アジア舞台芸術祭「Waiting for Something」

◎人を異邦の者にする言葉
 馬塲言葉

 もし、大人に「きれいな赤いレンガの家を見たよ、窓にはゼラニウムがあって、屋根には、ハトがいて…」こんな話をしてもそんな家を想像することすらできないでしょう。あなたは、大人に次のように言わなければいけません。「10万フランの家を見たよ。」って。すると大人たちは、「それはすばらしい!」と叫ぶでしょう。(アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ「星の王子さま」より)

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第14帝國「元帥がやってくる Yar!Yar!Yar!」

◎帝國は若者の郷里たりうるか
 馬塲言葉

第14帝國公演チラシ
第14帝國 公演チラシ

 ラフォーレ原宿といえば、個性的な若者の集まる原宿のシンボル的存在でもあり、ビル内にある決して大きくないミュージアムは、展示場、ライヴハウス、そして舞台へと頻繁にかたちをかえる。そんな場所で、毎月演目をかえながらの七ヶ月連続公演まっただ中にある劇団第14帝國を観劇した。台風にみまわれ交通機関の運行もままならない九月最終日、満席ではない、ささやかでどこか密やかな空間でも、オープニングのシンプルな演出、その迫力に衰えは感じられなかった。オンブラッタ。スピード感のある曲名からそう名付けられた、リズムにあわせた力強い旗振りだ。男性のみで構成された劇団ならではの無骨さと、複雑な繊細さを最大限に生かしたものである。
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