劇団 山縣家「ホームビデオ」

◎創作と上演の関係について考えたくなってきた
中野成樹(中野成樹+フランケンズ主宰)

横浜は鶴見に暮らすある一家。父と母と息子が二人。父母は自営業をいとなんでいる。父は今年のはじめに体を壊し、入院し家族を心配させたが無事退院、日常に戻った。母は家事をこなし仕事をこなし、たまにバイトもしてるとか。息子二人は双子なのだが、二卵性なので顔はあまり似ていない。兄は最近家を出て実家の近所で暮らしている。弟はまだ実家にいる。二人ともいわゆる就職はしていない。まあ、ごく普通の家族である。劇団山縣家とは、つまりそんな人々で成り立っている。こんな言葉があるかないかは知らないが、家族劇団である。「家族のような」でもなく、「もはや家族だ」でもなく、正真正銘ただの家族である。そして劇団でもある。家族でわいわいとアイディアを出し合い、いちおう父が作・演出の総まとめ。90年代後半より一・二年に一本のペースで作品を発表している。

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