カトリ企画UR「紙風船文様」

◎表すこと、現れるもの
  西尾佳織

 アトリエセンティオで2013年4月4日-7日に上演されたカトリ企画UR「紙風船文様」について、先日3人の方の書いた劇評を掲載しました(»)。今回はそれを同上演の構成・演出の西尾佳織さんにお読みいただいた上で、「応答する形で」寄稿をお願いしたものです。(編集部)

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 私が構成・演出を担当したカトリ企画UR『紙風船文様』の公演が終わってすぐ、ワンダーランドの水牛さんから、山崎健太さん、落雅季子さん、宮崎敦史さんが今回の公演に対する劇評を書いてくださるそうだとうかがった。そして「それに応答するかたちで、作り手からの原稿を」とご提案をいただいた。舞台作品について、腰を据えた、粘り強い対話が必要だと常々思っていたので、一も二もなくお引き受けした。そしていつものパターンで、引き受けてから考え出した。「応答」ってなんだ?
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忘れられない1冊、伝えたい1冊 第11回

「プロセス 太田省吾演劇論集」(太田省吾著、而立書房、2006)
 西尾佳織

「プロセス 太田省吾演劇論集」表紙
「プロセス 太田省吾演劇論集」表紙

 遅いテンポと沈黙劇で知られる、太田省吾の演劇論集である。1975年、1980年、1988年に出版された三冊の演劇論集が収められている。私は太田さんに会ったことも、作品を生で見たこともないけれど、この人はきっと恐いくらい誠実で厳しい人だったに違いない、と読むたび思う。語られている内容以上に、語る口調にハッとする。読んでいる私が見られている気がする。ベッドで読むと寝てしまう。ってそれ、全然ハッとしてないじゃないのと言われそうだが、なんだか、だららんとは読めないのだ・・・。
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