注目

ワンダーランドサイト休止のお知らせ

◎4月からサイトとセミナーを休みます

ワンダーランドは今年2015年4月からしばらく、劇評サイトを休止します。劇評を書くセミナーの新年度の予定もありません。サイトは2004年にスタートして10年余り。セミナーは2008年に始まって7年たちました。ともに年末まで休みを取り、あらためて積み残しの課題に取り組めるのか、取り組むならどうするかなどを検討することにしました。活動はほぼ3月いっぱいが区切り。これまで支えていただいた読者、執筆者のほか、観客や劇場、演劇関係者の方々の厚意に感謝します。温かい支援に応えられなかったことを残念に思います。

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悼む言葉と鳴り止まない拍手と 扇田昭彦さんを送る会

扇田昭彦さんを送る会
【扇田さんを偲ぶ野田秀樹さん。東京芸術劇場。 ひばりタイムス提供 禁無断転載】

 演劇評論家の扇田昭彦さんが5月22日に亡くなって1ヵ月余り。東京・池袋の東京芸術劇場プレイハウス(中ホール)で7月6日(月)夕、演劇関係者ら約600人が集まって「扇田昭彦さんを送る会」が開かれた。扇田さんが好きだったというベートーベンの交響曲第6番「田園」が流れるなかで、故人との印象深い出会いを語り、突然の別れを悼む言葉が舞台上の遺影に手向けられた。
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東京芸術劇場「狂人なおもて往生をとぐ ~昔、僕達は愛した~」

◎劇評を書くセミナー 東京芸術劇場コース2014第6回 報告と課題劇評

 劇評を書くセミナー2014の第6回の課題は、東京芸術劇場 「狂人なおもて往生をとぐ ~昔、僕達は愛した~」(清水邦夫作、熊林弘高演出)でした。1960~70年代の名作を新しいスタッフ、キャストで上演し、現代における意味を探るRoots企画の第2弾です。
 今回は11人の評が集まりました。講師の扇田昭彦さん(演劇評論家)は、自ら体験した初演の衝撃や特徴ある舞台美術などについて熱を込めて振り返りつつ、今回の上演を受け止めた参加者の一つ一つの評について、質問を交えながら丁寧にアドバイスしました。
 セミナー後に提出されたものも含めた原稿のうち、了解の得られたものを掲載します。(編集部)
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新国立劇場「ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2015」

◎ありきたりのダンスなんて、どこにもなかった
 原田広美

dance-archives2015公演チラシ

 「一般社団法人 現代舞踊協会」の制作協力を得て、3月7~8日に、新国立劇場が「ダンス・アーカイヴ in JAPAN 2015」を中劇場で開催した。昨年6月に、大きな反響を得た「ダンス・アーカイヴ in JAPAN」の続編で、日本の洋舞100年の歴史を蘇らせることを意図した催しである。ところで、「現代舞踊協会」の英語表記は「CDAJ(=コンテンポラリ-・ダンス・アソシエ-ション・ジャパン)」。前回に次いで今回も、やはり「現代舞踊は、その時々のコンテンポラリ-なダンスであった」ことを実感した。このたび再演したのは、石井漠(1886~1962)、執行正俊(1908~1989)、檜健次(1908~1983)、江口隆哉(1900~1977)、石井みどり(1913~2008)の作品である。
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地点「三人姉妹」

◎戦う身体、動かす言葉
 水牛健太郎

 

「三人姉妹」公演チラシ
「三人姉妹」公演チラシ

 会場に入ると、巨大といっていい大きさの強化プラスティックの透明パネルが目に入る。目測で1枚あたり高さ2メートル50センチ、幅は1メートル20センチぐらいの透明な強化プラスティック板を、9枚横につないでいる。全体で横10メートルを超えるパネルだ。2か所に木の扉が備え付けてある(ただし、上手側の扉は最後まで開かなかったし、把手もなかったので、扉とは言えないかもしれない)。パネルは窓にこびりつく雪を思わせる白い汚しが入れてあり、向こう側はぼんやりとしか見えない。それから白樺の大きな枝がたくさん、天井から吊り下がっている。葉は白みがかっており、枯死しかかっているようにも見えて、生命感は感じられない。
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鵺的「丘の上、ただひとつの家」

◎根こそぎにされた存在の遍歴と出会い
 チンツィア・コデン

「丘の上、ただひとつの家」公演チラシ 1ヵ月以上前に観劇した鵺的の「丘の上、ただひとつの家」(高木登作・演出)を振り返って、ジョン・レノンの「マザー」(1970)の歌詞を台本の骨組に照らし合わせてみると、その歌詞の背景に存在しうる人間の心境が、鵺的の上演から浮かび上がってくるように思った。
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《観劇体験を深める》ワールド・カフェ

◎観劇体験を深めるワールド・カフェのススメ
 平松隆之・白川陽一

●演劇の感想を語り合う場をつくる-ワールド・カフェとの出会い(平松隆之)

 2012年10月、静岡県舞台芸術センター(SPAC)で「静岡から社会と芸術を考える合宿ワークショップ」という2泊3日のワークショップを開催しました。私としらさん(白川陽一)はこれに、外部のファシリテーター(=ワークショップの進行・かじ取り役)として関わりました。合宿プログラムでは、初日の始めに観劇が予定されており、事前のSPACの方たちとの打ち合わせで、参加者同士で感想を語り合う機会を是非設けたい、ということになりました。
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観客のあいだで考えつづけるということ
―「ワンダーランド」休止によせての覚書き

 堀切克洋

1.「面白い/面白くない」の二分法を超えて
 劇評は誰のために書くのか? 公演初日に書かれたものであれば、千秋楽までに劇場に足を運ぶ観客のための指針ともなるだろうが、大抵の場合は劇評を読んだ時点でその公演はすでに千秋楽を迎えている。では、読者が活字を通じてその未見の舞台を「追体験」することが目的かというと、必ずしもそういうわけではない。むしろ、読者が追体験するのは、書き手が「頭の中で考えたこと」のほうだろう。
 だから結局のところ、公演自体がいかに面白かったとしても、書き手が面白くなければ劇評はつまらないものになる。いかに素晴らしい食材を仕入れようとも、シェフが三流であれば、できあがる料理の質はたかが知れたものとなるのと同じことだ。
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連載企画 観客が発見する 第4回(座談会)

◎観客の世界を開く
 澤田悦子・田中瑠美子・黒田可菜・廣澤梓(発言順)

―ワンダーランドのとりあえず最後の企画は、観客から見た演劇を明らかにしたい、という狙いがあります。今回、芝居に関心がある人で、話していただけそうな人を選んだら、たまたま女子会になった(笑)。みなさんはワンダーランドの「劇評を書くセミナー」に参加しています。顔見知りだとは思いますが、あらためて演劇に関心を寄せているわけ、何が劇場に向かわせているのか、ご自身と演劇の関わりについてお話いただくところから始めたいと思います。
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【レクチャー三昧】最終回

  ワンダーランドサイト休止に伴い、2008年より掲載して参りました【レクチャー三昧】も最終回となりました。長年ご愛読いただきまことにありがとうございました。
 元々はわたしが個人的な趣味で収集したレクチャー情報を友人知人に送りつけていたのを、北嶋孝さんが、ワンダーランドの企画にしてみませんかと声をかけて下すったのが、【レクチャー三昧】の始まりでした。ワンダーランドという公共の場を提供していただいたことで、一個人の趣味を越え、より多くの方々、一面識もない方々のお役に立てたこともあったのではないかしらと仕合せに感じております。
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BricolaQ「演劇クエスト 横浜トワイライト編」

◎聖杯なき探索―ひとりでする演劇?
 大泉尚子

冒険の書
「冒険の書」の表紙
 ところで、あなたは今、幸福だろうか?
 うん、幸福です。→【九七】
 いいや、不幸だ。→【七四】

 YCC(横浜創造都市センター)そばの路上で、テキストを開きふと目に入った二択の設問に茫然とする。その問いに答えるには多少の時間と心構えが必要だ。念のため貯金通帳の残高も確認しなければならないし。プロポーズを受けた時じゃないけれど、しばらく考えさせていただけますか? 1週間、せめて数日。とてもじゃないけど、終了時間の夕方5時までには答えが出そうにない…。
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