◎演劇とダンスと人生−多田淳之介演出「RE/PLAY(DANCE Edit.)」をめぐって
木村覚
例えるなら、魚を水槽に放ったとして、その水槽と魚の関係がこの作品における演劇とダンス(ダンサー)の関係であった。多田淳之介の『RE/PLAY(DANCE Edit.)』は見終わった瞬間、いや見ている間も、非常に挑戦的な、ゆえに考察するに値する作品だとぼくの目に映った。演劇がダンスを取り込む。それは昔から行われてきたことではある。幕間で役者たちが踊るなんて使い方はかねてからありふれていたが、岡田利規が登場して、その独特な台詞回しのみならず役者たちの奇妙な身体運動に注目が集まり、果てはコンテンポラリー・ダンスの一大イベント、トヨタ・コレオグラフィーアワード(2005)に出場するなんてことが起きてからというもの、演劇とダンスは別物と考える思考は明らかに「古く」なった。
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