◎「劇は使える」という限定解除 ―『2013使えるプログラム記録集』から
柳沢望
国内でフェスティバル/トーキョーに次ぐ規模とも言われている京都国際舞台芸術祭(KYOTO EXPERIMENT)だが、そのフリンジ企画として、昨年に引き続き、「使えるプログラム」が今年も実施される(注1)。
そのプログラムディレクターは「けのび」と名乗るグループの活動を積み重ねて来た実績はあるものの、まだ作家として評価が定まっていたとは言えない羽鳥嘉郎だ。むしろ、この20代の若手作家の評価は、KYOTO EXPERIMENTによる起用によって方向付けられたと言うべきかもしれない。その判断には、舞台芸術の未来に向けて舞台をめぐる状況を更新し続けるべきだという認識があっただろう。
(注1)「表象文化論学会ニューズレター〈REPRE〉20」の江口 正登「『使えるプログラム』のこと―『インストラクション』としての上演」参照。
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