劇団青年座〈マキノノゾミ三部作〉(「フユヒコ」「赤シャツ」「MOTHER」)

◎連続上演企画にかける劇団の気概と思い入れ
  後藤隆基

青年座〈マキノノゾミ三部作〉公演チラシある演劇人の名前がアチラコチラで目につく年がある。その意味で2008年は、じつにマキノノゾミの一年だった、といっても過言ではないだろう。

年の瀬の常と顧みれば、まず4月に沢田研二の音楽劇シリーズ「ぼんち」(わかぎゑふ作)を演出。8月にはM.O.P.に新作「阿片と拳銃」を書き下ろし、同時に劇団を2011年をもって解散する〈ファイナル・カウントダウン〉を発表した。が、当の本人たちはいたって力の抜けた気構えぬ発言を各誌に寄せており、この劇団をよくあらわしているようにみえた。

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テレビで見る演劇(~9月末)

 9月も注目作が次々と放映されます。「ファウストの悲劇」は、シェイクスピアと同時代のクリストファー・マーロウの戯曲を蜷川幸雄が演出、主役のファウストは野村萬歳が演じました。青年座「フユヒコ」、文学座「麦の穂の揺れる穂先に … “テレビで見る演劇(~9月末)” の続きを読む

 9月も注目作が次々と放映されます。「ファウストの悲劇」は、シェイクスピアと同時代のクリストファー・マーロウの戯曲を蜷川幸雄が演出、主役のファウストは野村萬歳が演じました。青年座「フユヒコ」、文学座「麦の穂の揺れる穂先に」と新劇二劇団の作品も。「麦の穂の揺れる穂先に」は小津安次郎的な父と娘の物語。平田オリザの書き下ろしを、93歳の戌井市郎が演出したことでも話題を呼びました。「青春舞台2010・全国高等学校演劇最優秀校・東京公演」には、ゲストとして劇作家・演出家の江本純子(毛皮族・劇団、江本純子)と大塚ムネト(ギンギラ太陽’S)が招かれ、演劇を語ります。WOWOWでは、NODA・MAP番外公演「表に出ろいっ!」の制作プロセスを追ったドキュメンタリー「中村勘三郎×野田秀樹 芝居の遺伝子」が。NODA・MAPといえば、6月~8月に上演された「ザ・キャラクター」も早速の放映です。
(場合により、番組内容、放送日時などが変更になることがあります。また、地上波デジタル放送の番組表は関東地区のもので、地域により一部番組が異なります)

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