KYOTO EXPERIMENT2013「使えるプログラム」

◎「劇は使える」という限定解除 ―『2013使えるプログラム記録集』から
 柳沢望

【表紙写真=©Satoshi Nishizawa 提供=使えるプログラム】
【表紙写真=©Satoshi Nishizawa 提供=使えるプログラム】

 国内でフェスティバル/トーキョーに次ぐ規模とも言われている京都国際舞台芸術祭(KYOTO EXPERIMENT)だが、そのフリンジ企画として、昨年に引き続き、「使えるプログラム」が今年も実施される(注1)。
 そのプログラムディレクターは「けのび」と名乗るグループの活動を積み重ねて来た実績はあるものの、まだ作家として評価が定まっていたとは言えない羽鳥嘉郎だ。むしろ、この20代の若手作家の評価は、KYOTO EXPERIMENTによる起用によって方向付けられたと言うべきかもしれない。その判断には、舞台芸術の未来に向けて舞台をめぐる状況を更新し続けるべきだという認識があっただろう。

(注1)「表象文化論学会ニューズレター〈REPRE〉20」の江口 正登「『使えるプログラム』のこと―『インストラクション』としての上演」参照。
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連載「もう一度見たい舞台」第7回 坂東玉三郎「鷺娘」

◎美しさの極み、至福の時
堀越謙三(ユーロスペース代表)

もう一度見たい舞台7回program0a
『書かれた顔』プログラム表紙

 国内の若い監督やヨーロッパの監督と、これまで25本ぐらいの映画を製作してきたけど、ダニエル・シュミット監督(1941-2006)のドキュメンタリー映画『書かれた顔』がいちばん印象深いかな。板東玉三郎が主演だしね。と言っても、普通のドキュメンタリーじゃない。玉三郎の舞台も撮ってるけど、武原はんや舞踏の大野一雄の映像、それに杉村春子のインタビューも入ってる。玉三郎をめぐる男二人のさや当てみたいなフィクションもあって、不思議な映画、シュミットならではの映像になったと思う。
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劇評を書くセミナー KYOTO EXPERIMENT 2014編

ワンダーランド(小劇場レビューマガジン)は、113日(月・祝)に「劇評を書くセミナー KYOTO EXPERIMENT 2014 編」を開きます。参加者はKYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2014で上演される舞台(フリンジなど関連企画を含みます)を見て劇評を書き事前に提出、講評を受けながら話し合います。講師には実行委員長の森山直人さんをお迎えします。劇評執筆なしの聴講も可能です。→終了しました。

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マームとジプシー「ΛΛΛ かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと———-」

◎劇評を書くセミナー 東京芸術劇場コース2014第2回 報告と課題劇評

チラシ画像 劇評を書くセミナー2014第2回を7月5日に行いました。対象とした公演は、マームとジプシー「ΛΛΛ かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと—–」、講師は徳永京子さんでした。レクチャーは「劇評とは?」に始まり「『見ていない人にも伝わるように書く』ことがまず最初に意識すべきこと」など全般的なアドバイスから、当日までに集まった劇評16本に対する具体的な指摘と助言へと続きました。筆者の了解を得られた劇評を掲載します。(編集部)
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