藤原ちから/プルサーマル・フジコ(編集者、フリーランサー、BricolaQ主宰)
- 東京デスロック「モラトリアム」
- 悪魔のしるし「
SAKURmA NO SONOhirushi」 - 鳥公園「すがれる」(横浜版)
2012年の優れた作品たちについては「ele-king」vol.8に書いたので、こちらでは、まるで活火山の中のカルデラ湖みたいな静けさで、懐のひろい時間を湛えていた3本を。周囲の狂騒に惑わされないこうした巨視的な時間感覚は、今後ますます大事なものになっていくはず。
それと新たに台頭してきた作り手として、Qの市原佐都子を挙げたい。もともと不思議な才気を放っていたけども、『プール』『地下鉄』につづく『虫』再演で腹がひとつ据わったというか、(舞台の)目つきが変わった。冷静かつ冷徹だけど、根っこには強烈な創作衝動と、信頼できる人間観/人生観を感じる。若手(20代半ば以下)では頭ひとつ抜けたんじゃないかしら。来年はさらなる飛躍の年になりそうですね。
(年間観劇数 180本)
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【注】
・記憶に残る3本は「団体+演目」を基本とした。必要に応じて劇作家、会場、上演日時などを追加した場合もある。
・団体のWebページがなかったり変更されたりするケースがあるほか、簡単な操作で各自が当該ページを検索できるようになったことを考慮して、今回は劇団や演目へのリンクは張らなかった。
・ツイッターのアカウント情報などはコメント末尾に掲載した。
・公演の画像情報は3本のうち最初の公演から。チラシ画像が入手出来なかったり先に掲載されている場合などはその次の公演から取り上げた。