◎「巨匠に学ぶ構図の基本—名画はなぜ名画なのか?」(内田広由紀著 視覚デザイン研究所)
山田宏平
演じるときも、演技を指導するときも、誰かの上演を観るときも、いつも関係性について考えながら演劇に接している気がする。演劇は、時間や事件を経て変わりゆく関係性と、その中で変わってゆく人々の状態を味わうものだと、個人的に思っているからだと思う。
関係性は、基本的に空間と身体の使い方で表わせるものだと思う。空間は言い換えると距離や配置で、身体は視線と姿勢と言い換えたくなる。
僕は演劇に関わるとき、距離と配置と視線と姿勢の変化を楽しんだり工夫したりしているのだと思う(ここに速度と熱量、呼吸と動作を足したくなる)。
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