正徳の演出で上演されている。外部作家への執筆依頼など、「新劇」という枠内で実験的な試みを展開するアトリエの会だが、今回は劇団内での演出プランコンペで選ばれたという企画。26歳の若手演出家と経験豊富な俳優陣という顔合せが、すでに話題を呼んでいた。

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ペピン結構設計「ポエムの獣」

◎上質で味わいのある芝居 謎を問いかける仕掛けも
  北嶋 孝

 ペピン結構設計「ポエムの獣」公演を8月19日、横浜・馬車道のBankArt1929で見ることができた。期待したとおり、上質で味わいのある芝居だった。いまどきこれほど演劇的な台本にお目にかかるのは珍しい。役者もしっかり役に馴染んでいて、明治時代に建てられた旧銀行支店という特殊な空間を生かした舞台美術の仕上がりとともに、作者・劇団の才能がうかがえるステージだった。

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毬谷友子 語り芝居「宮城野」

父矢代静一の「宮城野」を取り上げた毬谷友子の語り芝居が8月4日から6日まで、東京オペラシティー内の近江楽堂で開かれました。後藤隆基さんから、力のこもった劇評が寄せられました。近江楽堂のWebサイトによると、演出は佐藤信。 … “毬谷友子 語り芝居「宮城野」” の続きを読む

父矢代静一の「宮城野」を取り上げた毬谷友子の語り芝居が8月4日から6日まで、東京オペラシティー内の近江楽堂で開かれました。後藤隆基さんから、力のこもった劇評が寄せられました。近江楽堂のWebサイトによると、演出は佐藤信。大鷹明良が共演しています。

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燐光群「だるまさんがころんだ」

燐光群「だるまさんがころんだ」公演は、「私たちの戦争」とともに、多くの反響を呼びました。2つの東京公演は7月15日から8月4日で終わり、その後8月末まで各地で開かれています。 こまつ座公演の評をいただいた後藤隆基さんから … “燐光群「だるまさんがころんだ」” の続きを読む

燐光群「だるまさんがころんだ」公演は、「私たちの戦争」とともに、多くの反響を呼びました。2つの東京公演は7月15日から8月4日で終わり、その後8月末まで各地で開かれています。
こまつ座公演の評をいただいた後藤隆基さんから、「だるまさんがころんだ」のレビューが届きました。坂手洋二(「燐光群」作・演出)の発信方向を見定めようとしているように思われます。

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毬谷友子 語り芝居 『宮城野』

 その声は忍びやかに空間を支配する。無邪気な妖艶が切れ長の瞳と毒をも含んだ唇から漏れ出る。吐息が言葉を生み、息が命から生まれる。言葉の火が「演劇」を照らす標であるならば、劇場という暗がりに点された灯は毬谷友子その人である … “毬谷友子 語り芝居 『宮城野』” の続きを読む

 その声は忍びやかに空間を支配する。無邪気な妖艶が切れ長の瞳と毒をも含んだ唇から漏れ出る。吐息が言葉を生み、息が命から生まれる。言葉の火が「演劇」を照らす標であるならば、劇場という暗がりに点された灯は毬谷友子その人である。

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燐光群 『だるまさんがころんだ』

創作という冒険の道行   坂手洋二という才能は常に歩いている。「現実」の道を踏み外すことなく、自身が現代を生きている、極めて強い自覚を肌身離さずに歩いている。彼は自己模倣を嫌悪する。予定調和を拒否する。貪欲に演劇表現を追 … “燐光群 『だるまさんがころんだ』” の続きを読む

創作という冒険の道行 

 坂手洋二という才能は常に歩いている。「現実」の道を踏み外すことなく、自身が現代を生きている、極めて強い自覚を肌身離さずに歩いている。彼は自己模倣を嫌悪する。予定調和を拒否する。貪欲に演劇表現を追求し、常に現行の「坂手洋二」で在り続けようとする姿勢は、作品においても、その創作過程においても貫かれている。

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こまつ座「父と暮せば」

力作をいただきました。こまつ座第73回公演「父と暮せば」です。 執筆した後藤隆基さんは「『演劇って何だろう』という素朴な疑問を、一つの舞台がどのように構成されているか、主に「聴く芝居」という観点から考えています」という大 … “こまつ座「父と暮せば」” の続きを読む

力作をいただきました。こまつ座第73回公演「父と暮せば」です。
執筆した後藤隆基さんは「『演劇って何だろう』という素朴な疑問を、一つの舞台がどのように構成されているか、主に「聴く芝居」という観点から考えています」という大学院生。これから内容の濃い原稿が次々に登場します。
今回の記事は内容を考えればもっと早く掲載すべきでした。編集サイドの怠慢です。ご容赦ください。

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ランニングシアターダッシュ「POOL」

 大阪の劇団ランニングシアターダッシュの「POOL」公演が愛知県・長久手文化の家で開かれました(8月6日)。「名古屋の小演劇インプレッション」サイトで「しおこんぶ」さんが取り上げ「終演後、拍手がなかなかやまずなかった、小 … “ランニングシアターダッシュ「POOL」” の続きを読む

 大阪の劇団ランニングシアターダッシュの「POOL」公演が愛知県・長久手文化の家で開かれました(8月6日)。「名古屋の小演劇インプレッション」サイトで「しおこんぶ」さんが取り上げ「終演後、拍手がなかなかやまずなかった、小演劇でカーテンコールが起こったのは初めてだったが納得できる内容だった」と絶賛しています。7月の東京公演は賛否が入り乱れましたが、それだけインパクトが強いということでしょうか。

The Godfather ゴッドファーザー デジタル・リマスター版

◎洗礼式のバッハ「パッサカリア」とコルレオーネ・サーガ、及びいくつかの所感     まだ赤ん坊だったソフィア・コッポラが出演していることで知られる洗礼式の場面は、新しくコルレオーネ・ファミリーのドンを襲名したマイケル(ア … “The Godfather ゴッドファーザー デジタル・リマスター版” の続きを読む

◎洗礼式のバッハ「パッサカリア」とコルレオーネ・サーガ、及びいくつかの所感 
 
 まだ赤ん坊だったソフィア・コッポラが出演していることで知られる洗礼式の場面は、新しくコルレオーネ・ファミリーのドンを襲名したマイケル(アル・パチーノ)が甥の名づけ親として参列する中、教会でおごそかに進んでいく。その一方でマイケルの放った刺客たちが、各地を仕切る有力者らを次々暗殺していくシークエンスも交互に映し出される。ここは洗礼を進める牧師と銃を整える刺客、宣誓するマイケルと機をうかがう刺客、違う場所で汗をぬぐうそれぞれの刺客というように、粛々と進行する二つの儀式が、画面で重なりあいながら緊張が高まっていく、映画後半の山場だ。

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REAL TOKYOに寄稿したレビュー

 文字数は250。半角カナなら倍に増やせるかと血迷ったが、往生際が悪いと思い直し、いざ始めてみるとそれは一筆描きのようで楽しい作業だった。 

 文字数は250。半角カナなら倍に増やせるかと血迷ったが、往生際が悪いと思い直し、いざ始めてみるとそれは一筆描きのようで楽しい作業だった。 

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