「初日レビュー2010」10月はハイリンド×サスペンデッズとコマツ企画

 9月から始まった新企画「初日レビュー2010」、三回目は14日に下北沢「劇」小劇場で初日を迎えるハイリンド×サスペンデッズ「グロリア」です。サスペンデッズの主宰早船聡さんの作・演出で太平洋戦争時の風船爆弾を巡る物語が展開します。15日、ワンダーランドのウエブサイトをチェック! 初日公演をレビュアーが星5つ満点の採点付きで評価します。お楽しみに!
 さらに四回目として、今月23日に同じく下北沢OFF・OFFシアターで初日を迎えるコマツ企画「どうじょう」を取り上げます。小松美睦瑠さん主宰で定評を得つつある劇団です。どうぞご期待ください。(ワンダーランド編集長 水牛健太郎)

サイトを全面リニューアル

 ワンダーランドサイトが新しくなりました。サーバーを移転し、ブログソフトを変え、デザインも変わりました。2005年11月以来5年ぶりの全面リニューアルです。

 構成や形式はほぼ従来通りですが、もっとも変わったのは、執筆者一覧が50音順になったことでしょう。従来の登場順は分かりにくいという不評だったのでだいぶ整理されたはずです。また初日レビューや連載企画をカテゴリーとして独立させました。左メニューの該当項目をクリックすると、一覧表示されるはずです。

 内部の記事やリンクなどで不備があるかもしれません。どしどしご指摘ください。できるだけ速やかに対応します。

2010年10月12日
小劇場レビューマガジン ワンダーランド
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MU×ミナモザ×鵺的「視点 vol.1 Re:TRANS」

◎見ごたえあった短編コンペ
 水牛健太郎

「視点 vol.1 Re:TRANS」公演チラシ
「視点 vol.1 Re:TRANS」公演チラシ

 短編をいくつかの劇団が持ちより、コンペ形式で上演するという、MU主宰のハセガワアユムによる企画の第一回目。今回参加した三劇団(MUのほかに、高木登主宰の鵺的、瀬戸山美咲主宰のミナモザ)は、カトリヒデトシ氏の三分類に言うところの「を」派(完成したテキストを元に上演する、ほぼ戯曲=作家中心主義と言ってよい形態)に属する劇団で、主宰が作・演出を兼ね、出演はしないという共通点がある。だから、主宰がまずは戯曲の完成度を高め、しかるのちに演出で自分の中にある像を実現しようと努める…という作業工程が見えやすく、また各俳優の仕事も、「役」というものを基準にそれをいかに表現したかという形で捕らえやすい。
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「初日レビュー2010」第3回はハイリンド×サスペンデッズ「グロリア」

 9月から始まった新企画「初日レビュー2010」、三回目は10月14日に下北沢「劇」小劇場で初日を迎えるハイリンド×サスペンデッズ「グロリア」です。
 サスペンデッズの主宰早船聡さんの作・演出で太平洋戦争時の風船爆弾を巡る物語が展開します。
 初日レビューは公演初日を3人以上のレビュアーが星5つ満点の採点付きで評価します。「グロリア」のレビューは翌15日中にワンダーランドのサイトに掲載されます。お楽しみに!(ワンダーランド編集長 水牛健太郎)

「砂と兵隊」合評の参加者を募集

 劇評を書くセミナー(こまばアゴラ劇場コース)後期はトークセッション(第1回)平田オリザ同劇場芸術監督のレクチャー(第2回)を終え、いよいよ劇評の合評シリーズに入ります。次回第3回は10月16日午後2時から。取り上げるのは青年団公演「砂と兵隊」です。原稿の字数は2000字から4000字。書き上げてみて、合評の場に挑んでみませんか。講師は、演劇ジャーナリストの徳永京子さんです。
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劇団山の手事情社「オイディプス王」「タイタス・アンドロニカス」

◎「暴力」と「言葉」
  柴田隆子

「オイディプス王」「タイタス・アンドロニカス」公演チラシ
「オイディプス王」「タイタス・アンドロニカス」公演チラシ

 シビウ国際演劇祭(ルーマニア)「凱旋二本立て公演」と銘打った劇団山の手事情社「オイディプス王」「タイタス・アンドロニカス」が9月、アサヒ・アートスクエアで上演された。それ以前のバージョンとして、1999年の「印象 タイタス・アンドロニカス」と2002年の「オイディプス@Tokyo」があるが、今回の舞台はより「暴力」を様式化し、構成においても「物語」と「日常」の対比を明確にしていた。韻文によって書かれた原作は、その文体のリズムや様式性が物語の出来事からの距離を生み出しているが、山の手事情社は独自の演技メソッドである「四畳半」を用いて同様の効果を舞台にもたらしている。アシンメトリーで非日常的な動きとポーズをとっての発話は、我々の日常的空間との差異を浮彫りにし、舞台の重層的な空間構成を観客の感覚に描き出すのである。
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劇団ユニークポイント「通りゃんせ」

◎日韓の交流は「また」と続く
 中尾祐子

「通りゃんせ」公演チラシ
「通りゃんせ」公演チラシ

 5年に及ぶ日韓の演劇交流の集大成となる舞台とあって、未来への希望を託すような前向きな仕上がりとなった。日本人女性と韓国人男性の結婚をめぐる騒動を、在日韓国人を含めた日韓の俳優22人で描き出した群像劇だ。日本の劇団ユニークポイントと韓国の清州市民劇場の共同制作で実現した。
 劇団ユニークポイントは1999年に結成。2005年に韓国のソウルと清州で公演をおこない、これをきっかけに交流が始まったという。昨年は植民地時代をテーマにした『雨の一瞬前』を両国で上演するに至った。

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【レクチャー三昧】芸術の秋(2010年10月)

 10月末に開幕するフェスティバル/トーキョー10を目前に体力を温存しておきたいと思っても、どっこい今年の秋もレクチャーは既に豊作です。まあ涼しくなりましたし、何とかやりくりしてがんばりましょう(観る側も)。(高橋楓)
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