劇団フライングステージ「Tea for two~二人でお茶を」

◎みる人の心を和らげ、温かく包む優しさ
因幡屋きよ子(因幡屋通信発行人)

「Tea for two~二人でお茶を」公演チラシ劇団フライングステージの舞台を初めてみたのは、2005年夏の『Four seasons~四季~』であった。大家はじめゲイばかりが暮らすアパートの住人たちの悲喜こもごもを描いたもので、温かさと安定感のある楽しい舞台だった。以来ほぼ毎回足を運んでいるが、では自分はこのカンパニーのファン、あるいは支援者になったのかというと、実はそこまできっぱり言い切れない。

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劇団鹿殺し「2008改訂版・百千万」

◎新鮮な風は勢いがあって冷たい 破壊力抜群の再演舞台
小畑明日香

「2008改訂版・百千万」公演チラシ西日本福井県の、原発事故を一応下敷きにしている。一応、だ。だって鹿殺しだから。
前回見た『SALOMEEEEEEE!!!』でも強く感じたことだが鹿殺しの話は神話っぽい。
日本の戦後とギリシャ悲劇がちゃんぽんになった世界観で、登場人物の名前も手伝ってどことなく寓話っぽい。

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MU「愛の続き/その他短編」

◎気になるセリフが突き刺さる 信じている言葉本来の魔法
木俣冬(文筆自由労働者)

「愛の続き/その他短編」公演チラシ他者と話している時、なにげない瞬間にふと漏らした一言こそが大事だったりする。ハセガワアユム氏が意識的なのかたまたまなのかはわからないが、2本の短編で、気になるセリフが一言ずつあった。
「苦ぇ…」と「喪服みたいですね」。
その瞬間、物語ははじまった。(あくまで私の中でだけど。)

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